肌寒くなったので、ガルドはスッとおきてしまった。何か下の方が騒がしいのにも気付いた。 ツバサ等を閉まい、窓を閉じて部屋を出た。ゆっくり階段を降りると、リビングの方から聞きなれた声がした。ヒューン以外に一人かと思うと、もう一人いた。声からしてまた聞き覚えのある声だった。 ゆっくりガルドは扉を開けた。すると、そこには気が重くなる面子がいた。 「ヤァガルド君。げんきしてるぅ??その顔は寝起きだね?」 「先生に・・・風月・・どうしてここへ?」 いたのは、先生と風月だった。先生は酒を片手に騒いでいた。風月はその隣で、オレンジジュースを飲んでいる。 「ガルド・・ドア閉めてこっちへおいで」 ガルドは、ドアを閉めたが、中には入らないで、廊下に出たままだった。ドアノブはまだ手の中にある。
(・・・?)
少し軽く考えてからまたドアを開ける。 目の前に見える風景は、然程変わっていなかった。 「どうしたの??ハイっておいでよ」 風月が、ゆっくりと口を開いた。 ガルドは、立っているのもなんだから扉を閉めて、中に入っていった。そして、ヒューンの隣。風月のテーブルを越えての前に座った。 「どういう成り行きでこうなったの??」 「私が説明するわ」 元気のいい少し酔ってるのでは?と不安になる先生が、勢いよく手を上げて言った。 「私がぁ〜学校にまだいてぇ〜ヒューンがぁ〜迎えに来た時に、丁度風月ちゃんがぁ〜家の鍵忘れてきたぁいうてたからぁ〜一緒に連れてきたのぉ〜親のほうも大丈夫だって言ったしぃ〜」 「先生・・?少し寝ていた方がいいのでわ?」 「そんなことないよぉ〜」 「それにヒューンも堂々とそういう身体に戻る??」 ヒューンは、楽にツバサ等を出していた。風月も怖がっていないし、それならそれでいいのだが、少しはエンリョウというものを知ってほしかった。 「だってぇ〜こっちの方が楽だったんだもん」 「あのなぁ〜」 「ガルドも・・ガルドもそういう身体にしてもいいんじゃない??楽じゃない??そっちの方が」 「ん・・うん・・」 そう言って、ゆっくりとチカラを抜いた。 「へぇ〜ガルド君って完璧にそうなったら結構男らしいのねぇ〜」 先生がかなりよっていて、今にでも踊りだしそうだった。 「あら??僕よりもですか??」 ニッコリ笑顔でヒューンは先生に聞いた。 「バッカイエェ〜ヒューンの方がかっこいいわぁ〜」 「バカップル」 「そういうなって。そういうお前こそ、こんなところより違う場所に連れてってやれよお前の部屋とか」 「来る??」 ガルドは素直に風月に聞いた。 「う・・うん」 少し恥ずかしそうに風月は行った。 「ガルド・・」 ヒューンは風月をつれてリビングを出ようとしていたガルドを止めた。 「なに?」 すると、真剣な顔でこういった。 「犯すなよ??」 「バカ!」 近くにあったクッションを投げつけてやった。
ゆっくりと階段を登る音は、なんだか悲しい音に聞こえた。 部屋はそこまで汚くなっているわけではない。 「どうぞ俺の部屋へ」 ドアを開けて、風月を入れた。 「広いのね。」 「まぁね。一人の部屋には大きすぎるかなぁ〜」 「ガルドなら使い切りそうだわ。っていうかなんでいつもの身体に戻っちゃうの??」 「なんとなく・・」 そういいながら、風月は、ベッドによしかかるように座った。 「どっちの方が楽なの??その人間と翼・・」 「実際言っちゃえば元の身体だよ・・ツバサの方」 「だったら翼出しちゃえば??」 「気持悪くない??」 「そういうとおもう?」 ガルドは少し考えた後、軽くフッと笑った。 「全然」 「でしょ?」 そういわれると、なんだか信じないことには行かないと思い、ゆっくりとツバサ等を出した。 「ヤッパリこっちの方がしっくり来るんじゃない?」 「そうかなぁ?」 「うん。」 「あ・・飲み物持ってくるよ」 「うん・・」 ガルドはゆっくり出て行った。 風月は、一人で何をしようかと考えていた。 軽く部屋を見渡すと、物が無さ過ぎている。もうチョッと生活に必要なものなどがあればいいのになどと、一人でブツブツ行っていた。 机の方に行くと、勉強している雰囲気は無く、それであんなに成績がいいと思うと、なんだか怒りが増してきていた。 (来たら即行殴りたい・・けど殴らないでおこう・・今日は)
微かな優しさと捕らえておいて、心の中は悪な事を考える風月。けれど、風月も風月で、頭がいいほうだ。 (エロ本隠してたりとか・・・・・)
軽くいろんなところをあさっていくが、それなりのものはなかった。というか、人間らしいものが無い。あったとしたら、学校に必要な教科書類。ノートの中を見ると、何もかかれていなかった。それ以外といえば、唯単に鉛筆等が立っているだけ。削られていても、使われている様子は無かった。 (ねぇな。エロ本どころかコミックすらねぇよ)
つまらない部屋棚とか思いつつも、布団の下等をあさっていた。 すると、足音がして、さっきの体勢に戻った。 「どうかした??」 「エ??いや・・べつに?」 特にこれといった変わりが無いはずなのに、ガルドは風月に聞いてきた。なぜだろうとか思いながらも、風月は、もって来てくれたコップに手を差し出した。 「なんも入ってないじゃん」 「うん。何入れたら良いかわかんなかったからもってきた。ペットボトル」 「お疲れ様・・」 ペットボトル満杯な物を、三つも持ってきていた。何処にそんなチカラをもっているのかが不思議だった。いつも鍛えていると、勝手に決め付けておいた。そして、その三つの中から、オレンジジュースを注いだ。 「けど、何もない部屋だね。男子って本とか置くものじゃないの?」 「うん・・俺最近だしここきたの」 「そうなの??っていうかここに来たとき記憶とかどうなってるの??クラスの人とかの」 「勝手にヒューンの物語状態さ。俺はそれに軽く付き合ってる感じだよ。簡単に言えばな」 「へぇ〜大変?なのね」 「さぁ?わかんないや。俺はここでは何の苦労もしてないなぁ〜」 「ご飯は??さっきの・・ヒューン??だっけ??の人には料理なんて出来なさそうな気がするけど」 「美味だぞ。」 「へぇ〜器用なの??」 「らしい。たまに俺の服も作ってくれる。」 「へぇ〜いいなぁそういうひと」 つまらないガルドの話をしながらも、飲み物を飲んでいた。 「何時頃帰るの??遅くなるとあれじゃない?」 「私のところは大丈夫よ。どうせ今日だって遅いって言ってたし」 「そうか。わかった。まぁ帰る時には送るよ。今の時間帯でも暗いしね。」 「ありがと」 そんなこんなで、話は弾んだ。 風月が転校してきて何日か経っているが、転校前の風月とは、かなり変わっているだろう。またいずれ、変わってしまっていると、誰かが伝えてくれる。そんな日ができてしまう事も知らず。 ずいぶん表情が和らいできた二人をヒューンが見ていると、とても晴れ晴れしく思えている。唯一つだけ、ヒューンには心配事があったのだ。
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