「おっはよぉ〜風月さん。」 勢い欲風月の机を叩き、風月の目の前にたった。その人たちは、この前風月を呼び出した奴らだった。 ポカーンと見るガルドと風月。 そのときガルドは、風月と話していたときだった。 「ちょっといいかな??」 顔は笑っているが、結構言葉にトゲがある。 「は・・・はぁ・・」 何かその勢いに圧倒されたのか、風月は断る事が出来なかった。ガルドは、来るなという合図があったので、ガルドは行くにいけなかった。 風月が教室を出ると、ガルドは目を変えながら教室をソッと出て行った。周りの奴らは、その目を見てからだをビクつかせた。怒ってる。そういうオーラがでてるからだ。
「まだガルド様と一緒にいるわけ??この前ので懲りないわけ??」 女子からの言葉を武器とし、攻撃される風月。けれど、気にせず防御+反撃といく。 「最後の一言。そっくりそのまま返すわ。学習能力ないのね」 顔色一つ変えず、眠そうな目で言った。だが、その言葉は、彼女たちに油をそそっていた。 「ふざけないで!」 風月のすぐ後ろは壁。風月の顔のすぐ横を通って壁を殴った。その音は、あまり響かなかったが、風月の耳には響いていた。 「学習能力が無いのはどっち??一緒にいないで欲しいの」 「なんで??何であなたにそんな事が言える権利を持っているわけ??」 歯を食いしばる女たち。女の言い合いは怖い。影で見ているガルドは、心の底からそう深く女子の怖さを知った。これから女を怒らせないどことも思ってしまう。 「じゃあきくけどあなたがルド様のことが好きなの??」 ガルドはビクッとした。これで、首を縦にふるような事をいえば、俺はこれ以上に頑張るつもりでいる。けれど、それ以外の答えが出たらそのときどうにかするしかなかった。 風月の表情は止まる。ガルドは、ゴクリと唾を飲み込んだ。 暫く考え込む。けれど、考え込んでいるときの時間が、ガルドにはものすごくイライラする時間だった。 「さぁ?どうでしょう。っていうか、あなたたちに言っても一利なし。だと思わない??」 ガルドの肩はガクリときた。 「いいかげんにしなさい!」 また一つのパンチが、風月の頬をめがけて飛んでくる。ガルドは、その反射に間に合わなかった。けれど、その拳は、風月の頬には当たらなかった。 「私も反射神経が付いたみたい」 強気な瞳が風月にはあった。 女たちの拳は、風月の左手のヒラにあった。 「この・・生意気が!」 もう一人の女が、逆の頬をめがけて拳を飛ばす。だが、それも風月の右手で覆われた。風月は、もう一人の女の方を見た。最後の一人。どうでるかが問題だった。 すでに両手はふさがれた。放したら放したで大変な事になるんじゃないだろうかと、不安感を持っていた。すると、手を覆われていた二人は風月のサイドに来て、左の奴は、もう片方の手で、左腕をつかまれ。右の奴は、もう片方の腕で、右腕をつかんだ。 まん前から拳が直球で来る。
(怖い!)
