5月3日。 「ヒャァ〜〜〜!!でかいな〜〜〜!」 「・・・・・・・・・スー・・・スー・・・スー・・・・・」 「・・・・お〜い、連!起きろぉ〜〜〜!」 「・・・・・・ん・・・・・・、もうついたわけ・・・・・・?」 「ほら、降りろ!行くぞ!」 「眠い・・・だるい・・・面倒くさい・・・・・・・・」 時野親子は車で城ヶ崎家まで来た。 ちなみに今日の時野親子のファッションは・・・。 庄治は、普段からは想像もつかないくらいビシッとしてる。いつもはボロボロのYシャツに、ボロボロのネクタイだが、今日は黒の背広を着てる。 一方連は、いつもと同じ。普通の長袖の服に、長ズボン。正装する気もオシャレする気も全く無い。連は元々オシャレに興味が無い。と言うより面倒くさいのだ。 城ヶ崎家はものすごい豪邸で、広くて大きくてきれい。 「・・・・すっごい・・・すごい豪邸だ・・・!」 「・・・・・面倒くさい・・・・・・」
その時。 「お待ちしておりました、時野庄治様」 「ヘェッ!?あ、あのときの・・・」 庄治に声をかけたのは、白髪で長身で細いおじさん。 「私、古畑 正造(ふるはた しょうぞう)と申します。城ヶ崎家の執事です。」 「は、はぁ」 「・・・おや、娘さんですか?」 「あ、はい。一人娘です。も〜こいつはいっつも面倒くさがり屋で無表情で無愛想で・・・」 「・・・・悪かったね」 「では、お二人方、こちらへ」 そして、執事の古畑に案内されて家の中へ入った。
【キィ・・・・】 「で、でかい・・・・!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 城ヶ崎家の豪邸の中はすごかった。広くて、きれいで。ちょっとした迷路みたい。家の中で迷子になってしまいそう。 【カラカラカラ・・・】 「あっ・・・・・あの・・・。」 車椅子に乗った美少女が連達のほうへ向かってくる。 「・・・あれ?車椅子?・・・・この前はなかったような・・・」 「・・・学校で・・・・足をひねってしまったんです」 「はぁ〜、そうですか・・・・」 「・・・・・・・・。」 美少女――城ヶ崎 来夢(じょうがさき らいむ)。小学2年生。何か名残惜しそうに、来夢は去っていった。
「あら・・・・古畑・・・この方達ですの?バブルちゃんを助けたのは」 細身で、目がつりあがってるけど、どことなくきれいな美女。 「あ、は、はい・・・。時野と申します」 「私、城ヶ崎 幸恵(じょうがさき ゆきえ)ですわ。来夢の母親の・・・。・・・では、今から仕事なので失礼」 「ヘッ!?・・・休みじゃないんですか??第一・・・・今日娘さんのパーティーですよね?」 「フゥッ・・・・それまでには間に合うようにいたしますわ」 そして幸恵は玄関を開けて仕事場へ行った。 「・・・・・・・・古畑、時野さんとはこの方たちかね?」 「ハイ、旦那様・・・・」 その後に、城ヶ崎家の主のような男が来た。 「どうも、時野さん。私は城ヶ崎家の主です。どうぞよろしく・・・」 「は、はぁ・・・・・・」 「では。仕事があるので」 「えっ・・・・」
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