好きな感情は、いつもあたしを困らせる。唯、最近良く解らなくなってしまう時が多くなってきた。苦しくて苦しくて、泣いていたあたしは悲しくなるのが厭になったからなのか、徐々に内の方へゆっくりと潜り込んでいっているようだ。顔を出すのは感情が一気に突出して吹き出してきた時にだけだ。どうしようもなく悲しくなって、泣いては落ち込み、ダルくなってまた元通り、の繰り返し。 あたしは何も感じていないのかしら。
言葉が産まれ落ちて来ない。あたしには何かを産み出す事が出来ないのだろう。 先週入れた入れ墨が痒い。見ると皮が襤褸襤褸と剥けている。痒くて痒くて、掻きむしりたいけれど、掻きむしるワケにはいかないから我慢する。この入れ墨は、何時になったら完成するんだろう。実は色すら最初の予定とは違うんだけど、彫り師には突っ込んでいない。これはこれで、完成した時に気に入るかもしれない。 『ひなた』くんとセックスして、今まで何回か中出ししているにも関わらず、全く妊娠しない。あたしは妊娠出来ない躰なんだろうか。又、出血しやがった。こんな事考えては落ちてるあたし、クダラナイ。
時間の流れに対する感じ方が、変わってきた。あたしは時間の流れの中に身を置いている。自分だけの時間ってのは、無いんだって事を解りかけてきている。あたしは流されているだけの、あたしという人間にすぎない。特別になりたくて、無理をしていたのも、今考えればあたしって期待してばかりいたんだなぁ。自分にも、相手にも。期待して足掻いていたのは、ちょっと可愛いなぁ。なんて。 泣く事は、ある。よくある。待つ事に、苦痛とまでいかない時間が生まれる様になってきた。自分の誕生日を境に、あたしはちょっと変化した。待つ事が、流せる様になってきたのかもしれない。期待して待つ事を、意識的に避ける事に集中していた。『ひなた』くんに逢えない時間を過ごしていたあたしは、少し慣れたのかもしれない。今までが、あんまりにも『ひなた』くんに対して過剰に期待していたから苦しかっただけなんだって事を、1か月離れてやっと気付いた。そこまでしないと気付かないなんて、あたしも鈍いなぁ。 そんな事感じつつ、『まりあ』と一緒に七夕の短冊に書いたお願い事は『ひなた』くんに関する事だったりする。結局『ひなた』くんの事は大好きだから、しょうがない。大好きでいても、期待し過ぎなければ良いんだ。それでもあたしは、今日も『ひなた』くんからの電話が掛かってこないか期待している。
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