9月の中頃、まだ暑いので海水浴に来たレイジ・愛美・法一・啓十郎・陽子・従斗。
愛「レイジく〜〜ん!早くおよご〜〜!!」零「言われなくてもっ!!!!」
愛美を通り越して思いっきりダイビング。一気に泳ぎ始める。 愛「レイジ君って・・海好き・・みたいね。」 啓「あんまり力入れないでください!波が立ってますよ!」 零「おお〜〜!!!!!」
少し動きを小さくするも、けっこう波は立つ。
陽「法一〜〜!この水着どおっ?」 かなりの年上でも落とせそうな、小6とは思えない体型で法一に迫る。 法「あ・・はい・・似合ってま・・す・・。」 陽「本当?!うれし〜〜!!」思いっきり抱きついて押し倒してしまった。 法「うわああああああああーーーー!!!!!!」 真っ赤になって鼻血出して倒れた。 陽「法一カワイイ♪」法「こ・・これだから海はぁ!!」
その頃、従斗はナンパ中。 女「カッコいい・・」 従「ねえ、一緒にカキ氷でもどう?」女「ええ・・」
啓「ほお、それがナンパというやつですか・・面白そうですね。私もやってみますか。」 あたりを見回して、黒い長髪の人を見つける。 啓「あの、私とお茶でもいかがですか?」 普通の女なら軽く落ちてしまうが・・ 男「俺・・女じゃねえから。」相手はなんと男だった。 啓「ア・・どうも失礼・・え?」 その時啓十郎はその顔を見て、驚いた。
啓「ご・・後藤さん!?」
男「後藤?・・・違う、俺は黒木って名前だ。気をつけな。」 そう言って立ち去る。 黒木と名乗る男は女性的な目以外は全てレイジにそっくりな顔をしていた。
黒木「後藤・・か・・ククク・・」
啓「・・・黒木・・」
そしてその頃愛美とレイジと法一と陽子はビーチバレーをしていた。
法「よっと!!」零「うらっ!!!」強烈なのが陽子に命中。 陽「きゃあっ!お兄ちゃん力入れすぎー!!」 零「あ、わるいわるい・・」 愛「もう、ボールとんでっちゃったじゃない!」海のほうへ取りに行く。
その時・・
女「キャアアアアアああっ!!!!!!!」 男「つ・・津波だあああ!!!!」
津波というほどではないがかなりの大波。 ビーチボールをとりに言った愛美はなんと波に飲み込まれてしまった。
零「あ・・・愛美ーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!」
法&陽「愛美さん!」
従斗&客達「に・・逃げろーーーッ!!」愛美のことに気づかず、海から離れようと逃げていった。
浜に残っているのはレイジ・法一・陽子、そして波にさらわれた愛美の4人だけ。 そこに、レイジたちが来ないことに気づいた啓十郎が来た。 啓「な・・何をやっているんですか!早く逃げないと!」 法「愛美さんが流されたんだ!」啓「ええっ!?」
愛「れ・・レイジ・・君・・!!!」 なんとか海面に顔を出すが、どんどん流されていく。
法「今なら誰もいねえ!飛んでいこう!」啓「そ・・そうでした!!」
そういって羽を出して愛美のほうへ飛ぼうとする二人。だがその時!
レイジ「ウオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 レイジが強烈な気合を入れ、背中から何かが盛り上がってきた。
法「ご・・後藤さん・・!?」 啓「やはり・・あなたが・・!」
愛美「(私・・もう・・ダメなのかな?折角友達も出来て楽しくやってたのに・・パパ・・ママ・・嫌・・死にたくないよぉ・・レイジ君・・・!!!!!)」 愛美は力尽き、体中動かなくなり、静かに暗い海の底に沈んでいった。 そして、その最後の光景を見ていた。
愛美「(海から見る太陽ってきれいだなあ・・あれ・・?なんだろう?白い羽の・・天使かなあ?私・・天国へ行くんだ・・)」
「愛美ーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
次の瞬間、愛美はレイジに抱えられて海面のすぐ上にいた。
愛「あれ・・?レイジ・・君?」 零「はあっ、はあっ、はあっ!!!・・・生きてる・・ぞ。生きてるぞーーーーーーーッ!!!!」 愛「れ・・レイジ君!!!!」 零「は・・ハハハハハハッ!!!!!」 愛美を助けて狂喜するレイジ。愛美も泣いて喜んだ。
しかしその時、愛美は気がついた。レイジの背中に純白の翼が生えていることに。 愛「羽・・」零「ん?・・あ・・・。」
啓「・・・私が生まれる少し前・・母親の胎内にいるときすでに遺伝子を改造された「零号機」が存在する・・と組織の中で聞いたことがあります。」 法「それが後藤さん・・?」 陽「お兄ちゃん・・」ちなみにレイジの家族は全員このことを知っている。
そして浜辺に戻るレイジと愛美。 レイジ「・・隠してて悪かった。」 法「なんで隠してたんですか?俺や啓十郎だって同じような体なのに・・」
陽「お兄ちゃんね・・昔・・この体を見られてたくさんの人からひどい事されたことがあるの・・。勿論、法一や愛美さんや啓十郎さんはそんなことしないのわかってるけど・・お兄ちゃんはこの体を見せること自体が苦痛なの。」 愛「そうだったの・・」 啓「そうとは知らず先日は・・」
零「いいよ。この体にならなきゃ愛美を助けられなかったし。今は感謝してる。この体にな。」羽をポンと叩く。
そこに従斗が戻ってきた。 従「お、みんなここにいたのか!・・・あ、アニキ!こんなとこで羽出すのは・・」
零「あ、従斗・・お前何してたんだ?」 従「避難してたに決まってんだろ!?ったく・・」 法「愛美さんが流されて大変だったんだぞ!?何の役にも立たないで!」 啓「君も別段何もしていないでしょう。」 法「う・・」
みんな「アハハハハハハハハハハ・・・!!」
みんな笑っているが、その中で啓十郎のみ何か胸騒ぎを感じていた。 啓「いったい・・この胸騒ぎは?黒木・・あの人の顔が思い浮かぶ・・何か・・とてつもないものが来る・・・!!すぐに・・!」
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