ギュッと目を閉じた。 少ししても拳が飛んでこなかった。すると、握られていた腕の力が弱まっていた。 片方ずつ、ゆっくりと目を開けると、拳は目の前で止まっていた。パッと目を見開く と、底にはガルドがいた。ガルドが、女の腕をつかんで止めたのだ。 「いい加減にしろ。何度言ったらわかる??二度目は無いぞってこの前・・・言ってなかったな。どうする??焼かれたい??それとも、一生消えない引っかき傷でも負わそうか??」 赤く染まったガルドの瞳。女子たちは、その目を見ると石化したかのように固まった。頬から流れる少しの汗。 風月は、女子の手を軽く振り払った。あまり力も入れていないのに、スッと手が離れる。そして、ガルドのほうに近づいた。 「これで最後にしてやるよ。もうチャンスは無いと思え」 そういい終わると、すぐに後ろを向き、風月の手を引張りながら教室に戻っていった。
沈黙が続く放課後の保健室。 「どうしたのよあんたたち沈んじゃって」 何がどうなっているかもわからない先生が、言ってきた。それもそうだろう。いつも馬鹿騒ぎしている奴らが静かだと、何かをたくらんでいるか、何かあったかくらいだ。 「・・・無反応ね」 ガルドはいつもどおり羽を伸ばしてる。風月は、椅子に座り、テーブルにひじをつけて伏せている感じだ。とても座りにくいんじゃないか??と思われるが、これまた楽なのだ。背筋が曲がるのでやめましょう。 先生は急に立ち上がって、くしとゴムを何個か持った。なのをするのかとおもうと、 風月の後ろに立った。 「ホラ背筋ピッとしなさい??」 先生が優しく言うと、風月はゆっくりではあったが背筋を伸ばした。 「一回でいいから弄ってみたかったのよねぇ〜このストレートヘアー」 鼻歌を歌いながら、髪を梳かした。 「前髪意外と短いのね」 目に髪が入らない程度の長さ。 後ろ髪が長いから、前髪が多少長く感じるだけだった。
少しの時間が経った。すると、先生が人一人入るんじゃないか??って程の大きさの鏡を持ってきた。 「ホラッかわいくなったでしょ?」 鏡の向こうにいる風月は、毛先がカールがかっているのと、髪の量がそれほど多くない事をいいように利用し、高めの位置に二つに縛ったのだ。それだけではなかった。よく見ると、毛先がいつもよりたてロールというのだろうか。そんな感じになっていた。 「ホラこっち」 そう言って連れて行かれたのは、寝ているベッドの隣だった。 「ガルド!ほらぁみて??可愛いでしょ??ますます守らなきゃって思わないかい??」 「守れなかったんだよ。今日。女子に囲まれている風月を」 風月のほうは見たが、目がほとんど生きていない感じがした。 「あらっ囲まれてたの??」 「けど助けてくれたじゃん」 「そうだけど、これから気をつけろ。特に最後に殴ろうとした女には。」 「何で特に??」 話についていけなくなった先生は、先ほどまで座っていたところに戻った。 「あいつ。刃物を持っていた。多分殴ろうと思ったんじゃなくて首をつかもうとしたのか、髪を持とうとしたのかだ」 「何で髪?」 「その噛み切ろうと思ったんじゃねぇ??後ろにナイフ持ってたんだ。そのナイフよくよく見てみたら、髪をばっさり切りたい人にのナイフだった。」 「そんなナイフあるの??」 「あぁ。少なくとも魔界にはな」 「何で??」 「戦うときって、髪が長いほうが良いって言う人や、短いのを利用して戦うやつもいる。短い奴のために、伸びやすい髪をばっさり切るためにね」 「ばっさりって。長くなったらきるもんじゃないの??そんなばっさりって」 「俺みたいな魔人は、髪伸びるの早いんだよ。特に魔界にいるとね。ヒューンだって髪長いだろ??魔界にいたらしょっちゅう切らないと、引きずる破目になるんだとさ。まぁ、人それぞれ速さ違うけど。早いんだよ伸びるの。短いのに次の日長いって言うのもまれなんだ」 「へぇ〜面倒ね」 「あぁ。それに、チョクチョクこっち側・・人間界に来る奴もいるから。それに記憶操作されるから、よく頭ゴチャゴチャになるときあるし。だから、多分あの女魔人。」 「ヤッパリ感じるの?そういうのって」 「感じる奴もいれば、思いっきりそれを隠す奴もいる。そういう奴に限って、俺みたいに体力やらなんやらが消耗するのが激しい。」 「へぇ〜じゃあその女の人は?」 「感じる」 「へぇ〜そっかぁ〜」 なんとなく先生の入れない話になると、もう出て行けといいたくなる。こちらにしては、恋人内に、一人身のような奴が間に入っているような気持だった。 「ハイハイ。