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泡の膜の中で、わたしはナギに事の始まりから話した。
実は、最初に船が傾いた時、オーケアニテスの声を聞いたのだ。そこで、タイミングを計って彼女が作ってくれた膜の中にダイブした訳だ。コーダの意表を付くためでもあったし、コーダ一味を一度に戦えなくする為でもあった。 ガドガ達に“伏せて”と叫んだくだりに来ると、今まで黙っていたオーケアニテスが付け足した。 『裏切り者、水縛りかけた』 「――え?あ、これがオーケアニテスの声?」 どうやらナギにも聞こえたらしく、片耳を押えて驚いた。そして、いつものように質問タイムに入る。 『水縛り――私 睨む。人間 硬くなって動けなくなる。それ、水縛り』 ナギは、人為的な金縛りのようなものね、と納得した。
「・・・・あっ!!」
そういう事だねとわたしも頷いて、しばらくした後、ナギが突然声を上げた。 「どうしたの?」 「セリナ、あなたのワグナー・ケイ、盗られたでしょう!?取り返してないんじゃないの!?」 「ああ、何だ。そのことかー」 ナギが忘れ物でもしたんじゃないかと思ったわたしは、ほっと胸をなで下ろした。 「何をのん気に言っているの!あぁ、どうしましょう。海の底に落ちてしまっていたら、どうやって探せばいいの?仮に、コーダさんが持っていらしたとしても、素直に返してくださるかしら」 「あのさ、ナギ――」 「あぁ、オーケアニテスさん、先程の船まで戻れますか?もしケイが海の底にあったら、手伝っていただけますか?」 「ケイならここにあるよ」 「そうよ、ケイがおここにあれば、こんなに慌てる事は――」 「だから、あるんだってば」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」 あんなにオロオロ顔を青くしていたナギが、ピタリと歩き回るのを止めた。 「あるの。ちゃんとここに。あれはフェイク――じゃなくて、ニセモノ。レジンの時、ケイの入ってた袋に石コロ入れたでしょ?その時のまんまだよ?」 わたしはゆっくりと、パニックになりそうだった彼女に言い聞かせた。ナギはキョトンとした顔で見つめてくる。 「・・・・・・ニセモノ?」 「そ」 「本物は?」 「ここ」 ニヤリ、と腰の袋を叩いた。 「・・・!!そうよ!そうだわ!私たち、レジンで交換したばかりじゃない。嫌だわ。私、すっかり忘れていて・・・」 ナギはやっと理解して、ペタリと座り込んだ。そして、風船の空気が抜けていくように長く息を吐き出す。 「ああ、もう。焦って損したわ」 「ま、たまにはそんな事もあるっしょ」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
『疲れた?』 「だね」 「えぇ」
そのままゴロリと仰向けになる。 海の中は恐いくらい真っ暗で、その中を赤い光がフラフラと漂っていた。生き物なのか何なのかはわからないけれど、昂ぶっていたわたしの心を不思議と静めてくれた。
ウェーアの瞳みたいだ・・・
彼の顔を思い出しながら、わたしはゆっくりとまぶたを閉じた。
〜あははは・・・〜 はいはい始まりましたね。 え?なにが?って・・・そりゃあ自分が皆様に土下座するコーナーがって感じ?(懐かしや、高校生の流行口調) えー・・・今回は、ですね。そのぅー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ すみませんでした!サボりました!正直に言います!サボタージュです!!ダメダメなマダオです自分はっ!! お詫びといっちゃあ何ですが、今回は二つ続けて更新しますから許してくださいお願いしますm(_ _;)m っつー訳で、新章突入いってみよー!! (無駄にテンションたけぇー)
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