2005 Jul.08
犬のヌイグルミに「シド」という名前を付けた。勿論「シド・ヴィシャス」から取った名前だけど。 「シド」って名前を付けたのは単純にあたしよりも『ひなた』くんが「シド・ヴィシャス」を好きだからだ。あたしは「シド・ヴィシャス」を名前と顔とPunxで彼女が「ナンシー」だって事しか知らない。
あたしはヌイグルミが好きで、幼い頃からよくヌイグルミで遊んでいた。ヌイグルミと遊んでいた、が正しいのかもしれないくらい。玩具屋で何かを買ってもらえるなら、必ずヌイグルミを買って貰っていたくらいだ。おかげで、ヌイグルミで遊ばなくなった頃には実家の押し入れの中は山の様にヌイグルミが溢れて占領していた。犬、猫、熊、レッサーパンダ、虎、ミッキ−マウス、キティ…。ヌイグルミが好きなのは、母性本能なのだろうか。幼い頃から、母性本能があるのだろうか。解らない。けれど、あたしにとってヌイグルミは無くてはならない大切な存在だった。皆に名前を付けていたもの。一番好きだったのは、白熊のヌイグルミだった。クリスマスに祖母が買っておいてくれたプレゼントだった。人から貰った、自分で選んでないヌイグルミでここまで大事にしたのはあの白熊が最初で最後だ。白い熊はあっという間に汚れて黒熊になった。毎日抱き抱えて持ち歩いて、毎晩一緒に眠っていた。黒くなるのも当たり前だ。見兼ねた母親が、あたしが小学校に行っている間に白熊を洗濯機で洗って外に干した。帰宅したあたしは、白熊が見当たらない事に驚き、家中を探し回った。家には誰も居なかったから、あたしは1人で白熊の名前を呼びながら狭い家中を何回もウロウロし、挙げ句の果てにはオイオイ泣いた。ふと、ベランダに出てみると、其処には白熊が洗濯物を干すピンチで両耳を挟まれて物干竿に吊るされていた。洗われた黒熊は、白くは戻らず灰色の熊になって、相変わらず可愛い顔を空に向けてブラブラと風に揺れていた。それを見て、あたしは物凄く安心した。あの時の不安と、熊が捨てられてしまったんじゃないかという恐怖は今でも忘れられないくらい。あたしにとって、あのヌイグルミは物凄く必要だったんだと思う。 で、今更なんで又ヌイグルミなんて手に入れているのかっていう疑問。 偶々、『まりあ』とデパートの玩具売り場に立ち寄って、そこで「このパンダは『まりあ』に似てる」「この蛙は『じゅえる』でしょ」「モンチッチだよ、『まりあ』が居る」「スティッチだよ、『じゅえる』が居る」だのキャイキャイ騒いでいたら「シド」を見付けた。「シド」は寧ろ沢山のヌイグルミに埋もれていて、騒ぎながら掻き回していなかったらきっと絶対見付けられなかったと思う。そして、偶然手に取った「シド」にあたしは一目惚れしてしまった。 家に連れて帰った「シド」に、首輪をあげた。ベルト用のフェイク・パールをグルグル巻き付けて。首輪を付けるって事は、あたしのモノだって証明してるって事。首輪を付けた「シド」は、その瞬間あたしのモノになる。独占欲と支配の象徴。あんまり可愛くて愛しいから、『ひなた』くんが出た新宿LOFTのLIVEにすら連れて行った。おかげで少し黒く汚れてしまった気がする。この歳になって、何故ヌイグルミにトキメイているのかしら。
俺はただ、君に逢いたいだけなんだ。 今直ぐ。 君はさっぱり連絡をくれないんだもの。 俺は毎日君の声が聴きたい。 君は、俺の声を聴きたいと思う事がないんだね。 それでも良いと思えないくらい、俺は君にハマってるんだぜ。 君だけが、必要。 他には興味無いね。 俺が君を好きな気持ちより強く、君が俺を好きになってくれればなぁ。 期待だけが膨らんで、胸ん中が苦しくなる。 限度を知らずに膨らんじまうから、破裂した時の衝撃ったらないぜ。 君に期待をしちゃうのは、どうしてなんだろうな。 期待すればする程、しょうがないって事くらい解ってるのに。 好きなんだ。誰よりも。 君さえ側に居てくれれば、本当にそれだけで良いのに。 畜生。 俺ばっかりが君の事をこんなに好きなんて、ムカつく。 やってらんねぇな。 好きでいる事に、君を好きな俺は、一体何を学ぶんだろうな。 知らねぇよ。 そんなん。 ただ、君を好きなだけ。 逢いてぇ。 逢いてぇよ。 ムカつく。 君の事なんか、早いとこ俺の頭ん中から追い出したいんだ。 考えたくないんだよ。 君の事を考えても、苦しいだけでサッパリ幸せになんかなんねぇし。 君の事を無意識に考えてるこの状態が、俺には堪えられそうにない。 苦しいのは嫌いだ。 面倒なのは苦手だ。 俺は、幸せに憧れちまってるから。 幸せになりてぇと、願うから。 君の事を考えてるのは、考えて苦しくなってるのは、俺の勝手な感情のせいだって解ってるよ。 だって君はもう、俺に接してないからね。 君からの区切りなんだろうな、今のこの状態。 知ってるよ。 あーあ。 なんだってんだ。 俺は。 疲れちまったよ。 自分で自分が。 1人でずーっと鬼ごっこでもしてるみたいだ。 いい加減、気付いてるんだ。 ただ、やっぱり俺は君の事をまだ愛しいと想っていて、 君に逢いたいと想っていて、 結局君の事をまだ愛してるんだ。
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