あとがき
全五編のショートショートストーリー。楽しんでいただけたでしょうか。 この作品で、殻鎖が初めてショートショートというジャンルを手がけました。普段は長編小説を書く機会の多い殻鎖ですが、新しい事に挑戦する事が出来、自分自身、とても良い勉強になりました。 それでは、この場を用いまして、各話の解説や感想を書かせていただきます。
サンタが聖夜にやってくる!
子どもの娯楽と笑うなかれ。最近の子ども向け商品は、いい年こいた大人がハマる程面白いんです。……そういう事にしておきましょう。 このお話の主人公は永遠に少年の心を忘れぬ四十歳。ああ、何とその心の美しき事かな。……そういう事にしておきましょう(笑)。『お前、実は今流行り?のニートだろう』とか突っ込んではいけません。
難しい質問
もしかしたら、これが将来の日本の……言え、世界の姿なのかも知れません。現在でも、異常気象などと言われる程に天候が荒れる事もありますが……果たしてこのまま環境破壊が続いていくと、本当にどうなってしまうんでしょう?私達一人一人が意識せねばならぬ課題ですね。 ……と、殻鎖にしては珍しく、少し真面目な話をしてしまいました。
几帳面人間
詰まるところ、極端すぎるのは良くないという話です。几帳面である事は勿論長所だと思うんですが、いくら何でもちったあ限度を考えないといけません。 それにしてもこの奥さん、毎年毎年こんな事を続けてるんでしょうか?一年増える毎にさらに多くなっていく蝋燭……う〜む、これは火を点けるのも大変だ。全ての作業が終わる頃には、ケーキも原形を留めていないでしょう。
戦場のメリークリスマス
受験戦争、というやつですね。殻鎖も勿論経験した事があります。 必死に勉強して、やっと憧れの大学に入る事が出来た。しかし今の世の中は不況。卒業したとしても、就職のあてがあるわけでもなし。せちがらい世の中になったもんです。 ま……そうは言っても、息抜きは大切です。クリスマスくらいはほんの少し羽目を外してみても、良い気分転換になると思いますね。
クリスマスなんてだいっきらいだ!
もしもクリスマスがキリスト教以外の宗教のイベントであったとしても、日本では普通に取り入れられるんだろうなあ……なんて思いつつ、書いてみた作品です。クリスマスにケーキを食べた一週間後には門松を飾るという、何とも節操のない……もとい、感受性の豊かな国ですから(笑)。 クリスマスならぬ仏陀マス……どの様なイベントなのか、見てみたい気もしますね。
さて……今日という日の語らいの場にも、終演の時間が近づいてきたようです。この場で最早私が語る事は残されていません。語られるべき全ての物語は、私達の心の内に全て刻み込まれました。 それでは……また次の物語でお会いしましょう。 メリークリスマス。そして、良いお年を。
ストーリーテラー 殻鎖希
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