■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

笑わない 笑いたい! 作者:

第6回   保険の先生が家庭訪問??

 肌寒くなったので、ガルドはスッとおきてしまった。何か下の方が騒がしいのにも気付いた。
 ツバサ等を閉まい、窓を閉じて部屋を出た。ゆっくり階段を降りると、リビングの方から聞きなれた声がした。ヒューン以外に一人かと思うと、もう一人いた。声からしてまた聞き覚えのある声だった。
 ゆっくりガルドは扉を開けた。すると、そこには気が重くなる面子がいた。
 「ヤァガルド君。げんきしてるぅ??その顔は寝起きだね?」
 「先生に・・・風月・・どうしてここへ?」
 いたのは、先生と風月だった。先生は酒を片手に騒いでいた。風月はその隣で、オレンジジュースを飲んでいる。
 「ガルド・・ドア閉めてこっちへおいで」
 ガルドは、ドアを閉めたが、中には入らないで、廊下に出たままだった。ドアノブはまだ手の中にある。

(・・・?)

 少し軽く考えてからまたドアを開ける。
 目の前に見える風景は、然程変わっていなかった。
 「どうしたの??ハイっておいでよ」
 風月が、ゆっくりと口を開いた。
 ガルドは、立っているのもなんだから扉を閉めて、中に入っていった。そして、ヒューンの隣。風月のテーブルを越えての前に座った。
 「どういう成り行きでこうなったの??」
 「私が説明するわ」
 元気のいい少し酔ってるのでは?と不安になる先生が、勢いよく手を上げて言った。
 「私がぁ〜学校にまだいてぇ〜ヒューンがぁ〜迎えに来た時に、丁度風月ちゃんがぁ〜家の鍵忘れてきたぁいうてたからぁ〜一緒に連れてきたのぉ〜親のほうも大丈夫だって言ったしぃ〜」
 「先生・・?少し寝ていた方がいいのでわ?」
 「そんなことないよぉ〜」
 「それにヒューンも堂々とそういう身体に戻る??」
 ヒューンは、楽にツバサ等を出していた。風月も怖がっていないし、それならそれでいいのだが、少しはエンリョウというものを知ってほしかった。
 「だってぇ〜こっちの方が楽だったんだもん」
 「あのなぁ〜」
 「ガルドも・・ガルドもそういう身体にしてもいいんじゃない??楽じゃない??そっちの方が」
 「ん・・うん・・」
 そう言って、ゆっくりとチカラを抜いた。
 「へぇ〜ガルド君って完璧にそうなったら結構男らしいのねぇ〜」
 先生がかなりよっていて、今にでも踊りだしそうだった。
 「あら??僕よりもですか??」
 ニッコリ笑顔でヒューンは先生に聞いた。
 「バッカイエェ〜ヒューンの方がかっこいいわぁ〜」
 「バカップル」
 「そういうなって。そういうお前こそ、こんなところより違う場所に連れてってやれよお前の部屋とか」
 「来る??」
 ガルドは素直に風月に聞いた。
 「う・・うん」
 少し恥ずかしそうに風月は行った。
 「ガルド・・」
 ヒューンは風月をつれてリビングを出ようとしていたガルドを止めた。
 「なに?」
 すると、真剣な顔でこういった。
 「犯すなよ??」
 「バカ!」
 近くにあったクッションを投げつけてやった。

