■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

黒猫の緑眼。 作者:じゅえる

第1回   虚無と絶望と混沌。
2004 Apr.09
どうしようもなく不安になる時がある。
何もやらず、働きもせず、今の現状に甘んじている自分の姿に嫌悪感を覚える。
自分の限界を感じるまで何かに打ち込む事もなく、「何もしたくない」と甘えた戯れ言ばかりを吐く。
あたしは独りになるのが怖くて、だから『まりあ』の存在に安心して、同じ環境に居るんだと思い込んだりして「こんな最低な状況に居るのはあたし独りじゃないんだ」と勘違いを繰り返している。どう仕様もない。
あたしは22歳で、『まりあ』は20歳で、別に年齢が何かを決めているわけでもなければ判断材料になるわけでもないのだけれど、それでも一緒にして物事を考えてはいけない事も、その年齢差は無視してはならない事も知っている。解っている。
あたしは甘えているんだ。『まりあ』の存在に。
あたしを「必要だ」と言ってくれる『まりあ』の存在に乗っかっている。
一体何をしているんだろう。
あたしは何がしたいんだろう。
何を求めていて、何をすれば満足するんだろう。
何をすべきで、何を考えるべきなんだろう。
あたしという人間が、何をする事が出来るんだろう。
何もかもを途中で投げ出して、楽な方向にばかり目を向けて、辛くなったら直ぐに逃げ出す姑息さと根性の無さ。あたしにとって失うモノは有るのだろうか。
失うモノが無いあたしに、何かを与えてくれる人なんて居ない。誰にも与えていないあたしに、何かを与えようとしてくれる誰かが存在するならば、その存在は極めて貴重、というか稀であり、そして与えて欲しいとばかり願い夢見ているあたしは最低だ。莫迦みたいだ。

次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections