平和な国。その言葉を耳にしたときは、そんなの御伽噺だろ。が一番初めの感想だった。二番目の感想って言っても、そんなファンタジックな事あるかよ。だった。 平凡な毎日が過ごせたら、どれだけいいことだか。 「ガルドさまぁ〜何処行ってたんですか〜探しましたよ」 ちょっとだけ息が切れてる、後ろ髪だけ長い男が来た。紳士としているのか、紳士なのか良くわからない格好。こいつはガルドのお目付け役。 「ヒューン。なにしてるの?」 平凡な顔してきくガルドに、ちょっとだけ頭にきた。 「あなたを探してたんですよ。あなたのお父様・・ここの魔王様がお呼びです。」 そういいながら、ガルドの裾を引っ張っていった。 ガルドにこんなにも軽々しい行動を取れるのは、ヒューンと肉親だけかもしれない。 「何で俺を?」 「手加減を知らないガルド様に仕事ですよ。珍しい事なんですから少しは喜んでくださいよ」 「どうせしょうもない仕事だろ??大きい仕事を俺に押し付けたら、後で公開するのは 親父と、ヘルプを呼んできた人だって」 「まぁ、今までの経験上そうなのですが。ガルド様にも少しは修行をしてきてほしいとの琴で」 「修行ねぇ〜平凡なところにおくりださせてくれるのか??ってぇのそんなことしてくれないのにな」 「ん〜まぁ、平凡かもしれませんね。けど、ガルド様の毎日は仕事がない分、平和で退屈なまいにちじゃありません??」 「仕事があるよりましさ」 「そうですか・・さぁつきましたよ。わたしは先に行ってるので、かぁなぁらぁずきてくださいね。」 「へいへぇい」
平凡な世界。そんなの絵本の中でしかなかった。 代々修行としていかれているという、人間界。そんなの一握りの人しか行けない。それに、その向こうはどんなのかはわからない。こちらの魔界に戻ってこれるのかも解らなかった。だが、こうして戻ってきている父や、ヒューンがいるから戻ってこれるのだろう。 決して人間界の話はしてくれなかった。 平凡や、地域紛争、民族争いなどと、地域ごとに違う生き方だ。
(そんなところに俺がいけるのか・・・)
不安というよりも、好奇心みたいなものだった。誰もが行って見たいといわれている人間界。けれど、人間界では翼や爪。もちろん牙も隠さなければならないという、辛いものが待っていた。
壁のように大きく、重い扉が目の前に待っていた。 この扉を開ければ、父のオフィス。そして、後ろに振り向いたら、逃げる枝分かれしている道たち。 さぁ、この判断で、これからのすべてが変わろうとしているのか。決断を悩んでいるうちに、その重い扉がゆっくりと開かれた。 「ガルド様??何暢気に立っているんですか??扉は押さないと開きませんよ??」 ちょっと引きつり気味のヒューンの顔。遅くてチョッと怒ってしまったかもしれない。そこらへんは、少し反省しておくが、なんとなく。なんとなくだが、入ってはいけない空気だ。けれど、そんな事も行っていられないようだ。ガルドはまたヒューンに引張っていかれる運命。 父の机の前にとうとう立ってしまった。 「仕事だ。よく聞け。」 出てくる唾をゆっくりと飲み込むと、父が説明すると思ったら、秘書の母が説明しだした。 (てめぇで説明しろや)
半分切れ気味であるガルドは、この建物を今にでも壊したかった。そんな事を考えているうちに、長ったらしい説明が聞かされる運命だった。
「きちんと理解できましたか??」 「ん〜・・・」 やる気のなさそうな返事をしながらも、適当に荷物を整理していた。 「喜ばれないんですか??」 「ん〜・・・」 「せっかく夢見ていた人間界へいけるのですよ??」 「ん〜・・・って夢見てないワイ!!」 かなりチカラを入れて突っ込みをしたが、すぐにその力は消えうせてしまった。 「こういう形で行くのは、何か訳があると思ってたさ」 「旅行関係で行きたかったのですか??」 「まぁな。あこがれてたんだ。それくらいはいいだろう。少しは俺にも遊ばせろ」 「ガルド様は遊びすぎなのですよ。これくらいの修行は耐えてもらわないと魔王にも一人前にもなれませんよ??」 「魔王にはなりたくない。」 「ガルド様・・そんな事いていましたら、彼女が出来ませんよ??」 「いらないよ彼女なんて。面倒だし」 「さぁ?そういっていられるのも、今のうちかもしれませんよぉ〜??人間界には可愛い女の子が両手に入るくらいガッポガポですから」 顔がにやけている。 そのにやけ方といい、話し方といい、本当に経験しているものの顔だった。 ヒューンには彼女が居る。それは、魔界にではなく、人間界に居るのだ。 修行としていったとき、いろいろあっていろいろな出来事で、いろいろな関係になってしまい・・といろいろつながりの女の人らしい。 「明日ですからね・・・ホラッ小指の爪!!」 「う・・・」 何でこんな事しなければならないんだろう?? そんな疑問はしている暇はなかった。 少し気を抜けば、ツバサの片方や、指の爪が出たり。あまり目立たない目だって、人間と同じように平凡な目にしなければならなかった。それにはかなりの体力消耗と、腹の減り具合が半端じゃなかった。 日が昇ったとき。俺は、ヒューンと共に魔法人の中に立っていた。 この魔方陣は、人間界に通じているらしく、莫大な魔力を使えるもののみが使用できる魔法陣だった。人間界に行くには、莫大な何かを使わなければ、空間が動いてくれないのだ。 最初はなぜヒューンも着いてくるのかはわからなかった。 けれど、次第にわかっていた。 一つは、彼女に会いたいから。二つ目は、記憶の作動。三つ目は、父親役だった。 けれど、なぜガルドは行かなければならないのかと聞いたときの話が、ガルドにはどうも納得行かない仕事だった。
ガルドがしなければならないことには、以下のものがあった。 一つは、ある女の子が来週転校してくる事になる。それまでの期間で、記憶等が設備された学校に行く。そこでのガルドにかけている、協力性を高めるもの。 二つは、その女の子の表情をやわらかくして来い。 三つは、人間界へ降りたときの、ツバサ等のしまう、忍耐力を養おう。という事だった。 そんな事をしなければならないガルドは、居空間に立っているとき、シミジミ思っていた。 (あの時即座に逃げていれば)と。けれど、結局逃げたところで、使いの人たちに捕まるだろう。 無駄な体力は使いたくない。それなりに、人三倍くらいの魔力を持っている。父から受けついたもので、そこらの魔人には勝つ自信たっぷりだった。 けれど、その自信もこれからどう変化するのかが、ヒューンには楽しみだった。
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