夢から醒めた。 幻だった。 ♪
何故? 何故?
理由が分からない。
何故? 何故?
だって、あんたは―――
まだ、やり遺したことがあるじゃん?
♪
「気を落とすなよ」 あいつが死んだ日、センセはそんなことを言ってた。 (気を落とす? ――誰が) でもあたしは別に泣かない。 悲しくなかったワケじゃないけど、 それより苛ついたことがあったから。
あいつは死んだ。 少年兵として戦場に駆り出されて。 呆気なく、吹き飛んだ。
あいつが言ってた、夢。 ――いつか戦争を終わらせてやる。そして、シアワセな世界を作りたいんだ――
その夢はどこへ行った? あたしとの約束なんてどうでもいいのかよ? なんで戦場になんか、行く必要があったんだよ? 馬鹿。馬鹿。馬鹿。馬鹿。馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿―――
あたしの気持ちにも気づかずに。
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