「・・・・・・・時間までまだだいぶあります・・・・・・。その間、こちらへどうぞ」 古畑は時野親子を2階へ案内した。
「――ここは図書室でございます。そしてこちらは空き部屋です・・・。・・・ここでくつろいでいただいて構いませんよ」 「はぁ、何から何まで・・・」 「・・・・・・・・・」 庄治は何かとペコペコしていたが、連は特に遠慮するでもなく、むしろ堂々と図書室の扉を開けてスタスタ入っていった。 「おっ、おいっ、連!」 庄治が連の後についで図書室に入った。 そして、古畑は1階へ行った。
「・・・ッヒャァア〜〜・・・。すっげー数の本だな・・・。しかも小説ばっか・・・・・・つまんねーの・・・・。」 「・・・・フフッ・・・・・いい家だね・・・・・・。ずっと読みたかったシリーズが全巻あるよ。」 「・・・・オマエは推理小説好きだからな〜〜〜・・・。人一倍、いや十倍は面倒くさがりのオマエも、寝ることと推理小説読むことは面倒くさがらないもんな?」 「・・・ん〜〜〜・・・・?」 連はどこと無く嬉しそうだ。読みたかったシリーズを見つけたときは、笑ったのだから。といっても、ニコニコ笑ったのではなく、口元と目が、フッ・・・と、少しだけ笑った。 連は、しばらくして1階へ行った。
*************************
「キャハハハァ!!すごい、すごい!!」 「でしょう?では・・・こう!」 「わぁぁっ!!!」 古畑が手を握り、次に開くとコインが3枚。そして握り開くと・・・・コインは無かった。 来夢は絶賛してる。 「すごいっ、すごいよ!!!ねぇ・・・古畑さんっ!私も、主役になりたいっ!!!マジックやりたい!・・・できるかなぁ?」 「フフッ・・・出来ますよ。私が主役にしてあげますよ」 「本当!!??」
************************* 階段のところで連と古畑が偶然会う。
「・・・おや、連様」 「・・・・あのお嬢様・・・マジック好きなんだね」 「・・・はい・・・・・・。・・・来夢さまは、幼い時より厳しく育てられまして・・・・。そして、城ヶ崎様も、来夢さまに無関心になってきて・・・・・。それでも、来夢様が勝手に外に出る事は許されず・・・・だから病弱になってしまったのです。まだ8才ながら、心身ともに疲れた来夢さまの生きがいは・・・これ・・・マジックです。マジックが生きがいなのです」 「フゥン・・・・」
連は行き際に、さりげなくつぶやいた。
「・・・・・・・・かわいそうにね・・・・・・・・」
|
|