愛美がレイジに言った。
愛「ねえ、レイジ君・・」 零「ん?」 愛「私・・家庭部に入ろうと思うんだけど・・どんなことするの?」 零「入ろうと思ってから内容聞くってのも変な話だな。」 愛「え・・あ、うん。そだね・・。」 レイジと同じ部に入りたい、とはとてもいえない愛美。 零「まあいいや。大体いつも家庭科室か調理室使って料理作ったり裁縫や編み物したりしてる。」 愛「・・ずいぶん女の子っぽいことしてるんだね・・」 零「(カチン)なんか言ったか?」愛「いえ、なにも・・」 レイジは、顔や趣味は女性だが声・性格・体格は男性の鏡と言えるほど。 (ちょっと子供っぽいけど・・)
そんな二人の帰り道・・・
?「あの・・」 愛「え、私たち・・ですか?」
突然現れたこの金髪で童顔で背の高く細長い少年。白い鉢巻を巻いている。
法「あ、はい・・あの俺、鏑木 法一(かぶらぎ ほういち)って言いまして・・昨日はあの二人が失礼なことをしたらしくて・・申し訳ありません。」 愛「え・・じゃああの二人の・・?」 法「あ、はい・・ってか、『毒蜂』ってとこのリーダーやってまして、あの二人はそこの下っ端で・・」 零「毒蜂・・確かこの辺で一番強いって話の暴走族か・・。」 愛「ぼ・・暴走族!?って・・しかもリーダー!?」 法「すみませんでした・・。」 愛「いえ・・その・・もういいですよ・・別に何も無かったし・・」
法「そうですか・・じゃあ、ちょっと付き合ってもらうぜ?」 許しを得たとたん態度を一変させる法一。レイジをにらみつける。 零「なんだ・・?」
そして法一についてきた場所は、海岸。 そこには大勢の部下がいる。
法「おい!」
部下たち「ハイ!」法一の合図で、いっせいにレイジと法一を囲む。
愛「え?え?え?・・どういうこと?」
法「ランバージャックデスマッチって知ってるか?多人数で囲んだ状態で戦って、逃げようとしたりぶっ飛ばされたりしてもすぐに押し返されちまうんだ。」 零「なるほどな・・。面白そうじゃねえか。・・で、何で俺と戦う?」 法「おっ!乗ってくれるか!こりゃいいや!・・んで、理由か・・・昨日、武田と田村(昨日の二人)に聞いてずいぶん強いなと思ったんだ!だから戦ってみたくなった、それだけさ!」
愛「・・ダメだよ!危ないよこんなことしちゃ!そこにいる人たちがもしレイジ君にかかってきたら・・」 零「言うな!!!!!」愛「!!!」 零「・・こいつはそんなやつじゃねえ。目を見ればわかる。」 愛「は・・はい・・・。」ちょっと驚きつつもまだレイジの身を案じる愛美。
法「じゃあ・・いくぞ。」 零「おう。」
しばらく、静寂が続き、法一の部下と愛美に緊張が走った。
そして、法一が動いた。
法「うらーーーーーーっ!!!」その細長い脚で蹴り飛ばす。 そしてさらに、砂にレイジの後頭部を叩きつけまくる。 法「うららららーーーっ!!!」 零「おらぁ!!!」法一の手をとり、顔面に蹴りを入れた。 法「ぐほぁっ・・・!!」 そこからレイジの反撃が始まる。 強烈な攻撃を次々とぶつけられ、法一は驚きのあまり攻撃さえ出来ない。
愛「す・・すごぉい・・」 部下「な・・なんてやつだよありゃ・・」
法「く・・くうう・・・」 零「なんだ?もう終わりか?最初のアレ、けっこう良かったのに・・」 法「・・・終わるわけ無いだろ?」
そう言い放ち、不気味にレイジをにらみつけた。先ほどとは目の色が違う。
部下「あ・・あんなリーダー見たの初めてだ・・」
法「らああああああっ!!!!!!!」 法一が気合を入れた瞬間、背中から蜂のような羽と、巨大な針が生えてきた。 そして鉢巻を取ると、触角が。
愛「きゃあああああっ!!!!」驚いて悲鳴を上げる愛美。 部下たち「げ・・なんだありゃぁ!?」部下も驚き、何人かは腰を抜かす。
法「ラウンド2・・スタート。」背中の針は背からでた尻尾で体とつながっていて、尻尾はどこまでも伸びるようになっている。(ド○ゴン○ールのセ○のみたいな形)
法「こうやってさ・・羽を伸ばしてると・・自分本来の力がでて・・・さっきより強くなるんだよっ!!!」一瞬でレイジに近寄り、殴り飛ばす。 零「ぐおっ!!!」そのあまりの威力に部下のほうまで吹っ飛んでしまう。
しかし部下はレイジを押し戻さず、法一のほうを見ている。
