そして、捜査が行われた。 「おい、お前ら、もう帰れ!」 剣淵が連達三人に言う。 「れっ、連ちゃん、もう帰りましょう?」 「そうだよ、時野・・・・」 「・・・・・いいよ。緑とつかっちゃんは帰ってなよ?もう3時だし。・・・なんかおもしろそうじゃん」
そういう連は、口元がニヤリと笑っていた。
「・・・・チッ、ガキが・・・・。そこに突っ立ってたら邪魔なんだよ」 「邪魔にならないようにしてるよ」 「・・・・・・おい、“時野連”。だったら学校内まで入って来い」 「?なんで?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 剣淵は何もいわなかった。 “さっきの事”で、連には、自分自身でも気づいていない、天才的な推理力、洞察力、観察力があることを悟っていた。なので、もしかしたら役に立つのか、と思ったから。剣淵は子供が嫌いだ。だが、連は普通の子供じゃないような気がした。間違いなく普通の子供のはずなのに・・・・・。 「連ちゃんっ、私も・・・行っていいのかな?」 「?別にいいじゃん」 「迷惑にならないかな・・・・?」 「迷惑になるようなことしなけりゃいいんじゃん」 「じゃあ、俺も入りたいぞ!」 と言う事で三人はここにいた。
*************************** 中学校内。 「いやぁ・・・・・・、わが校で“自殺者”がでるなんで・・・・・・。」 頭がハゲてて、汗が吹き出ている小太りの男――校長の武藤 和昭(むとう かずあき)。50代前半くらいだ。 「いや、それがですね・・・・自殺ではないと分かりました」 「なんですと!!?・・・・た、他殺ですか!?」 「そういうことになりますね」 「・・・・・わが校の誰かが・・・・?いやっ、そんなはずはない!!わが校は伝統ある学校だ・・・・・・・そんな“落ちこぼれ”など育てていない・・・・!・・・だ、大体ね、殺されたあの子達は、殺されても同然の子なんですよ。女のクセに不良で、ケンカばっかりで、勉強は一切しなくて・・・・!!あんな落ちこぼれはですね、殺されて当然なんです!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・ふーん」
連が、時折見せる“人を見下す目”で校長を見て言った。
「いいのかなぁ・・・、“校長”がそんな事言って。・・・・一応生徒だったら、教育しなおそうって気にもなれないのかなぁ・・・・・・」 「だっ、誰だ、君は!小学生が入って・・・―――」
「人を落ちこぼれだの殺されて当然だのとか・・・その“落ちこぼれ”を受け止めるのが大人でしょ?邪険に扱うから、いつまで経っても、誰かに頼ったりができないんだよ」
校長は連の目におじげづいていた。普段はトロそうな目をしてる連が時折見せる目――その目は、どれだけ偉い人でも何も言えなくさせるような目だ。
「・・・・・・そ、それでは校長先生?・・・殺された子達について、話してほしいのですが・・・・」 「・・・・・・わかりました。あの三人は、この辺じゃ有名な問題児でして・・・・・・――――」
|
|