「・・・・フゥ―――ン・・・・・・・」 連は落ち着いて、特に取り乱した様子もなく(取り乱すのが面倒くさい)立っていた。 「・・・ふぅむ・・・・・、これは間違いなく血ですね」 庄治が、血を指でなぞってから言う。 「・・・・・手の込んだ、タチの悪い悪戯ですね・・・・・・・。」 「じょっ、冗談じゃない!!いたずらで済まされる問題じゃないでしょう!?」 「そうですわよ!!もうすぐプロジェクトと同時に会議もあるんですのよ!?これじゃ、気が散ってしまいますわよ!!」 「お、落ち着いて・・・・」 「・・・・ねぇ・・・・・」 「!?」 連が、カードを裏返して見せた。小さくて汚い字でこう書いてある。
『3つめのおくりもの=『羽休め』 驚いたかい?これはマジックだよ。君達は観客だ。 城ヶ崎夫妻どの・・・・仕事を1ヶ月休んでみてはいかがかね? 子供を構い、心休みが必要だと思うのだが・・・・。 メイドにまかせきりではなく、母親の手料理を食べさせてもよいと思うのだが』
と言う字。そして・・・・・。 「ほら、あった」 「!!!連、貸してみろ!」 連が、勝手に冷蔵庫を開けて探っていたら、チケットが3枚出てきた。 特別旅行券。この券で、無料でどこへでもいける。 「3枚・・・・・・・。つまり、ドクター=ZOUは、この3枚で、家族3人で旅行へ行けと言うことですね・・・・しかし・・・」 庄治が頭を悩ませている。すると。 「冗談じゃない!!!1ヶ月も休めるか!」 「そうよっ!!無理よ、休めないわよ!!旅行なんていけるものですか!」 二人とも、ドクター=ZOUの言い分には反対だ。 「・・・・・・・・・・・・・・・」 連の目は・・・・・冷たくてギロッとした目をしていた。表情自体は変わらずボーっとしてるが・・・目だけが、冷たくて冷ややかな目で、夫妻を見ていた。 「・・・・・フゥ――ン・・・・やっぱりね」 連は小声でそうつぶやき、部屋に戻って行った。
**************************** 連が借りてる部屋。 【コン!!コン!!】 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 【ドン!!ドン!!】 「・・・・・・・・・・・・・んんんん〜〜〜〜〜・・・・・・・」 【ドン!!ドドン!!】 「・・・・っん・・・・・・・・」 連は寝ていたが、強制的に起こされ、ドアを開けた。 「・・・何?」 「連!オマエ・・・・わかってるんだろう?だったら教えてくれよ?」 「何が?フアァ〜〜〜・・・・・・・」 「ドクター=ZOUの正体と、目的・・・・・!!全部わかってるのだろう?」 「・・・・・・うん」 「・・・!!・・・だったら聞かせてくれよ!」 「・・・やだ」 「何!!??なんでだ!!」 「・・・・面倒くさいし・・・・・・・、それに・・・・・・・・今行ったら計画がだめになっちゃうよ、ドクター=ZOUの」 「しっ、しかしだな・・・・!」 「おくりものは5つもわらなきゃだめなんだよ!・・・・5つ全部ね・・・」 そういう連の目は、ニヤリとしてた。
【バタン・・・】
連は、眠くてダルそうにドアを閉めた。
「フア〜ア・・・・・」
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