東京都内。 時は4月。春まっさかりだ。 「・・・・スー・・・・スー・・・スー・・・・・」 「おおお〜〜〜〜っ!!!やったぁぁ〜〜〜!!競馬券が当たった〜〜!」 「・・・・・・・・・・・るさい・・・・・・・、スー・・・スー・・」 「お〜〜いっ、連!!父さん、競馬が当たったぞ〜〜〜!」 「・・・・スー・・・・スー・・・・」 「なんだよ・・・また寝てるのか」
ここは某ビル。上の階には家(と言うより部屋)がある。 このビルの中に二人の人物がいる。一人は父の机に突っ伏して寝ている少女。もう一人は、競馬予想が当たって喜んでいる男。 この二人は、親子なのだ。
少女――時野 連(ときの れん)。 この春に小学5年生になった。 この少女の趣味は寝ることで、とても面倒くさがり。この歳の少女は、恋の話に盛り上がったり遊んだりするだろうが、連はそんな事しない。常に無気力、無表情で、ボーっとしてて、ヒマさえあれば寝てる。 ちなみに、肩まであって丸まってる、少し長めのショートヘアーの髪の毛を縛らないのも、縛るのが面倒くさいから。肉体年齢は満11歳だが、精神年齢は80代だろう。性格が年寄りくさいのだから。 でも、本当は優しくて、友達思いで正義感も強い。相手がどんなに偉い人であろうと、意見はちゃんと言う。怖いものがない。 そんな連他人より優れているもの、それは・・・『推理力』だ。どんな難事件もすぐに解決できるほどの推理力を持っている少女・・・それが連なのだ。
そして、男――時野 庄治(ときの しょうじ)。連の父親で、楽観的な性格。 職業は探偵。そしてこのビルは『時野探偵事務所』という。そう、庄治はこの事務所の所長(もっとも、この事務所に探偵は庄治しかいない)。だが・・・庄治には決定的な欠点がある。 それは・・・・推理力がゼロだ。娘の連と正反対で、いつも頓珍漢な推理をする。
しかし、この親子はなんだかんだ言って仲がいい。連の母は連が3歳のときに死んで、それ以来二人暮らしをしてる。 連は庄治をなんだかんだ言っても慕ってる。
・・・この父娘は、後に不思議な事件に巻き込まれる事になる・・・・・。
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