フィズ「突然だが、今回はちょっと真面目な話をするぞ」 エリ「え〜!それは困るよぉ。 エリね、真面目な話してると、自然に瞼が下がってきちゃうんだ」 フィズ「やる気のない大学生か、お前は」 ミレア「駄目よ、フィズ。エリちゃんの相手をしていてはいつまで経っても真剣な話が出来ないわ。 今回はシリアス路線でいくつもりなんでしょ」 フィズ「ああ。テーマがテーマだけにな」 ミレア「今回のテーマは『伝説の人物達』か。ここに来て、作者もなかなか真面目な話を持ってきたものね」 フィズ「俺の嫌いな物が何か知ってるくせにな。嫌味としか思えないぜ、全く。 ……にしても、シダノの森での事件の時は本当に驚かされたよ。まさか、あのシャドウマスターが生きていたとは思わなかったからな」 ミレア「……でも、よくよく考えれば別に不思議はないわけよね。あの大戦の終末を見届けた人間は誰もいないんだから。ただ、ある時から彼らの行方が全く分からなくなった事で、行方不明として片付けられちゃったわけなんだし」 フィズ「だが、誰もが心のどこかで死んだものと思い込んでいた。あるいは、そう信じたかったと言った方が正しいのかも知れないな。 シャドウマスター……奴の所業はまさに悪魔のものだ。直に会って、そいつが良く分かったよ」 エリ「シャドウマスターってさぁ。前の座談会で話に出た人だよね?確か、無の属性を持つ人だって」 ミレア「そうよ。彼はマスターの弟にあたるの。もしも彼が秀でた力を持っていなかったとしたら……あの戦争は起こらなかったでしょうね」 エリ「せんそう?」 フィズ「そうさ。今から二五年前に勃発した大戦……二人の天才兄弟が引き起こした壮絶な喧嘩だよ。世界中を巻き込む程のね」 ミレア「皮肉にも、あの大戦があったからこそ、マスターは〈魔を極めし者〉……伝説の人物として知られるようになったのね」 フィズ「そして……マスターと共に伝説と謳われた人間があと三人…… 〈槍を尊ぶ者〉クリマ・セイル、そして〈剣を求めし者〉が二人……」 ミレア「内一人の名はベルナ・ノウカン。 そして……もう一人」 フィズ「ロゼ・ライアス……」 エリ「知ってるよ、エリ。その人って、ご主人様の本当のお父様なんだよね?」 フィズ「………………」 エリ「ご主人様?」 フィズ「本当の父さん、か。俺ぁ、あの人に父親らしい事なんざ、何一つしてもらった覚えがないってのによ。 俺は……伝説って言葉が大嫌いだ。そして、家族を持ちながら闘いを選んだ父さんの事も、大っ嫌いだ」 ミレア「フィズ……」 フィズ「ライアスという姓だって……決して好きにはなれない。どうしても、父さんの事を意識せずにはいられなくなるからよ」 ミレア「分かってる。 本当に信頼を置いているだけだものね。貴方の事を姓で呼ぶ人って」 フィズ「ああ、そうさ。 大嫌いだ……伝説なんて」
エリ「でもさぁ……シャドウマスターが生きていたのなら、ご主人様の本当のお父様だって生きている可能性があるのかもよ〜」 フィズ「いや、それはないな」 エリ「へ?」 フィズ「シャドウマスター……ジュオウの野郎がはっきりと言ってたんだ。『〈剣を求めし者〉達を葬った』ってな」 ミレア「そうね……私も聞いたわ」 エリ「う〜ん、でも腑に落ちないんだよなぁ」 ミレア「……何が腑に落ちないの?エリちゃん」 エリ「大戦が終わってから、大体一七年が経つんだよね?」 フィズ「そうだ。俺が生まれた頃に、あの三人は行方をくらませたそうだからな」 エリ「じゃあさぁ、その一七年の間、シャドウマスターは何してたの?」 フィズ・ミレア『……え?』 エリ「〈剣を求めし者〉を倒したりとか、魔物の研究を進めたりとか……って色々やってたとしても、一七年もかかるものなのかなぁ?」 フィズ・ミレア『………………』 エリ「青紫のピエロだって、一七年前からいた筈なんだよね〜。なのに、どうして今になって奪おうとしたんだろ?わざわざ死体を回収するなんて、おかしな話だと思わない?」 ミレア「……エ、エリちゃん……貴方……」 エリ「ほぇ?」 フィズ「凄い……凄いぞ。聞いたか?ミレア。エリが、エリが初めて至極まともな意見を言った!」 ミレア「本当だわ! 大変。今晩はお赤飯でも炊かないといけないわね」 エリ「え〜!ちょっと待ってよ〜!」 フィズ「今の今までふにゃふにゃしたけしからん奴だと思ってたが……見直したぞ、エリ!」 エリ「そ……そんな事言われると照れちゃうよ〜。 でも何でだろう?褒められてるって言うか、むしろ馬鹿にされてるよ〜な気がするんだけど〜」 ミレア「気のせいよ、気のせい」 エリ「にゅ?ホントかなぁ…… でもさぁ、さっきの話なんだけど、実際腑に落ちないと思わない〜?」 フィズ「確かに妙だよな。どうしてジュオウはシギをずっと放ったらかしておいたんだろう?」 ミレア「それに、今になって大戦を起こそうとする理由も分からないわ。一七年の間にチャンスはあった筈よ」 フィズ「だよな。何で、今なんだろう? 一七年の間、奴はどこで何をしてたんだ?シギを捕らえる事もなく、騒ぎを起こすでもなく……」 エリ「やっぱり、これってさぁ……」 フィズ「ん?何だ?」 エリ「作者が用意した、次回作以降への布石なんじゃない?」 ミレア「……そういう言い方をすると、元も子もないわね」 フィズ「そうだよな。 今後明らかになるんだろうけど……早く理由が知りたいもんだ」 ミレア「ええ。とりあえず、次回作の『ソードレボリューション3』では、シルウォナ大陸を舞台にした話が展開されると思うから、少しは謎が解けるかも知れないわね」 エリ「あ〜、その話なんだけどぉ。ソドレボ3では、マリカバの話書くつもりないらしいよ〜。作者」 フィズ・ミレア『へ?』 エリ「実はエリ、作者からメモを預かってるんだけどさぁ。それによると、3ではまだマリカバの話書くつもりないんだって」 フィズ「おいおい、嘘だろ。 前回の終わりにあれだけ引っ張っておいて、書かないつもりかよ?何考えてんだ、希の奴」 ミレア「ねぇ。エリちゃん。もっと詳しい話を聞かせてくれない?」 エリ「いいよ〜。でも……」 ミレア「でも?」 エリ「今回の座談会は、そろそろ終わりの時間が近づいてるんだなぁ、これが。 だから、ソドレボ3の話は次回に持ち越しね〜」 ミレア「何?本編だけじゃなくて、こっちのパロディ版の話まで引っ張る気なの?作者は」 フィズ「人の悪い野郎だぜ……」 エリ「と言うわけでぇ、次回の座談会のテーマ決まりだね。 題して……『どうする?どうなる?ソドレボ3』だよ!乞うご期待!」
|
|