体力回復したなら、ラブラブしてるくらいだったらでていってー」 「ヒューンと最近あってないから悲しいんだろ?」 ガルドが嫌味っぽく言った。 「あっらぁ〜ばれてるのねぇ〜」 そう言って、ガルドと風月は出て行った。 けれど、ガルドには何か不思議な予感があった。 この先風月は髪を切られたりでとりあえず、髪が短くなる予感がするのだ。何処からそんな気持が込みあがってくるのかもわからずに、ガルドは心の底から不安を持ち出していた。 登下校も気配を飛ばす。遠くまで。出来るだけ遠くまで。周りの気配も感じ取る。風月を守らなければならない。という使命ではないが、守りたいというガルドの心底からの気持だった。 そんな事を考えている間に、風月の家の前まできた。 「じゃあね。また今度」 「今度?」 「だって明日休み・・・・・・・・・」 「あ・・・」 すっかり忘れていた。まぁ、家にいてくれれば、大丈夫だろうがとか思っているが、やはりまだ安心はできなかった。 「なぁ、これ持ってて」 そう言って、あるものを風月の手のひらに置いた。 「何??このボールみたいなの。青??紫??」 「本当は危険を察知できるものが良かったんだけど、ここでは使えなくて。唯一使えるのがそれだったんだ。意外と軟らかいだろ??」 風月は、手のひらの上で軽く握ってみた。 「あ・・本当だ・・」 「家にいる時に何かに襲われたり、助けを呼びたいときそれ思いっきり握って!俺が助けに行くから。」 真剣な顔して言ってくるガルド。風月は、ボールからゆっくりとガルドのほうに目をやった。 「もしかしたら、俺手放せないとかあったら、ヒューンがいくかもだけど」 「うん・・ありがと」 スッキリした。何かがスッキリした。風月の顔を見ると、すべて・・とはいえないが、スッキリして、風月を見守って生きたいという気持が溢れてきた。
「おかえりなさぁい」 ヒューンが、編み物をしながら言った。 「何つくってるの?」 「早めにガルド様専用の手袋を♪」 今はチョッと寒くなってきたくらいの夏と秋の変わり目辺り。なのに、今から作る手袋は、もうすでに作り終わるんじゃないか??というくらいのスピードだった。 「それ・・いつから作った??」 「エェ??今日の朝ですぅ〜」 高いテンションで答えるヒューン。けれど、朝からやって、こんなにも早く完成しかけているとは、ありえることなのだろうか。 昔からやっている事だから、これくらいのスピードが普通なのだろうか。 聞くところによれば、今までのガルド専門乱戦用衣装は、すべてヒューンが作っているらしい。かなりの壊しっぷりのガルドは、結構世話を焼かしていたのだろう。戦っては 破くの繰り返しだからか。 「よう作るね」 「ハイ♪実際言ってしまえば、その制服も私が作りました♪」 「おいまてや。何処まで非現実的になる気だ??いやいやもう魔人という自転で非現実的なんだけど、少しは現実味だしなよ。」 「じゃあ店です」 少しひねくれたような返事をする。 「どっち?!」
そんな微妙で面白くも無いボケ突っ込みを後にし、ガルドは部屋に上がっていく。 今まですべての疲労が今ここに来る。気配を戻し、集中力も閉ざし、カバンを放り投げてベッドに勢いで横になる。 バキッという音が鳴ったが、きっとベッドのどこかが壊れた音だろう。 「疲れた」 ついつい言葉にしてしまうくらい疲れていた。 保健室でも休んでいたが、その後に思いっきり力を使っているようなものだから、余計疲れてしまった。 翼を広げる。これこそ「羽を伸ばす」だろう。 けれど、一つだけ集中を切らす事が出来ないものがあった。 風月。 あのボールだった。 正式な名前は、ファインドントリバートだった。英語でもない。唯、魔界の言葉を、日本語に知覚しただけだった。英語のOKをオーケーといっているみたいに。 ファインの「イン」は「ル」の方に近いだろうか。といっても、そんなの魔界の人間にしかわからなかった。いや、魔界の者は人間ではないか。
「けどこれなんだろう」 家に帰った風月は、自分の部屋でボールを眺めていた。ためしに今押したらどうなるのだろう。けれど、それもそれで向こうに迷惑がかかる。 (もし今トイレに行ってたら??もしそれで大のほうをしていたら??もし今お風呂に入ってたら??全裸でここにくることになるのでは??ということは、確かに敵にすきをみせる事は出来るがって、それはそれでいろいろ面倒だろう。 どんなタイミングがいい??もしトイレやお風呂に入っていたら、ヒューンさんが来る??ってことは、もし片方が風呂で片方がトイレ(大)だったらどうする??)
