「瑠亜?」 数分待っても返事は来ない。 「来ていないのよ。」 真希が言った。 「真希・・。」 真希の顔をまじまじと見た。 青白い手。顔。足。体全体が青い。そこで啓は真希が首飾りをしているのを見つけた。 「それは?」 「は?」 「首飾り・・。」 「ああ。これのこと?」 真希がふっと笑った。 「村よ。」 「え?」 真希が飾りの四角い透明なガラスに触った。 「マジかよ。」 真希の青白い手の上に村が浮かび上がった。瑠亜と離れた村だった。 「例えばこの家をここに置いたらどうかしら?」 真希が家のおもちゃ(?)のようなものを村の中にいれようとした。そこ家の下には、 「瑠亜・・?」 瑠亜の髪型。顔。形作った人形が家の下に居る。 「真希!やめろ!」 真希が小さく笑った。 「置くわけないでしょう?これで私はあなたの弱みを握った。」 「え?」 「あなたが下手な真似でもすれば私はこの人形を壊すからね。」 そう言ってから、真希は空中で消えた。 俺は独り、取り残された。 浮いているのか地面に足がついているのか分からない。壁も何もない空間に。
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