あたしともう一人のあたしの扉
秘密の扉
不思議な扉
ベッドの横の壁にある扉
ある時空想に耽って創ったわ
あっちの世界とつながっている
幻想世界につながっている
こっちの人間はあたししか通ってはいけないの
あたしというのはあたしのことじゃなくて
あたしが空想で創り出したあたしのこと
なぜならあたしが救世主
なぜならあたしが鍵の持ち主
偉大な魔力を秘めて扉を開けて
あたしはあっちの生物に迎えられる
「待っていたんだよ」と
あたしの名前はカニータ・ジーニー
実はあっちの世界は過去の地球
同じ世界で時代が違う
でもあっちの世界とあたしは呼ぶの
あっちの世界の女王様は
ルーマ・ウォウティーと言いました
あたしはルーマ様の子孫なんだとか
姫と呼ばれるのも当たり前
姫と呼ばれるのも悪くはない
皆は危機におちいり姫に言う
「どうか助けて下さい」と
カニータは赤毛の女の子
髪を染めて耳に穴を開ける不良女です
でも皆を助けずにはいられない
カニータの心は完全に腐ってなんかいないから
皆は救世主が不良女だって構いません
不良女の皮肉な顔に皆は言う
「助けてくれてありがとう」と
実はあっちの世界にも名前がありました
その名もルーブランドというのです
カニータはそこを第三世界と決めました
カニータ姫の大好きで大好きでたまらない
あっちの世界の第三世界です
不良女カニータは素敵な人になりました
第三世界 あっちの世界 ルーブランドのおかげです
あっちの生物をたくさんたくさん助けてお礼を言われ
救世主 カニータ姫の心は温かくなりました
不良の格好は今じゃただのファッションです
しかしそんなカニータにも不幸な日がやってきました
もうルーブランドに来る必要がなくなったため
未来のルーブランド 地球に帰らなくてはいけないのです
あっちの生物は皆泣きました
しかしカニータだけは泣きません
カニータだけは知りません
あっちの生物はカニータに魔法をかけました
救世主である彼女の記憶を消すのです
救世主である彼女を救世主ではなくすのです
カニータはそのことに気がつきました
彼女は泣いて泣いてやめてと言います
しかし彼女が油断をした隙に
皆は彼女を地球に送ってしまいました
皆ただただ泣き続けました
地球に帰ったカニータも扉を叩いて泣き崩れます
あっちの生物はまだずっとずっと泣いています
しかしすぐにカニータだけが泣き止みました
カニータはきょとんと辺りを見回します
頬の涙はとっくに乾いて
鏡の前に立ちました
以前同じ鏡で見た時とはすっかり姿が変わっています
顔は明るく優しい顔をしています
背は伸びて大人に近づいた感じがします
彼女は不思議に思って呟きました
「ずいぶん眠っていたのかな」と
やがて彼女はお腹が空いて部屋を出て行きました
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