日曜日。 外は雨がザーザー降ってる。 時野親子は車に乗って五つ星レストランへ向かった。
そして着いて。 レストランの外には、高級ベンツがあり、城ヶ碕家の執事――古畑が傘をさして立っていた。 「時野様。いらしていただき、とても嬉しく思います」 「ハァ、どうも・・・・・。・・・なぜこんな高級レストランに我々を?」 「いえ・・・・・・お話伺いたかったのです。・・・探偵に」 「ハァ、私ですか?いやぁ、しかし・・・・」 庄治が照れながら言うが、古畑が『探偵』と示したのは庄治じゃない。連だ。 でも、連自身は、自分にバツグンの推理力があることも、自分が探偵といわれている事も知らない――気づいていないから、ただ単にボーっとしてる。
*************************** レストラン内。 シャデリアで明るかったが、なぜか客は一人もいない。客どころか店員もいない。 「ホッホッホ・・・・・貸し切ったのですよ」 「ハァ・・・・すごい・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・フ――ン」
そして数時間後。 3人とも、もう食べ終わっていた。 「・・・・フゥェ・・・・フヘヘェ〜〜〜・・・・もう飲めにゃぃ・・・」 「・・・あーああ。出来上がっちゃった」 庄治は酒には強くても、さすがに飲みすぎて酔っ払った。 「・・・・どうする?」 「・・・では、車の方へ運びましょうか。鍵は・・・」 「はい、これ」 「ホッホッホ、どうも・・・・」
そして。 古畑が庄治を、庄治の車に入れた。(イスに座らせた)庄治は今も熟睡中。 まだ雨が激しく降っている。いや・・・、さっきよりも激しくなっている。 「・・・・・・・さて・・・・・・・・・・・・時野連様」 「?」 「・・・・・・お話を伺いたいのですが」 「エ―――・・・・・・」 「ホッホッホ、そう嫌な顔をなさずに」 「めんどくさぁ・・・・・・。・・・・・いいよ。してあげるよ」 「・・・・・あなたはすでに、もうたくさんのことを知っているのでしょう?」 「たくさんのこと?何が?」 「・・・・・・一つ言ってみてくださいよ。あなたが知っていることを」 「ン―――・・・・例えば・・・・・・・」 連は、目をまっすぐにして、こういった。
「・・・・あんたが、ドクター=ZOU・・・、いや、本物のドクター=ZOUの共犯ってこととか?」
【ドガッシャ―――ン!!!・・ザ―――・・・ザ―――・・・】
激しい雨に雷が呼応する。 「・・・・・・・やはり・・・わかっていたではないですか」 「・・・・・・・・・・・・・・・・まぁね。・・・後、これはいまわかったんだけど」 「ホォ?」 「・・・こんな広いレストランに誰も呼ばなかった理由。目的とか動機とか・・・・誰にも知られたくなかったからでしょ?誰かに知られたら・・・・・ドクター=ZOUが・・・悲しむから。『マジック』は成功しないから・・・・でしょ」 「・・・・・あたりです」 「・・・・・・・・・・・で?今からすればいいの?『謎解き』。する必要ないじゃん」 「・・・あなたの口から聞きたいのですよ。なぜわかったのか・・・・」 「・・・・・・・・・・・わかったよ・・・・・・・・・・・・・いいよ」
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