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転校生への恋心 作者:

第1回   僕の有頂天


遠い世界から急にやってきた僕の恋心

転校生というヒビキで皆はドキドキしているのに僕は見てしまった

丁度職員室に朝用事があったときだった

最初は後姿しか見えなかった

担任の先生に聞いたのだ

                     あの子転校生??

その声が聞こえたからか、転校生はこっちをスッと見た

振り返る姿が可愛かった いや美人だった

特に髪が風に乗ったときだった

                       僕の天使

そんな事を考えたが、すぐにその思考は消した

そんなわけがない

「この子は浅生鈴(あそう りん)だよ。お前と同じクラスになるんだ。」

「は・・はぁ・・・」

先生が僕の前まで連れてきた。そして僕にこう頼んだ

「この学校のことはこいつに聞いてくれ。名前は長谷川鴇(はせがわ とき)だよ。異性はヤッパリ嫌か??学校案内もお願いしようと思っているのだが・・」

「い・・いえ。・・お願いします。鴇君。」

「あ・・うん。僕でよかったら」

といって、積極手を差し伸べた。

スッと出てくる鈴の手。そして、握手をしてフッと微笑んでくれた。

「じゃあ鴇は先に教室に戻っててくれ。」

「はい。」

僕は先生の言われたとおりにした。

けれど、教室に戻ってくるとき、僕はずっと考えていた。

               なぜタイミングよく来た僕になんだろうか

「運命」とは思わなかった。

昔からこの学校は女子が本当に少なかった。だからこそこの学校を選ぶ女子はすくなかった。
けれど、去年の生徒は逆で、なぜか男子が少なかった。少ないけれど、居たには変わりない。

そんな学校に、鈴みたいな可愛い子が来てしまうと、男子から守らなければならないのが僕の仕事かもしれない。

そんなこんなで、教室につき、先生にいろいろ紹介などを行われていた。

席は運よく僕に近かった。

けれど、近いだけで隣ではなかった。僕の右斜め前。
離れては居なかった。
もちろん他の男子は鈴のほうばかり見ている。

約束どおり、授業と授業の間に、いろんなところを一緒に歩き回っていた。

丁度昼休みは屋上に行った。そして、二人でご飯を食べていた。

そんな事になったのは、三間目と四間目の間の休みのときだった。

歩いていると、鈴からいってきた。

「昼休み。二人でどこかで食べない??」

僕は有頂天になっていた。
「ならその時に屋上までの道を教えようか?・・屋上でいいかな??」
少し照れながら僕は言った。
嬉しそうな顔でこっちを向き、鈴はうんと頷いた。

それからずっと有頂天になりすぎて、その後の授業なんて覚えていない。

「僕・・・なんか浅生さんを教える人になれてよかったよ」

「私も鴇くんでよかったと思う。それにもう、さん付けはやめて??」

「じゃあ僕の事も鴇だけでいいよ。」

「じゃあ・・・鈴・・でおねがいします」

なんだかもう付き合い始めたばかりの人たちの会話に聞こえるだろう。だがそんな僕らは、まだ付き合っていない。付き合いたいけれど。まだ早いだろう。

「僕少しだけだけど、鈴のこと好きになり始めてる」

僕はテンションがハイなばかりに言ってしまった。けれど、取り消そうとは思わない。こういう時に取り消されたのが、僕は嬉しくないと思ったから。

「ありがとう。私も鴇のこといい人だと思ってる」

「そう言ってくれると嬉しいよ」

僕はスッと笑った。
思ったような返事が来なくてガッカリだったけれど、聞いてくれてありがとう。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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