法「・・おまえら・・怖くなったか?」 部下「いえ・・そんなことないっすよ!」B「リーダーがこんなにすごかったなんて!」C「一生ついていきますぜ!」 法「ふう・・驚かすまではよかったけど嫌われなくて良かったぜ・・」 D「嫌うわけ無いでしょうが!そんなに強いのに!」
この部下たちは法一に絶対の信頼を寄せている為、この怪物的な体と強さを見ても、怖がるどころか逆に賞賛した。
愛「そ・・その体・・一体何なの?!」
法「・・・なんだか知らないけど変な組織があるんですよ・・。」 語りだす法一。ちなみに女性には敬語。
法「その組織は生物の細胞と人間の細胞を合わせて強化した改造生物を作ってるんです。今でもあるのか知りませんが・・俺は3歳の時そいつらに蜂と合わされてこの体になったんです。」 愛「そ・・そんなことが・・・」
法「驚く・・よな・・そりゃ。けっこー嫌われて歩いてたんですよ俺。だけど体内に羽や尻尾を隠せるとわかってからはけっこううまくいってたんですがね。まあばれてもこいつらとなら大丈夫でしたけど。」
愛「・・・・・。あ!レイジ君は!?」 法「起き上がれるわけが・・・ん!?」 部下たち「な・・なにぃ!?」
レイジは、強烈な一撃を顔に食らったにもかかわらず余裕の表情で腕組みして立っていた。
法「てめえ・・いつ気がついた?!」 零「殴られてすぐに起きたよ。お前らが勝手に気がつかなかっただけだろ?」 法「そんな・・バカな!てめえ・・一体何なんだ!?」
零「・・・・・」昨日の時のように、悲しい顔をした。 そして叫んだ。
零「俺は・・バケモンだああああああああああ!!!!!!!!!!!」
愛「また・・化物って・・」
法「訳わかんねえよ!」さっきと同様に一瞬で近づく。 そしてまたも高速でパンチを放った。
・・しかしその瞬間。一瞬でレイジはパンチをかわした。
そして・・レイジの一撃が法一に決まった。
その時愛美は何かを見た。 愛「あ・・あれは・・・!?」
法「カ・・ハ・・・・・!!!!!!!!!」 この一撃により、法一は囲んでいる部下を飛び越して砂浜に落ち、倒れた。
部下「リー・・ダー・・?そんな・・・!」
零「・・・・・・・・・。」 愛「レイジ君・・大丈夫だった?」零「あ・・ああ。」 そういって、口の中に溜まった血を持っていたティッシュに吐く。
法「・・・・すげえよ・・あんた。」 零「法一・・お前もう気がついたのか・・」 法「・・・悪かったよ、侘びに来た早々勝手なことして・・反省なんかしてなかったみたいだ。俺はどうすればいい?」 零「そうだな・・・じゃあ・・取り敢えず、明日から学校に来い。」 法「え?」 零「聞いたことあるんだ。鏑木って後輩が学校に来たことが無いってな。」 愛「レイジ君・・」 法「・・・・・・・・・・・わかり・・ました。」
レイジの優しさに涙を流した。 そして言った。 法「今日で・・毒蜂は解散だ。」 部下「え?リーダー・・それは・・」 法「最後の命令だ。お前ら足洗って、明日から学校とか行け!」 部下たち「・・・・・・ハイ!!リーダー!!」
零「ふう・・。心配の種がなくなった・・。」 愛「心配・・?(ひょっとして・・学校に来ないで不良やってた人たちのことをいつも気にかけて・・・!!)」 零「さてと・・帰るか。」
そして翌日。
愛「でね、パパが思いっきり転んじゃって。」女子「アハハハハ!!」
そこに、ドアをガラガラと開ける音が。 法一が来た。
法「あの・・後藤さんいますか〜!?」 零「法一・・学校来たか・・!」 法「はい!あの・・後藤さん、いつも特訓とかしてるんですか!?」 零「ああ、まあな。」 法「俺も一緒にやらせてください!後藤さんみたいに強くなりたいんです!」 零「え?まあ・・いいけど・・。」 法「ほ、本当ですか!?やったあ!!!」
女子「あれがずっと不登校だった鏑木・・君だっけ?けっこう可愛いじゃない。」 愛「よかった・・。あれ・・・?」 その時、愛美はレイジが法一を倒した時に見たことを思い出した。 愛「あの時・・レイジ君の背中から何か出たような・・・・気の・・せいよね?
続く
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