「・・・・・・・・スー・・・・スー・・・・・・・」
【ガチャッ!】
「連〜、帰ったぞ〜」 「・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・」 デスクにつっぷして寝ていた連は起きた。 「・・・・眠い・・・・・・・・・・・・・・・・。もっかい寝る」 「おーい、お前朝どこ行ってたんだ?」 「・・・・・・・・朝・・・・・・・・・・・・・・・?・・・どっかいったっけ?・・・ああ・・・・そーいえば行ったね。・・・あ、あのさー」 「ん?」 「“弁慶”って立って死んだんだよね?」 「ああ。」 「・・・弁慶は、刺されても激しく動いて守ったから・・・・・死んだらすぐ固まって、だからこそ立って死んだんだよね?たしか。」 「あー・・・そうだったな。よく覚えてるなーしかし。お前が4歳のときに教えた話だぞ」 「きょーみあったから覚えてた」 「あーそーですか」 「・・・・んー・・・・・・・・・・・・・・・・でさ・・・・―――」
************************** 次の日の放課後に、校門前にパトカーが止まっていた。 「緑ー、つかっちゃん、行くー?」 「えっ、またか?」 「でも、どうしていつも止まってるんでしょう?」 「さぁ・・・・・・、昨日電話したしね」 「えぇぇっ!!??」 「なんでだよっ!!??」 「まー、いいじゃん」
パトカーの中。 こんなにあっさりと現場へつれてってくれるのには・・・連が昨日剣淵に“あのこと”を・・・・話したから・・・・。
「おい、“アレ”は本当なのか?」 「さーね。」 「さぁって・・・・・・」 「いーじゃん、違ったら違ったで。・・・・警察は昨日電話で言った“アレ”調べてよ」 「ああ。・・・けどお前らは来ることなかったんじゃないか?」 「んー・・・・・あたしは“あのこと”を聞きたかったし。運がよければわかるかもしれないから。・・・緑とつかっちゃん、ついて来てくれる?」 「あ?ああ。いいぞ」 「はいっ」
*************************** 高田中学校陸上部部室。 警察は、神社から学校までの道のり、裏道、遠回りするルートなどを徹底的に調べた。連が剣淵に言った“あのこと”を解明するため・・・。 「・・・なぁ、ガキどもがこんなことしていいのかよ?何もしていないあたしらをよぉ・・・・・・。」 そういったのは亜紀。 尋問されるのが一番苦手なようだ。 「・・・警察に許可取っちゃってるから」 中3の女を目の前に堂々と、おびえる様子も無く言ったのは連。緑&つかっちゃんは少し怖がってる。 「・・・・まぁ、いいんじゃない?亜紀。・・・・ねぇ、何が知りたいわけ?」 そういってニッコリしたのは沙耶香。 美希は、うつむいたまま無言だ。 「・・・・・・・・、昨日さ・・・“万引き”見たんだよね」 「「「・・・・・!!!!!!・・・・」」」 三人とも絶句した。 「男がね、万引きしてた。“ある場所”でね。・・・まぁ、捕まえたけどさ。・・・考えたんだ、あたし。・・・ひょっとしたらこの犯人も万引き常習犯だったんじゃないかな、って・・・。大体そうじゃん、殺人する人って大体本音を溜め込むし。だから・・・・・人に見られたらやばいヤマしいことでもしてたんじゃない?・・・例えば、“万引き”とか・・・」 「「「!!!!????」」」 「ま、勘だけどさ」 「・・・・あのね、君。万引きなんかするわけ無いでしょう?確かに駅前のゲーム屋は万引きスポットだけど・・・・。」 沙耶香は少し焦りながらも答えた。 亜紀は無言。 美希は・・・・・・・顔を真っ青にして唇をかんでブルブル震えている。 「・・・・フーン・・・・・・」 そして、連は出て行った。慌てて緑とつかっちゃんが追う。 沈黙の部室の中で、美希はただブルブル震えていた・・・・・。
「おいっ、時野〜、よかったのか?あんな事いってさぁ!」 「連ちゃんのことだから、なにかあるんですよね?」 「・・・まーね。・・・・カマかけてみた」 「カマ?」 「上手くいくといいんだけど・・・・。・・・ちなみにキーワードは“弁慶の立ち往生”だよ」 「弁慶ー?それって立って死んだんだろ?」 「うん、さすがつかっちゃんじゃん。」 「それがキーワード・・・?」 「多分ね。勘だけど」
*************************** 一方、“犯人”は歯軋りしていた。
(クソッ!!クソッ!!何なのだ、あの小娘は!!・・・っっ・・・・!!あの目・・・・!!初めて見た時と違う・・・!トロそうな目をしていたのに・・・・!堂々としてて、どこかカッコよさを目立たせる目・・・・!!何なのだ・・・・!この“ゲーム”にあんなキャラは設定していない!!・・・確か、“時野連”と言ったな・・・・!!クソォ・・・!!あいつの言葉、あいつの目、あいつの堂々とした態度が、このゲームを狂わせる・・・!!やめろ、やめろ、やめろぉぉぉぉ・・・・・!!!)
|
|