その夜。 古畑が、来夢が乗ってる車椅子を押してホールへやってくる。 ホールでは、陽司、幸恵、庄治、連が食事していた。 「・・・あの、お母さ・・・」 「うっさいわねぇ、ちょっと黙っててよ!」 「ご、ごめんなさい・・・・・・」 来夢が幸恵に話しかけるが、彼女はイライラしてて来夢を相手にしなかった。 「・・・・お父さ・・・」 「今忙しいんだ」 「ごめんなさい・・・・・・」 陽司も来夢を相手にしない。 つまり、この夫妻は、実の子である来夢に無関心だ。 そして来夢は・・・・悲しそうで寂しそうな目をしていた。今にも泣きそうな目をしていた・・・・。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 その様子を、静かに連は見つめていた・・・・・・・・・・・。
************************ 夜中。 「・・・・・・・そろそろ4つめのおくりものくるかな・・・・・。」 連がそうつぶやいた。その瞬間―――!
「キャァァァァ―――――!!!」 来夢の悲鳴が聞こえた。 「・・・・・フフッ。」 連はうろたえることもなく、むしろ嬉しそうに、フフッと笑った。 「なんだ!?」 「来夢!?」 「来夢さま!?」 連以外の人たちは走って、来夢の部屋へ行った。
・・・・来夢がいなかった。 部屋の窓が開いてて、車椅子がおいてあった。足をひねった来夢は、車椅子に乗ってたはずなのに・・・・部屋に車椅子はあるのに来夢はいなかった。 「・・・こ、ここから飛び降りた?・・・まさかね。この高さじゃ・・・、いや、できるか?いや、でも・・・」 庄治が窓から下を見下ろす。飛び降りたって、運がよければ死にはしない高さだ。そして、地面には、季節はずれの葉っぱがたくさん、たくさん積もっていた。 そして・・・・車椅子には、カードがおいていた。 そのカードにはこう書いていた。
『4つめのおくりもの=後悔と愛情 ドクター=ZOU』
|
|