夢を見た。 どこもかしこも真っ暗で
自分の手さえも見えなくて
広いような 狭いような
そんな空間に
たった一人で ポツリと
取り残されていて・・・・・・・・・・・・
「セリナ、起きて」 『寝ぼすけー』
二人に起こされて、わたしは重いまぶたをこすった。 「しょーがないじゃん、疲れてたんだもん。それより、もう着いたの?」 海の中はすっかり明るさを取り戻していた。色鮮やかな魚達が悠々と泳ぎ、海底の草木が心地良さそうに葉を揺らしている。オーケアニテスも、キラキラと陽の光を反射する白い砂に身を横たえ、海の樹海に溶け込んでいた。 『着いた。太陽が来るの、待ってた』 砂の上に置かれた泡の膜から、彼女の優しいエメラルドグリーンの瞳を見ることができた。その掌ほどもある大きな瞳で私たちを見つめ、“どうする?”と訪ねる。 互いに顔を合わせた。まだ疲れは取れていないものの、先へ進む気持ちが強い。それに、あまりゆっくりしている訳にもいかないだろう。なんせ、いつ世界が崩壊してしまうのかわからないからだ。 ナギは、浜へ連れて行って下さいと頼んだ。
「色々ありがとね、オーケアニテス」 『セリナ、私 助けた。おあいこ』 「本当に、ありがとうございました。―――あの・・・どうか、人間を嫌いにならないで下さい。決して、あなたを傷付けようとする人ばかりではありませんから。どうか・・・」 人気のない砂浜に顔だけ出した彼女は、ナギの言葉にじっと耳を傾け、しばらく黙っていた。が、 『ごめん。人間 嫌い。私達、ずっと前からここにいた。人間生まれる前からずっと。今、人間 我が物顔で世界中、いる。私達、傷付けられる。居場所、追われる。――でも、セリナ ナギ 二人、好き。ディグニも言ってた』 「そっか・・・・・・。ディグニさんとはよく話すの?」 『うん。けど、会った事、ない』 「では、またお話する事がございましたら、無事旅を続けていると、お伝え願えますか?」 ナギは複雑な表情で遠慮がちに頼み、オーケアニテスと別れを告げた。
私たちは、白い影が見えなくなるまでそこに立ち尽くし―――
―――彼女の尾が遠くで跳ねるのを見送り、踵を返した。
〜新章でぇっす!〜
どもども。読んでくださってありがとうございます。毎度毎度、感謝感激雨霰でございますよ本当にもう!\(>△<.)/
さて、新しい章に入ったわけですが…今回は――今回も?結構短いかもしれませんねー。もうノストイ全体で三分の二は行きましたし、ねえ?(聞くな?) はてさて…これから二人は?そして世界はっ!?どーなっちまうんでしょうか。 もう決まってるんですけどね。ふふふ・・・。 物語を書いていると、全知全能の全てを統べる神はこんなふうに悦に入っちゃうのかなーなんて・・・。いたらの話ですけどね。 ま、そんな感じで皆様に謝りながらのろのろと進めて・・・いきたいなぁ(願望 では!また!!自分が出てきたときにお会いいたしましょー!!(^^)ノシ
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