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世 界 が 壊 れ る 日 作者:ヴォルシュラ

第4回   死と名前。
啓達は、丘を降りたあと、リリの家に向かっていった。
「家ってどっちの道だっけ?」
知ってるが、無言も何だろうと話し始めた。
「看板のある方。」
「OK。」
丘を降りてから数分後、リリの家に着いた。
「ただいまぁー。」
ドアを開けると、リリのお母さんが倒れていた。
「お母さん?」
「リリ・・。」
少し胸騒ぎがした。
「奥に行ってみよう。」
「うん。」
リリの祖父の部屋のドアが開いていた。
のぞくと、体がこわばった。
「啓?」
リリがひょいとのぞいた。
そこには、血だらけの部屋があった。そのなかに・・
「おじいちゃん!」
リリの祖父が血まみれになって倒れていた。
「おじいちゃん?どうしたの?」
「リリ・・・。あの少女が・・・・。」
(え?)
「村を助けようとしておるのを見られてしまったのだろう・・・。」
「リリ・・」
「何?」
「お前の名前はリリじゃない・・・・。」
「えっ?」
「お前の名前は・・瑠亜・・・」
「啓と・・・西の地に・・行き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
それっきり、老人は動かなくなった。
リリは・・いや。ルアは、泣いていた。
「ルア?だっけ。?」
「・・・」
「行こう。泣いてても仕方がない。」
「・・・・・うん。」
啓と瑠亜は老人がもう今は亡き老人を庭に埋め、外にできた光の扉へと進んだ。
次の扉は開けると闇が飛び出してきた。
どこを見つめても黒・・。
だが、啓は、しっかりルアの手を握り、進み出した。
未来へ。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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