あとがき
殻鎖:三月。それは別れの時であり、新たな出会いを予感させる月でもあります。この時期になると、皆様の周りにもそろりそろりと春の芽吹きが訪れる頃でしょうか。 エリ:のっけからなに気取ってるかな?このオッサンは。 殻鎖:オッサンって呼ぶな、そこ。俺が折角読者の皆様に時候の挨拶をしようとしていたところなのに、横から水差すなよ。 エリ:だって、だって〜。待つの退屈なんだもん。 殻鎖:やかましい奴はちょっとそっちに置いといて。改めまして、今日は。作者の殻鎖希です。 今回お送りしますのは、『なんちゃってソードレボリューション』。剣と魔法の世界を舞台にしたファンタジックミステリー小説『ソードレボリューション』シリーズのパロディです。作品冒頭にも書いてありますが、本作は少なくとも一度は本家『ソードレボリューション』を読んだ事があるという方を対象に書いています。本編の内容を知っている方でなければ分からない部分もありますし、文中にはソドレボ1及びソドレボ2のネタをバラしてしまっている箇所もありますので、先に本家本元の『ソードレボリューション』及び『ソードレボリューション2』を読まれる事をお勧めします。 ……と、一通り作者と作品の紹介が終わったところで、お前もきちんと挨拶しろよ。今回のあとがきゲストキャラなんだからさ。 エリ:お帰りなさいませ〜、ご主人様。 殻鎖:って、メイド喫茶の店員か、お前は!……大体お前の職業はメイドじゃなくて秘書だろうが。 エリ:うん、そうそう。私、秘書だよ。 読者の皆様、初めまして〜。ご主人様の秘書を務めている、エリで〜す。 殻鎖:……もういいです。俺が代わりにきちんと説明します。 先に本作を読まれた方はご存知と思いますが、エリはソドレボの主人公フィズ・ライアスの秘書です。とは言っても、本家ソドレボにはこんなおちゃらけたキャラは登場しません。彼女はあくまでも、今回の『なんちゃってソードレボリューション』だけに登場するキャラクターです。 エリ:只今、本編に登場するための計画を画策中で〜す。 殻鎖:いや、ない。絶対ない。お前が本編に出た日には……話まとめるのがすごく大変そうだから。 エリ:むむ〜……こうなったら、このあとがきコーナーでエリちゃん人気を乗っ取って、無理矢理にでも本編に登場しちゃうぞ〜。 ねぇねぇ。折角のあとがきなんだからさ。なにかエリのとっておきのエピソードとかそういうのないの? 殻鎖;エピソード? そうだなぁ……例えば…… エリ:うんうん♪例えば?どんなお話があるの? 殻鎖:パソコンのキーボードでお前の名前打つ時に、よくミスをしてな。五回に三回くらい『エロ』って打ち間違えてたぞ。 エリ:そんなエピソードはアピールしなくても良いよ〜! う〜、これじゃ逆にエリのイメージがダウンする…… 殻鎖:エリみたいなキャラが押しも押されぬ大人気なんて事になったら、俺は真剣に日本の将来を心配すると思う。 エリ:確かにエリも、ちょっとはそんな気がしないでもないけどさぁ…… 殻鎖:ちょっとだけしか自覚ないんか……お前は。 エリ:それより、もっと他のエピソードないのぉ? 殻鎖:分かった分かった。エリというキャラクタが生まれた経緯についてもきちんと話すよ。 本作の中でも少し触れたんだが、実は以前、殻鎖の元に「ソードレボリューションを漫画化したい」という話が来た事があったのさ。 エリ:ほえ?漫画化? 殻鎖:漫画と言っても、まぁ所謂同人誌なんだけどな。 ある読者の方から、高校の文化祭に自主制作したソドレボの漫画を出展したいと言う要望が出された事があったんだ。内容もごく短いもので、『ソードレボリューション』のMission1――アインの洞窟で、俺が人喰い花と闘った時の話を数十頁の作品にしたいという話だった。こういう話が来た事も偏に読者の方の応援あってこそのものだな。 拙い作品をご愛読していただき、本当にありがとうございます。 エリ:ありがとうございま〜す。 ……でも、その話とエリにどういう繋がりがあるの〜? 殻鎖:うむ。実は、その漫画の中で、オリジナルキャラクターを出したいという話が出てな。主人公のフィズ・ライアスに秘書をつけても良いか、と相談を受けたんだ。エリという名前のな。 エリ:にゅ?つまり、エリは元々漫画に登場してたって事? 殻鎖:そういう事。つまり、「フィズの秘書」というお前の設定は俺が考えたんじゃなくて、読者の方のアイディアから生まれたものなんだ。 で、今回、このパロディ版の話を書く事が決まった時に、逆輸入させてもらう事になったわけ。尤も、今回のソドレボは完全コメディーだから、お前のキャラも相当にいじったけどな。その結果……何が何だかよく分からないキャラになった。 エリ:え〜〜! 殻鎖:ちなみに漫画版ソドレボに登場するエリは、もっとまともでシリアスなキャラです。と言うか……ここまで来ると最早完璧に別人。パロディ版のフィズもミレアも、本家ソドレボとはどこか違ったキャラクターに仕上がっていますが、このエリちゃん程にはぶっ壊れていません。 エリ:そぉかなぁ?……ご主人様もミレアちゃんも、かなり壊れてたよ〜な気がするんだけど。 殻鎖:ま……まぁ、あくまで今回はコメディーだからな。登場人物達も、オリジナルのものとは性格変わってる部分も多々あるかも知んない…… そんなわけで、本作は普段の真面目な『ソードレボリューション』とは全く趣の違った仕上がりとなっています。なので、読む時にも肩の力抜いて、「馬鹿な事ばっか書いてるなぁ」と笑い飛ばして下さい。 エリ:パロディもいいけどさぁ。本編もきちんと書いてよね〜。 殻鎖;ギクッ! も……勿論、執筆してるっつ〜の。 エリ:なんか声が裏返ってるよ? 殻鎖:やかまし。 本編の方もこれから本格的に佳境に入っていく事になるので、これからもご愛読いただけると嬉しいです。 エリ:エリちゃんへのファンレターもどしどし応募しておりますっ! 殻鎖:……来たらいいね、ファンレター。 エリ:う〜。言葉に全然心がこもってないよ〜な気がする…… 殻鎖:気のせい気のせい。 さて、そろそろこのあとがきも終わりが近づいてきました。次回のお知らせをして、お開きと致しましょう。 エリ:あれ?恒例のあとがきクイズは〜? 殻鎖:今回はお休みです。ソドレボ2の時のクイズの答えは、次回作のあとがきで発表します。 次回のソドレボは、本家本元『ソードレボリューション3』。こんなお馬鹿な話じゃなくてもっとシリアスな展開になりますので、ご期待下さい。 エリ:乞うご期待下さ〜い。 殻鎖:それでは皆様、また次の機会にお会い出来る事を楽しみにしています。 エリ:バイバ〜イ! ……って、もしかして、これがエリの最後の見納め……? 殻鎖:『なんちゃってソドレボ2』が出なければそうなるな。 エリ:イヤだあぁぁ! パロディのソドレボも、これからもちゃんと書いてえぇっ!
p.s.
エリ:ねぇねぇ、希。エリ、思うんだけどね。 殻鎖:何だよ? エリ:今回の『なんちゃってソードレボリューション』って、本当に小説って言えるのかな? 殻鎖:………………その突っ込みは聞かなかった事にさせてくれ。
殻鎖希+エリ
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