 ゆっくりと階段を登る音は、なんだか悲しい音に聞こえた。
 部屋はそこまで汚くなっているわけではない。
 「どうぞ俺の部屋へ」
 ドアを開けて、風月を入れた。
 「広いのね。」
 「まぁね。一人の部屋には大きすぎるかなぁ〜」
 「ガルドなら使い切りそうだわ。っていうかなんでいつもの身体に戻っちゃうの??」
 「なんとなく・・」
 そういいながら、風月は、ベッドによしかかるように座った。
 「どっちの方が楽なの??その人間と翼・・」
 「実際言っちゃえば元の身体だよ・・ツバサの方」
 「だったら翼出しちゃえば??」
 「気持悪くない??」
 「そういうとおもう?」
 ガルドは少し考えた後、軽くフッと笑った。
 「全然」
 「でしょ?」
 そういわれると、なんだか信じないことには行かないと思い、ゆっくりとツバサ等を出した。
 「ヤッパリこっちの方がしっくり来るんじゃない?」
 「そうかなぁ?」
 「うん。」
 「あ・・飲み物持ってくるよ」
 「うん・・」
 ガルドはゆっくり出て行った。
 風月は、一人で何をしようかと考えていた。
 軽く部屋を見渡すと、物が無さ過ぎている。もうチョッと生活に必要なものなどがあればいいのになどと、一人でブツブツ行っていた。
 机の方に行くと、勉強している雰囲気は無く、それであんなに成績がいいと思うと、なんだか怒りが増してきていた。
 
(来たら即行殴りたい・・けど殴らないでおこう・・今日は)

 微かな優しさと捕らえておいて、心の中は悪な事を考える風月。けれど、風月も風月で、頭がいいほうだ。
 
(エロ本隠してたりとか・・・・・)

 軽くいろんなところをあさっていくが、それなりのものはなかった。というか、人間らしいものが無い。あったとしたら、学校に必要な教科書類。ノートの中を見ると、何もかかれていなかった。それ以外といえば、唯単に鉛筆等が立っているだけ。削られていても、使われている様子は無かった。
 
(ねぇな。エロ本どころかコミックすらねぇよ)

 つまらない部屋棚とか思いつつも、布団の下等をあさっていた。
 すると、足音がして、さっきの体勢に戻った。
 「どうかした??」
 「エ??いや・・べつに?」
 特にこれといった変わりが無いはずなのに、ガルドは風月に聞いてきた。なぜだろうとか思いながらも、風月は、もって来てくれたコップに手を差し出した。
 「なんも入ってないじゃん」
 「うん。何入れたら良いかわかんなかったからもってきた。ペットボトル」
 「お疲れ様・・」
 ペットボトル満杯な物を、三つも持ってきていた。何処にそんなチカラをもっているのかが不思議だった。いつも鍛えていると、勝手に決め付けておいた。そして、その三つの中から、オレンジジュースを注いだ。
 「けど、何もない部屋だね。男子って本とか置くものじゃないの?」
 「うん・・俺最近だしここきたの」
 「そうなの??っていうかここに来たとき記憶とかどうなってるの??クラスの人とかの」
 「勝手にヒューンの物語状態さ。俺はそれに軽く付き合ってる感じだよ。簡単に言えばな」
 「へぇ〜大変?なのね」
 「さぁ?わかんないや。俺はここでは何の苦労もしてないなぁ〜」
 「ご飯は??さっきの・・ヒューン??だっけ??の人には料理なんて出来なさそうな気がするけど」
 「美味だぞ。」
 「へぇ〜器用なの??」
 「らしい。たまに俺の服も作ってくれる。」
 「へぇ〜いいなぁそういうひと」
 つまらないガルドの話をしながらも、飲み物を飲んでいた。
 「何時頃帰るの??遅くなるとあれじゃない?」
 「私のところは大丈夫よ。どうせ今日だって遅いって言ってたし」
 「そうか。わかった。まぁ帰る時には送るよ。今の時間帯でも暗いしね。」
 「ありがと」
 そんなこんなで、話は弾んだ。
 風月が転校してきて何日か経っているが、転校前の風月とは、かなり変わっているだろう。またいずれ、変わってしまっていると、誰かが伝えてくれる。そんな日ができてしまう事も知らず。
 ずいぶん表情が和らいできた二人をヒューンが見ていると、とても晴れ晴れしく思えている。唯一つだけ、ヒューンには心配事があったのだ。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections