「・・・おい、ガキ。てめぇ、名前なんていうんだ?」 「・・・・・・なんであんたに言わなきゃならないの?」 「!このアマッ・・・・!!」 「アンタから名乗ればいいじゃん」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
警視総監の剣淵は一瞬、本気で連を銃で撃ち殺したくなった。が、警視総監の自分が子供を殺すわけにも行かず、すさまじい精神力で我慢した。
「・・・・・・おれは、剣淵・・・、警視総監だ」 「・・・・・緑、つかっちゃん、どうする?」 「えっ?」 「何がだ?」 「名前聞きたいらしいんだけど・・・・・」 「俺らも名乗るのか?」 「えっ!?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「ハイハイ。・・・“時野連”」 「“時野”?・・・なんか聞いた事あるな・・・・・、時野・・・・ときの・・・・・・・、と・・・・・・・、!!!時野!?・・・オマエまさか、“時野庄治”の娘か?」 「?何で知ってんの?」 「カァ〜〜・・・・・似てる・・・・似すぎてる・・・・、あいつにそっくりだ・・・。・・・・あいつは元刑事なんだよ、オレの部下だったんだ」 「あっそ」 庄治は元刑事だった。 だが、それは連には初耳だった。
「あいつのせいで未解決の事件がゴロゴロ残ったよ・・・・・・・」 「プッ。そりゃそうだろうね」 「時野家と何の因縁があるんだよ・・・・・・。娘とも会うなんて」
そのとき。
「剣淵警視総監!・・・自殺と見て、間違いないでしょうか?」 「そうだろうな。現場から見て間違いないだろう。“受験ノイローゼ”だろう」 「受験ノイローゼですか・・・・最近の中学生は、心が弱いから・・・」 若い刑事が剣淵と話していた。 「・・・・・・・。ねぇ、ちょっと」 「「?」」
【スルリ・・・】
「あっ!?おい!」 三人は、刑事達をスルリと抜けて、現場へ行った。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「「・・・・・・・!」」
三体の死体。三人とも頭を銃で撃ち抜かれている。 そして、『遺書』と書かれた紙。
「・・・・ふーん・・・・・・」 「おいっ、お前ら!ガキが勝手に入ってんじゃねえ!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 連は無言で遺書を読んだ。
『受験、受験ってもうウザイよ 今まで悪い事ばかりしてた しまいには、仲間を殺しちまった。遊びでもってた銃で殺しちまった だからあたしも死ぬよ もう生きていたくない』
と、下手な達筆でそう書かれていた。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そして、一つの死体のこめかみには撃たれた跡。緑とつかっちゃんは怖がって後ろへひいているが、なぜだか連は平気だった。
「・・・・・・フーン・・・・・・、あんさぁ、これ自殺じゃないよ?」
「あぁ!!??」 連の思わぬ一言に剣淵は声を荒げた。 「っざけんな、ガキ!!ガキに何が分かる!!」 「そっちこそ、警察のクセに何見てんの?・・・ここ、見てみれば?」 連が指さした先は、死体のこめかみ。 「・・・・・・・・あぁ?・・・・・・・・・!!アレがない!」 「でしょ」 「・・・・・チッ・・・・・、おい!!これは他殺だ!!・・・もしも自殺なら、銃を頭に突きつけるはずだ・・・・、だが、それなら火傷の跡があるはずだ・・・・だが、どの死体にもない・・・・!・・・離れた位置から撃ったってことだ。これは他殺だ。」 いいながら、剣淵は、少し怖がってる目で連を見た。 (・・・こいつ、見た感じまだ小学生だろ・・・・・・なのになんでこんな詳しいんだ・・・・・!・・・こいつ何者だ?本当にあの時野の娘か?)
そして、他殺と判定され、捜査が行われた・・・・・・・・。
|
|