そんな事を長ったらしく考えていた。というか、汚い事を考える奴だな風月は。 だが、そんな事を今から考えたところで、何が変わるのだろうか。そんなことを考えないでいられるのが、この不思議な世界(小説)なのに、そんな事を・・ けれど、不便なものだった。 ボールといっても、やわらかいわけだから、ちょっとした衝撃でもガルドが来てしまうと考えると、どうも取り扱いに不便なものだった。 これがもし、人肌に敏感なボールだったらまだしもと考えると、これまた不思議なボールと化してしまうが。
ふと風月は鏡の前に立った。すると、いままですっかり忘れていたが、先生に縛ってもらった髪型がある。 思ったよりも髪の量が少ない自分に驚いた。けれど、触ってみると、やはりボリュームたっぷりだった。 「きっちゃおうかな・・」 なんてことも考えた。だが、なんだかそれで失敗するのもいやだ。悪い場合の方も考えていた。だが、良い方も考えた。たとえば、上手くいってガルドに誉められたとかも。けれど、そんなの五分五分だなんて、いつもの考えの風月。
そんな日の次の日だった。 学校は確かに休みで、いつもどおりのんびり昼辺りまで寝ていた風月。だが、なぜかフッと目が完全に覚めてしまった。 特にこれといった夢は見ていなかったのに、何もなかったはずが、スッと目が覚めた。 そのせいか、なぜか目覚めがおかしくなっているような気もすると思う。 軽く目をこすりながら、服を着替え、階段を降りてリビングまで降りた。すると、久々にいる親に会った。といっても、ここ何ヶ月あって居ないのだろう。という辺りの範囲であった。 今日は何か不幸な事が起きる。 不吉な事を考えていると、急に父に言われた。 「新しい学校はどうだ?」 変わりは無い。いつもはそういう言葉で返していた。けれど、変わりがありすぎて、それが普通と過ぎていた。 「変わりない」 「そうか。」 どうせ素っ気の無い返事が来る事は、風月は痛いほど良くわかっていた。 この人が、関心わかせて話して来たことなんて無いんだ。子供は、そこらへんに投げとけば勝手にするというのが、普通の生活だという事になってしまっている空青家。 てきとうに飲み物を飲んで、すぐに部屋に戻って行った。すると、玄関を開ける音がした。きっと風月の父がまたどこかに行ったのだろう。 向こうが関心なければ、こっちも関心が無い。それがある一種の子供。もちろんそうでない子供もいるということです。 枕を抱きしめ、ベッドに横になる風月。 壁の色。 今はその色しか風月には見えていない。といっても、部屋はカーテンで締め切り、扉には鍵を閉め、真っ暗な状態。 少しの光も入ることの無い、真っ黒なカーテンで覆われている。
浮かんでいる。
真っ暗な空気の中に、一人ポツンと浮いている。
真っ黒な世界
焦ることなく進む黒
色とりどりを目指す黒
黒は結局違う色にはなれやしない色
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