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見上げた空は、とても綺麗で。 まるで、微笑っているような――
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「北部ディシウムの戦況は悪化し――」 テレビのニュースは今日もそんなことばかり流してる。 でもあたしにははっきり言うと全く興味なんて無かった。 あいつを連れてったことなんて。 正直、いつまでやってるつもりなんだとか言いたい。 だけど、今はそんなことは言えない。 今はみんな、国の勝利を信じてるから。
学校で教えていることなんて、今は全部この国の栄光についてだ。 でもそんなものを習って何になるの? センセもきっと分かってない。 ただ命じられているから。 あいつが戦場に行ったのも同じような理由だ。 命令された。決めつけられた。 そんな理由だけが、この国の人が死ぬ理由。
私は上手くみんなの中に紛れ込んでる。 戦うのは仕方ない、とか、国の栄光のため、とか言いながら。 でも内心では、この国をぶっ潰してやりたいくらい。
そんなことを考えるようになったのは――何故? そういえば、あいつが死んでから。 私は国に疑問を持ち始めたんだ――
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