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パワプロ 作者:mituki

第26回   乱調
『三振〜!氷坂のピンチでどうなるかと思われた7回の表ですが、継投策でなんとか乗り切りましたライオンズ』

結局得点できずに終わったマリーンズ。いまだ2対0なのは変わっていない。

7回の裏、8回の表裏も両チーム得点0。そして9回の裏・・・

『マリーンズ選手の交代をお知らせします。ピッチャー箕輪に代わって小林雅英。背番号30』

箕輪は7回の裏からマウンドに登り、セカンドへは鈴原が、サードには本西が入っていた。

『乾とのダブルストッパーで、小林は連続セーブ記録をつくるなどチームに大いに貢献しています。そして、それに立ち向かうライオンズもこの回、松井、小関、カブレラと脅威の打線で始まります。ライオンズサヨナラなるか!?』



「マサ、3人で終わらせるぞ」

「もちろん!そのつもりですよ」

「向かっていく気持ちはいいが、コントロールミスだけはするなよ」

「了解です」



ところが・・・

『フォアボール!小林、松井をフォアボールで歩かせてしまいました』

そして、打席には小関。

初球、2球目と角を丁寧に通すピッチングでツーストライクと追い込んだ小林だったが・・・

『打ったー!小関高めの球を構わず叩いた〜!センターへ飛んでいく!前に突っ込んでくる日向、追いつくのか!?』

全力でボールめがけて走ってくる日向。

「春日さん、今度は俺のバックアップお願いします!」

「任せろ!」

日向の頭から帽子が飛ぶ、そして突っ込む



パシィ!



『アウトだ〜!日向の懸命なダッシュで追いつきました〜!ワンアウトです!』

ワンアウトランナー1塁。打席にはカブレラが入り、その初球に松井が盗塁を決めてランナー2塁となった。そして・・・

『カブレラ打ったー!ピッチャー強襲、小林捕れない!打球は転々とライトへ転がっていく!』

一気にホームへ突っ込もうとする松井だったが、春日がいいところへカバーに入っていたためランナーコーチに止められた。

『最悪の状態でこのバッターを迎えてしまいました。輝星です。現在、得点圏打率はリーグトップで4割を超えています。さあ、どう切り抜けるマリーンズバッテリー』

小林は初球を外角へ外した。2球目、内角低めのへシュートは決まってカウント1−1となった。

(マサ、外角低めいっぱいに全力のストレートだ。お前の球威なら良くて外野フライだろう。松井にタッチアップされるだろうが、2アウトでランナー1塁になれば楽になる)

(全力、いい言葉ッスねぇ。了解しました。)

清水と小林雅のサイン交換(?)が交わされ、小林が投球モーションに入る。

腕がしなり、ボールがリリースされる。きれいな回転をしながらミットめがけて球が進む。

(外角低めか・・・ヒットになら出来るかもしれんが、この後のことを考えると最善の方法はこれしかない!)

輝星がバットを振りにくる。

(なにっ!本当に手を出してきた!?)

外角から球を救い上げる。手首はギリギリまで返していない。普段通りに手首を返すと打球は間違いなくファールゾーンへ飛んでいくだろう。

輝星のバットから放たれた打球は弾丸ライナーでスタンドに吸い込まれていった。

『輝星サヨナラ3ラン〜!土壇場でベテランがやってくれました!ライオンズかろうじて勝率5割キープ、マリーンズは追走するファイターズとホークスに離されてしまう痛い負けです!』

結局投げる出番のなかった橋本もホームベースで輝星を向える。



こうして、パリーグ前半戦が終了した。

現在首位を走るのは福岡ダイエーホークス。次いで日本ハムファイターズである。千葉ロッテマリーンズは近鉄バファローズと同率で3位である。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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