医務室から出るとそこには倉持が座っていた。車に乗っている時に感じた身長とは比べものにならないほどでかい。つまり座高が小さかったのだ。身長はゆうに2メートルを超え、プロレス選手が3人かかっても負けないような屈強な肉体だった。
「小浪、大丈夫だったかよ?オメーが心配で仕事さぼっちまったい。」 「俺のせいですか…」 「まぁ、積もる話も色々あんだろ?まあこっちこいよ」
倉持は小浪を呼び出すと頭に手を置いてシュッと音を立てて消えた! 小浪には一瞬の出来事だった。医務室の前にいたはずか一瞬にして大きな墓場の前に移動した。 「な、ここは…それよりも倉持さん、今のはテレポーテーションですね??」 「おぅ、良く知ってンなwえらいえらい♪」
そう言って倉持は小浪の頭をごしごしとなでる。でもそれは剛力の倉持がやっているのだから小浪にしては嬉しいどころか痛いだけだった。
「や、止めて下さいよ!俺は倉持さんから見たら小さいかも知れないけどもう24ですよ!?」 「24でも可愛いもんは可愛いんだよw喰っちまいてえくらいだ。」
それを聞いて身の不安を感じた小浪は倉持のテレポーテーション並みに後ろへ10メートルほど下がる。顔はがくがくし、肌は鳥肌、蕁麻疹が出ていた。
「…物の例えだよ。分かんねー奴だな?そんなんじゃ女にモテねーぞ?」 「スミマセンでしたね、こんな男で。」 「あ、女は居たか。…おぉ!べっぴんじゃねーかよ!!!」 「そりゃ美人ですよ瞳さんは…えぇ?倉持さん今なんて言いました?」 「あぁ?菊池瞳だろ?オメーの脳味噌をを少し透視したんだよw」
ケロッとした顔でなんて事言うんだこの人は…倉持さんの前には日本憲法は通じないのか!?
「ていうかオメーにはもったいねぇ!俺に譲れ♪」 「嫌です、絶対にダメです。」 「なぁいいじゃねーかよぉ…そうだ!10万で手ぇ打たねえか??」 「売りません!!」
なんて人だ…ていうか何でこんなに超能力が使えるんだ??最新式の戦闘用ミュータントでも2つだぞ?見ただけでももう3個あるし…。
「それはまたの秘密だな♪俺に付き添ってればそんなことすぐ分かるぞw」 「貴方がつきまとってるんですよ…」 「それよりか…小浪。あれはちゃんとやったのか?」
倉持がさっきのあっけらかんとした表情から一気に真面目な顔になった。
「班長に賄賂を渡すってやつでしたっけ?あれ渡す前にあの事故が起きちゃったんですよ…ていうか班長って見たことありませんが…」 「あいつは精神がちょっち異常だからな。他の医務室に出もいんのかな?でもそりゃあ参ったな……しょうがねぇ!」
倉持は何か決意したかのように飛び上がった。小浪は展開の速さに唖然とするばかりだ。
「もう対策立てたんですか?早いですね。」 「まぁな。IQてのが300くらいあっからな♪」 「300!!??あなたミュータントですか??」 「ミュータント?あの映画の奴か?違う違う、そんなんじゃねーよ。まぁ、俺がでかいんじゃなくてオメーらが小さいだけだよ♪」
何か普通に馬鹿にされた…けど、この人おかしいぞ…IQが300なんて本当に計算機能式のミュータントやロボットでもそんなのはない。この島にはやはり何かしらの秘密でも…。
「あ、それ以上検索しねー方がいいぞ?まあ俺は神に選ばれた超人ってこったな。それくらいで了承しといてくれや…ンじゃあそろそろ戻しとくっか。ほれ、行くぞ。」 「え?ちょっと待って下さいよ!結局どうするんですか?マコンデですよ相手は。」 「マコンデなんてさっさと方つくから心配すんな。俺にまかしとけって!!オメーはオメーで試験に落ちねーように素振りでもしとくこったな。ンじゃあ今度はオメーだけ宿舎に送るぞ!ほれ!!」 「え、ちょ、ちょっと待って…」
目の前の倉持さんが消えていきなり宿舎のドアが現れた。実際には俺が突然現れたんだろうが…。それにしても本当にあの人は何者なんだ…まぁ、今は素振りをしとくか。 このような事態が起こっても案外脳天気な小浪だった。
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