その夜、探偵事務所(=家)で。 連の父――時野 庄治(ときの しょうじ)がケーキの箱を持ってきた。 「おーい、連。ケーキ食うか?」 「食べる。・・・・あ、お父さん。“剣淵”っていう警察、知ってる?」 「!!!!!!ゴホッ、ゴホゴホゴホッ・・・!(←ショートケーキをつまらせた)なんで、何でオマエが剣淵警視総監殿の事知ってるんだよ!!」 「知ってたんだ・・・・、しかも『殿』までつけて・・・・」 「・・・なんで知ってんだ?」 「別に。・・・帰り道に、中学校で殺人事件が起きてたから。」 「んぐっ!!!!(←いちごをつまらせた)殺人事件っ!!??おいおいおい・・・・・。・・まぁ、お前は死体とか見ても平気だと思うけどな。」 「別に平気だった」 「ふぅん・・・・・・・・、けどな、ガキが首突っ込むもんじゃねえぞ」 「面倒なことには首突っ込みたくないけど」 「ふぅん・・・・・・・。あ!!!」 「?」 「お前っ、オレのモンブラン食うな!!」 「はぁ?モンブランはあたしのじゃん」 「いや、俺のだ!!返せっ!」 「もう食べたし、それに返したくないから」 「オイオイオイ・・・・こういうときは父親に遠慮するものだろ・・・」 「モンブランは無理。絶対あげないから」
普段はマイペースでボーっとしてる連も、やはり小学生。好きなものには目が無かった。(連の好きなもの=モンブラン、本、寝る事)
父娘のほのぼの(?)とした会話が繰り広げられている中で・・・・、警察では、さっき連が拾った“エラメス”のリボンが、重要な鍵だということが発見された・・・・・・。
**************************** 次の日の放課後。 「お〜い、時野、青山」 「「?」」 「なんか、校門の所に昨日の刑事が来てるぞ」 「えぇぇっ!?」 「・・・・・・・・は?」 校門の所へ行ってみると、剣淵がいた。低学年の生徒達は、パトカーがめずらしいのか寄って行ってる。 「・・・・何しに来たの?」 「・・・時野に来てほしくてな・・・・」 「なんで?」 「・・・・、・・・お前には、自分でも気づいていないんだろうが、推理力、洞察力、観察力がある。・・・それを利用したい、それだけだ」 「ふぅん・・・・・・。なんでこの学校が分かったの?」 「オレもガキの頃はこの“光山(みつやま)小学校”に通ったからな」 「ふーん・・・・・・。・・・緑とつかっちゃんも連れてっていい?」 「ああ?・・・・・かまわねえよ」
こうして、刑事が子供を誘うと言う前代未聞のことがありながらも、連達は剣淵と一緒に“高田中学校”へ向かった。
**************************** 高田中学校門前。 「・・・お前が拾ったこのリボンだが・・・、・・・この中学の、陸上部のものだと判明した」 「?なんで?」 「この学校は公立だが、伝統などを重んじてて進学率が高いんだ」 「・・・・・・・・・・・・・・で?」 「で、それぞれの部活に、ブランド物のリボンを配ってるらしいんだ」 「たかが部活にブランド・・・・・・・・・・・?」 「サッカー部なら“ジュリー”。バスケ部なら“ヴゥトン”。・・・・で、“エラメス”は、陸上部のリボンだ。」 「フゥン・・・・・・・・、その“ジュリー”とかって犬の名前?」 「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」 剣淵、緑、つかっちゃんはそろって黙った。 連はブランドに人の二倍は鈍いので、ブランドの名前を挙げられても分からず「?」状態だ。 「・・ま、まぁ、いい。・・・・だから、陸上部の生徒に聞き込みに行こうと思う」 「・・・・あたしいらないじゃん」 「なんとなく・・・・何か気づくかとおもってな」 「ふぅん・・・・・」 そして、数人の刑事達と一緒に陸上部へむかうことになった。
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