■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

夢のおくりもの 作者:りみ

第15回   14 秘密の謎解き
日曜日。
外は雨がザーザー降ってる。
時野親子は車に乗って五つ星レストランへ向かった。

そして着いて。
レストランの外には、高級ベンツがあり、城ヶ碕家の執事――古畑が傘をさして立っていた。
「時野様。いらしていただき、とても嬉しく思います」
「ハァ、どうも・・・・・。・・・なぜこんな高級レストランに我々を?」
「いえ・・・・・・お話伺いたかったのです。・・・探偵に」
「ハァ、私ですか?いやぁ、しかし・・・・」
庄治が照れながら言うが、古畑が『探偵』と示したのは庄治じゃない。連だ。
でも、連自身は、自分にバツグンの推理力があることも、自分が探偵といわれている事も知らない――気づいていないから、ただ単にボーっとしてる。


***************************
レストラン内。
シャデリアで明るかったが、なぜか客は一人もいない。客どころか店員もいない。
「ホッホッホ・・・・・貸し切ったのですよ」
「ハァ・・・・すごい・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・フ――ン」


そして数時間後。
3人とも、もう食べ終わっていた。
「・・・・フゥェ・・・・フヘヘェ〜〜〜・・・・もう飲めにゃぃ・・・」
「・・・あーああ。出来上がっちゃった」
庄治は酒には強くても、さすがに飲みすぎて酔っ払った。
「・・・・どうする?」
「・・・では、車の方へ運びましょうか。鍵は・・・」
「はい、これ」
「ホッホッホ、どうも・・・・」


そして。
古畑が庄治を、庄治の車に入れた。(イスに座らせた)庄治は今も熟睡中。
まだ雨が激しく降っている。いや・・・、さっきよりも激しくなっている。
「・・・・・・・さて・・・・・・・・・・・・時野連様」
「?」
「・・・・・・お話を伺いたいのですが」
「エ―――・・・・・・」
「ホッホッホ、そう嫌な顔をなさずに」
「めんどくさぁ・・・・・・。・・・・・いいよ。してあげるよ」
「・・・・・あなたはすでに、もうたくさんのことを知っているのでしょう?」
「たくさんのこと?何が?」
「・・・・・・一つ言ってみてくださいよ。あなたが知っていることを」
「ン―――・・・・例えば・・・・・・・」
連は、目をまっすぐにして、こういった。








「・・・・あんたが、ドクター=ZOU・・・、いや、本物のドクター=ZOUの共犯ってこととか?」







【ドガッシャ―――ン!!!・・ザ―――・・・ザ―――・・・】






激しい雨に雷が呼応する。
「・・・・・・・やはり・・・わかっていたではないですか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・まぁね。・・・後、これはいまわかったんだけど」
「ホォ?」
「・・・こんな広いレストランに誰も呼ばなかった理由。目的とか動機とか・・・・誰にも知られたくなかったからでしょ?誰かに知られたら・・・・・ドクター=ZOUが・・・悲しむから。『マジック』は成功しないから・・・・でしょ」
「・・・・・あたりです」
「・・・・・・・・・・・で?今からすればいいの?『謎解き』。する必要ないじゃん」
「・・・あなたの口から聞きたいのですよ。なぜわかったのか・・・・」
「・・・・・・・・・・・わかったよ・・・・・・・・・・・・・いいよ」

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections