■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

今の僕の前の僕 作者:

最終回   前の僕でも あの日の僕でも 今の僕

             僕に恋愛は向いていない

 それがきっと僕の運命だと決め付けていた僕
     一度の恋愛で向き不向きを決めている前の僕

前にできなかった事なんて
    今できるはずがない
        出来たらそれを奇跡と呼んでいた前の僕

けれど
   それが間違いだって教えてくれたたった一人の女の子

もちろんけんかもした
   口げんかもした
        けど手は出さなかった

             女の子だから

      
        女に手を上げるとはどういうことだ!

ある日の僕はそんな僕だった
   けれど今の僕は全く逆だった
        きっと前の僕も

ある日の僕はこういった

        女だとか男だとか差別してんじゃねぇよ!

前の僕も言っていただろう
   それは間違っても居ないことだろう
        けれど、なんだか微妙に間違っている気もする


恋愛は遊びだ 
   遊びだから別れもあるんだ
        遊びだから本気の恋なんて訪れないんだ

前の僕の言っていた言葉だ
   矛盾点のたくさんある言葉には
        不可解な言葉もあり 無理の言葉もあった

今の僕が考えれば
   そんなこといっていられなかっただろう
     
             だって

大人が恋したからこそ
   自分がいるのだろう 僕らが居るのだろう
       

大人が恋をしなかったら
   僕らはもうすでに存在していなかった
        人類はそこで滅びていたはずだった

恋愛は別れもあって本気もある
   本気同士になれば 僕らが生まれる
        だからこそ 「ひと」は恋が必要


だから 
  欲求不満もするんだ


   けれど前の僕は今の僕のようには考えるヒマがなかった

               いや
           
            余裕が全くなかった

受験に終われる日々
  恋愛なんてしていたら落ちてしまう
        恋愛をしないことは勉強にも良い

          余計な感情が出てこないから


結局「前の僕」も「あの日の僕」も
  何かを起こす勇気がなかった ではない
        恋愛をする「勇気」も「度胸」も「余裕」もなかった

けれど
  そんな中でも「すき」という感情はあった

恋愛に気付いたのは 
  すべてが「楽」になった「卒業式」
       

第二ボタンの話が舞い上がっている
  そんな僕にもたった一人の後輩が来た
        
               好きです

と言いに
  僕は舞い上がった

前の僕にはありえなかった感情がある
あの日の僕にはありえなかった感情もある
  だからこそ「今の僕」がいる いてくれる
         そんなに続かないだろうと思いながらもOKした


そんなこんなで半月も
  半年も付き合っていれば充分だった

けれど「卒業式」の時の僕よりも
            
              彼女が好き

   という気持はかっていた
         彼女よりも僕の方が彼女を好きだ

僕はまた言う

               好きだ

年が離れていたって恋愛は出来る
   それが「今」の僕

年が離れていたら余計恋愛が出来ない
   それが「前」の僕だ

恋愛に不向きなやつは居ない

         
              前があって昔がある

           だから恋愛はこんなにもたのしくなる

            感情が無くなっていつかは出る

         人それぞれ違う恋愛 だから楽しみも増える


            そんな僕をくれてありがとう

                 前の僕

■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections