学校から神社までは、まず校門を通って坂を上がっていけばある。 だが陸上部は“遠回り”をする。外側から大きく回ればマラソン並になるからだ。それを何往復もする――陸上部は毎日そんなに走っている。 「・・・・・・・・・・・・・・・・なるほどね・・・・」
************************* 駄菓子屋。 「時野〜、駄菓子屋があるぞ?」 「?行ってみる?」 「行って見ましょうっ!」 「・・・・つかっちゃんのおごりね。緑、行こう」 「えっ!!!???オレ!!??」
そして駄菓子屋へ入った。
そのとき。
【・・・・サッ!!・・・・・・ダッ!!】
「・・・・!」 連は、高田中学校の学生二人が万引きしたのを見た。 「・・・・・・・・・・!!!」
【ダッ!!!】
「エッ!?時野!?」 「連ちゃん??」
連は普段はマイペースなためわからないが、元々足が速いため、中学生にすぐに追いついた。 「・・・・・!?なんだ、あのガキ!?」 「知るかよぉっ!!!」 「・・・・・・・待ちなよ!」
【・・・・ガッ!!】 「わっ!?」 連は、一人の学生をつかみ、足を引っ掛けた。 「・・・・・・」 【グイッ!!】 「・・・・・・中学生だったらわかんでしょ?万引きはダメだって」 「・・・チッ・・・・・・・・!!!こうでもしなきゃやってらんねぇんだよ!!」 「・・・?やってらんない?」 「・・・・・・毎日毎日“勉強”“勉強”で・・・俺らは発散できねえんだよ。ハッ、お前みたいなガキにわかるかよ」 「・・・・わかんない」 「あ?」 「わかるわけないじゃん。そんなの」 「・・・・・!!!」
連は、連に足を引っ掛けられてまだ立ってない学生を、“人を見下す目”で睨んだ。その目に学生はゾクッとした。
「・・・万引きしなきゃやってらんない?そんなのわかんない。わかりたくも無い。バッカじゃないの?発散なんか他にいくらでも出来んじゃん。あんたはただ単に流されて言いなりになってるだけじゃん。身勝手だよね。自分が機嫌悪かったら他人のもの盗んでいいの?・・・身勝手だよね。・・・ああ、それと、あたしのお父さん警察と知り合いだから」
「!!!!!・・・・・・・ゴッ・・・・ごめんっ・・・・!!悪かったっ・・・・!!たっ、た、頼む・・・・!!言わないでくれ・・・・!」
「?おかしな事言うんだね。万引きは犯罪なのに。言ってほしくないんなら最初からやらなきゃいいのに。本音をちゃんと言えばいいのに。バッカみたい。やっちゃいけないことってあるんだよ・・・・!」 「・・・・・・・わかった、わかった・・・・もう、もうしないからさぁ・・・・・!!」 「・・・・フゥ」
*************************** 駄菓子屋の前。 「あっ、時野〜!」 「連ちゃん、どこ行ってたんですか〜?あっ、これ連ちゃんの分ですっ!」 「ありがと。・・・ねぇ、緑とかつかっちゃんはさ〜」 「「??」」 「“万引き”したいと思う?」 「!!し、したいわけねえだろ!」 「そうですっ、そ、そ、そんな、万引きなんて出来ません!!」 「・・・そうだよね。まぁ、あたしの“友達”はそんなことしないしね。・・・けど、もしかしたら“犯人”も・・・・・・・・・・・“本音”溜め込んでて、万引きやってるかもね・・・・・・・」
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