■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

世 界 が 壊 れ る 日 作者:ヴォルシュラ

第6回  
「瑠亜?」
数分待っても返事は来ない。
「来ていないのよ。」
真希が言った。
「真希・・。」
真希の顔をまじまじと見た。
青白い手。顔。足。体全体が青い。そこで啓は真希が首飾りをしているのを見つけた。
「それは?」
「は?」
「首飾り・・。」
「ああ。これのこと?」
真希がふっと笑った。
「村よ。」
「え?」
真希が飾りの四角い透明なガラスに触った。
「マジかよ。」
真希の青白い手の上に村が浮かび上がった。瑠亜と離れた村だった。
「例えばこの家をここに置いたらどうかしら?」
真希が家のおもちゃ(?)のようなものを村の中にいれようとした。そこ家の下には、
「瑠亜・・?」
瑠亜の髪型。顔。形作った人形が家の下に居る。
「真希!やめろ!」
真希が小さく笑った。
「置くわけないでしょう?これで私はあなたの弱みを握った。」
「え?」
「あなたが下手な真似でもすれば私はこの人形を壊すからね。」
そう言ってから、真希は空中で消えた。
俺は独り、取り残された。
浮いているのか地面に足がついているのか分からない。壁も何もない空間に。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections