「ガルド様」 「どうだった?」 「それが・・・」 「それは良かったじゃないか・・」 「けれど・・ガルド様・・・・・・―・・−」 「・・・なっ!?・・・そうか・・なら・・仕方ないか・・」
「ガルド??元気ないね・・」 あれから何日か経ち、セシルの罰が決められた。その日のことだった。丁度日曜日 で、ガルドと風月に、ルナルとともに遠出に出る約束をしていた。 遠出といっても、唯単に遠くまで遊びに行くだけだが。 「あっ・・いや・・」 「もう疲れんでしょう。後は帰るだけですし・・電車の中で眠られたら・・?」 「いや・・大丈夫だ」 長旅が終わった電車を待っているときだった。だが、これが最後だとは。風月は思いもしないだろう。
「じゃあね。ガルド・・ゆっくり休んでね」 ガルドのおかげか、最初よか結構笑うようになった風月。そんな風月と、ガルドが別れるときだった。 「風月!」 帰り道は危険だ。暗いし、何がおきるか解らない。だから今はルナルも居る。 「チョッと話が・・」 「ガルド様??」 ルナルは、一応今回の事を知っているため、あまり出しゃばる様子が出来ない。 「チョッといいか?ルナルも・・」 「はい。」
呼び出したのは、近くの公園。 「俺・・もう風月の近くに居れない」 「エッ?」 風月は、嘘を言っていると思い、軽く笑った。 「何冗談言ってるの?」 「本当のことなんだ・・・ルナル・・・説明を」 「ハイ。ガルド様が今回この人間界にやってきたのは、丁度風月様が転校してくる一週間前。けれど、その前から居るという事になっているのは、ヒューン様の能力とします。それでですが、今回なぜ人間界にやってきたかです。 それは、風月様が関わっていまして、笑わないことを基準とされているので、ガルド様の修行とプラスで仕事に行ってこいと。」 「し・・ごと?」 「風月様を笑わせれるように」 風月の心に釘が刺さった痛みを感じた。 「それだけ・・それだけのためにガルドは私に近づいたんだ!」 ガルドの目には今にでも泣きそうな目と、今にでも逃げる準備の出来ている風月が見えた。見える前にガルドは走った。 風月が走り出したからだった。 スッと風月の手をつかむ。 「放して!」 涙の流れる頬。光る涙が空気のなかを舞う。 「はなさねぇ!」 振りほどこうとする風月のチカラを抑えるかのように強く握る。 「絶対はなさねぇ!」 「なんで!?それだけのために近づいたんでしょ??」 強気で言う力強い言葉。けれど、その目には涙が流れる。 「こんな気持にさせておいて・・・」 弱気な口調になりながらガルドの胸辺りを叩きつける。 その腕を止めようとしないガルド。叩かれても叩かれても引きはしない。手を放したりはしない。 「何で・・」 「俺は仕事をしながらも、俺はわかった。優しくなる気持ち。好きになる気持。俺は・・俺は風月のことが好きで言い出せなかった!」 叩かれながらも、ガルドは負けずに言う告白。 聞き入れてくれるかどうかもわからない告白を言った。 「すきって・・・」 風月の力が弱まる瞬間。ガルドは強く風月を抱きしめた。 「風月が好きだ」 「ガルド・・いいの?」 「なにが?」 「私なんかで。」 「風月がいいんだよ」
「でっ?結局付き合っちゃうわけですか?!」 あのままガルドは風月を家に連れてきて事情を話した。すると、ヒューンからの大きな一言が待っていた。ガルドはもちろん覚悟の上であった。 「というわけだから。俺、魔界もどらねぇから」 スラッという言葉に、ヒューンは大きなため息が出る。 「そんなため息出してると幸せ吹っ飛ぶよ??それに、もっと人間界で修行したいし。ヒューンだって、俺についてれば先生にだっていつでも会えるんだぜ??」 最後はもうすでに脅しをかけているようだった。
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