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人形達の叫び 作者:りみ

第16回   14 追い詰められた犯人
それから何日か経って。
高田中学校はテスト週間の終わりがけになったころだった。
「えー・・・では、明日のテストで全部終わりだ。だが、もう2学期も終わる。お前たちの時間など無いに等しい!!受験は迫ってきてるのだからな。わかってるのか?」
そう。明日でテストは全て終わると言う日だった。
「尚、今のところは、トップは一宮、二位は東城だ」
生徒達は、当然だと言う顔つきだった。


「・・・ねぇ?」
「えっ?」
「・・・わかってるわよねぇ・・・・?“あのこと”」
「!!・・・・ハ・・・ハイ・・・」
「そ。わかってたらいいの。・・・・バラしたら承知しないんだからね・・・・あなたの成績がいいのは・・・・私のおかげでしょう?」
「・・・ハッ・・・ハイ・・・わかってます・・・」
「・・・・フウッ・・・・・」
そういい残し“ある人物”は去る。“もう一人の人物”はうつむいて震えていた。
「・・・やっぱり・・・言うしかないのかな・・・・だめっ・・・いえないよ・・・・・・・・・・け、けど・・・・」
その人は“あのこと”を思い出していた。
そう、あのとき。あの小学生三人組が来たとき。
真ん中の、髪の毛がこげ茶色のボーッとした女の子――連。あの時の目はドキッとした・・・・・・そして、連はその人物にこういった。



“何オドオドしてんの?言いたい事あるなら、言った方がいいと思う。”




(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)


****************************
同じ頃。
“犯人”は駅前のゲーム店にいた。
この駅前のゲーム店は光山小学校の近くにあり、小学生に大人気で夕方は小学生でごった返す。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小学生達が来るまで・・・・後10分・・・・」

犯人は知り尽くしていた。何時何分にこの店が満員になるか、ドレがどこに配置されているか、など。



「・・・・・・・・・・・・っっ・・・・・フフフッ・・・」



そういい、一つのゲームに手を伸ばした。

【スッ・・・・・・・・】

『ルイージペンション』をカバンに入れた―――そのとき。









「何してんの?」






(!!!!)
思いがけない声に驚いた犯人。
そこにいたのは、トロそうだと思っていた少女――連だった。
そして、連の少し後ろには庄治がいた。
「・・・・っ・・・ゃ・・・・」
「ふーん。やっちゃいけないのに・・・」
「・・・・チッ!!」


【ダッ!!】


“犯人”は走り出した。


「・・・・・・・・・フーン。」
面倒くさそうに見た後、連も走り出した。“犯人”を追ったのだ。
「おいっ、連!?」


(なんで・・・・!?なんでついてこれるの・・・・!!!??)
この道は、陸上部が普段走っている距離とかわりない。
けど・・・連は普通についてきた。
「・・・っっ・・・・もう終わりね・・・・、なんでっ・・・!!なんであんな奴らのために・・・・!!!」



*************************
病院の屋上。
“一宮総合大病院”と言う病院の屋上だ。
「・・・・ハァッ・・・・ハァッ・・・・ハァッ・・・・」
「・・・やっぱりアンタだったんだ」
「っっ・・・・何でこんなガキに・・・・!!」
「やっぱり、“アンタ”が犯人だったんだ・・・――――」

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Novel Editor by BS CGI Rental
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