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夢のおくりもの 作者:りみ

第10回   9 貧乏だった頃
連は、すぐさま部屋で寝た。
何の悩みもなく眠るその寝顔は・・・何かかわいかった。


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一方庄治は、頭を悩ませていた。
ホールで、古畑、陽司、幸恵に話を聞いていた。
「・・・う〜〜む・・・・休んでほしいと言う事は、ライバル会社からでしょうが・・・・・・・・、しかし、この屋敷に入ることなど・・・・・」
「・・・きっと、ALVOX(アルボックス)社ですよ。ライバル会社なんです。そこの社長と私は、昔から対立してまして・・・・・」
「なるほど・・・・・・・」
「谷口 啓一郎(たにぐち けいいちろう)・・・・・・、私と同い年です。昔から競い合ってまして・・・・・・。そして、この間の、大きなプロジェクトで、私の会社が勝ちまして・・・・それで、谷口氏は怨んでるんでしょう。だから、こんなばかげたマネを・・・・」
「・・・・なるほど・・・。・・・・幸恵さんは?」
「・・・私は・・・同級生の、山口 美沙(やまぐち みさ)、八神良子(やがみ よしこ)が怪しいと思いますの・・・・・・・。昔から私と競い合っててライバルで・・・・・・・、この人のことでもモメました・・・。この人と私は、高校の同級生で・・・・・、3人とも、この人が好きで・・・・」
「・・・・・・そうなんですか」
そのとき、黙っていた古畑が口を開いた。
「・・・奥様は・・・旦那様と結婚された当初は、幸せそうでした・・・」
「・・・古畑!何を言うの!・・・・・けど、確かに幸せだったわよ。あの頃は私、貧乏だったもの。この人も、今ほど金持ちじゃなかったけど・・・幸せだったわ。まぁ、来夢が5歳の頃、この人が大出世して、ここまでこれたのよ」
「なるほど・・・・・」
「全く!もう、あんな貧乏生活はこりごり!この時期に会社を休んだりなんかしたら・・・・・!冗談じゃないわ!!」
「・・・・は、ハハァ・・・・・」


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昼。図書室で。
「連!!」
「ん?」
「タイヤ・・・明日か明後日じゃないと届かないってさ」
「・・・誰が?」
「古畑さんだよ!あの人が電話で取り寄せようとしたんだが・・・道崩れが原因で、明日か明後日くらいじゃないと届かないって」
「・・・・・フ―――ン・・・・・・・」




このとき、庄治は思った。


これは全て偶然なのだろうか。ドクター=ZOUが道崩れを利用して、パンクさせて帰れないようにした。何のために?それはわからない。
少し怖くなった。何をしたいのかさっぱりわからない。おくりものの目的もわからない。



だが、それ以上に・・・・、全てをわかりきっていながらも、いつもと同じ様子で、鼻歌を歌いながら推理小説を読んでいる連――自分の娘、連のほうが・・・怖かった。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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