■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

夢のおくりもの 作者:りみ

第11回   10 4つめのおくりもの
その夜。
古畑が、来夢が乗ってる車椅子を押してホールへやってくる。
ホールでは、陽司、幸恵、庄治、連が食事していた。
「・・・あの、お母さ・・・」
「うっさいわねぇ、ちょっと黙っててよ!」
「ご、ごめんなさい・・・・・・」
来夢が幸恵に話しかけるが、彼女はイライラしてて来夢を相手にしなかった。
「・・・・お父さ・・・」
「今忙しいんだ」
「ごめんなさい・・・・・・」
陽司も来夢を相手にしない。
つまり、この夫妻は、実の子である来夢に無関心だ。
そして来夢は・・・・悲しそうで寂しそうな目をしていた。今にも泣きそうな目をしていた・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その様子を、静かに連は見つめていた・・・・・・・・・・・。


************************
夜中。
「・・・・・・・そろそろ4つめのおくりものくるかな・・・・・。」
連がそうつぶやいた。その瞬間―――!

「キャァァァァ―――――!!!」
来夢の悲鳴が聞こえた。
「・・・・・フフッ。」
連はうろたえることもなく、むしろ嬉しそうに、フフッと笑った。
「なんだ!?」
「来夢!?」
「来夢さま!?」
連以外の人たちは走って、来夢の部屋へ行った。






・・・・来夢がいなかった。
部屋の窓が開いてて、車椅子がおいてあった。足をひねった来夢は、車椅子に乗ってたはずなのに・・・・部屋に車椅子はあるのに来夢はいなかった。
「・・・こ、ここから飛び降りた?・・・まさかね。この高さじゃ・・・、いや、できるか?いや、でも・・・」
庄治が窓から下を見下ろす。飛び降りたって、運がよければ死にはしない高さだ。そして、地面には、季節はずれの葉っぱがたくさん、たくさん積もっていた。
そして・・・・車椅子には、カードがおいていた。
そのカードにはこう書いていた。




『4つめのおくりもの=後悔と愛情    ドクター=ZOU』

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections