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夢のおくりもの 作者:りみ

第3回   2 メール
東京都内の“光山(みつやま)小学校”。

「じゃあ、明日からG.Wに入ります。連休、楽しんでくださいね」

担任のこの一言で、今日の学校生活も終わり。
生徒達が「ワ〜〜ッ!」と走って、教室を出ていく。
その中で一人だけ机に突っ伏して寝ている少女――連だ。
「あっ、あのっ、連ちゃん?帰らないの?」
「・・・・・・・スー・・・スー・・・・スー・・・・」
「ま、また寝てる・・・。・・・・れんちゃんっ、連ちゃん!」
「・・・・ん・・・・・・・・」
「・・・もう、学校終わったよ?」
「あ、そ・・・・・。緑、何でそこにいんの?」
「・・・あっ、あの、連ちゃんと帰りたかったし・・・」
「・・・・・・・面倒くさいよ・・・帰るの」
「そ、そっか・・・・」
「・・・・・・別に緑と帰るのが面倒くさいわけじゃないけど・・・・・眠い」
「連ちゃんらしいや・・・・(汗)じゃ、じゃあね」
「・・・・・・・・・」

【ガタン!】

「?」
「・・・・いいよ。一緒に帰る?」
「は、はいっ!!」
青山 緑(あおやま みどり)――連の幼馴染でクラスメイト。連の事を慕っているし、連の方も緑の事を『友達』だと思ってる。でも、連は単独行動を好むから、そんなに緑といない。一緒に帰るときとか、弁当を食べるときとかに決まって緑の方が連によって来る。でも、たまに連の方から緑の方へ行く事もある。緑は連のことが大好きだし、連も緑の事が好き。(友達として!)


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連の家。
「・・・ねっむぅ〜〜〜・・・・フアア〜〜〜・・・・・・」
そして、連はまた父の机に突っ伏して寝た。
「・・・スー・・スー・・・スー・・・スー・・・・・」
連は寝るのが早い。いつでもどこでもすぐ寝れる。
「・・・・・スー・・・」

【ピンポロロ〜ン♪】

「・・・・・・・・・・・・ん・・・・・」
半分寝てる目でメールを見た。メールにはこう書いていた。

『時野庄治様。この度、城ヶ崎様のご息女、来夢様の愛犬、バブル様をお探しいただきアリガトウございます。
つきましては、5月3日、来夢様の誕生パーティーがあります。ぜひ、いらしてください』

「・・・・・らい・・・・・む・・・・・?・・・・・・何これ」
そのとき。
【ガチャッ!】
「いっや〜〜〜連っ!!父さんは昔から運だけは強いんだ!!今日もパチンコでじゃんじゃんもうけたぞ!!」
「・・・・お父さん、これ・・・・・・」
「あ?なんだ?」
そして庄治がメールを見ると。
「・・・ん〜〜???ああ!!あの金持ちのトコの犬か!!」
「・・・面倒くさい事するんだねぇ・・・・フア〜〜〜ァ・・・・・。」
「まぁ、困ってたからな!近所のオス犬とじゃれてるのを見つけただけだけどな!」
「・・・・・いい事したじゃん。面倒くさいけど」
「・・・パーティー・・・行こう!!」
「・・・・・・・・は?」
「パーティーといえば!!!おいしいものがたくさん出るはずだ!!よし、食べに行こう!」
「面倒くさい・・・・それに食べ放題に行くんじゃないからね・・・。」
「まぁ、とにかく行こう、行こう!」
「やだ。面倒くさい・・・・」
「そういわずに!!3日ってことは、明後日だ!!行くぞ!」
「・・・・・・・・んも〜〜〜〜・・・・・・面倒くさい」

そして、超乗り気な庄治と、全然乗り気じゃない連は、城ヶ碕家のパーティーに行く事になった。
ここで、不思議なおくりものを貰う事になるなんて、まだ知らなかった・・・。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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