岐路につきながら森の景色を楽しみながら歩いていると、 「おや、君は確かエナさんのところのお孫さんだね。お友達と散歩かな?」 ヒョロリというより、がりがりに痩せている背の高い男の人が違う道から現れた。 「「こんにちは」」 二人であいさつするとその人は微笑みながらわたしの方を見て、 「こんにちは。そっちの娘(こ)とは初対面だね。俺はダーユ。よろしく」 そう自己紹介してくれた。わたしがどうも、と頭を下げるとナギは、 「ダーユさんは何をなさっていたのですか」 と聞いた。すると彼はあたり前のようにさらりと答えた。 「俺はいつも通りの仕事だよ。これから家に帰ろうと思ってね」 「え?ですがダーユさんのお仕事は―――」 「そういえば、さっき滝の方が光ったような気がしたんだけど、何か見なかった?」 ナギの言葉をさえぎってダーユは目を細めた。この人、すごく怪しい。下手に答えないほうが良さそうだ。 「え?そうなの?私たち奥の方にいたけど、何にも見なかったよ?」 わたしはできるだけ、本当にそうだったとみえるように努めてみた。ばれなきゃいいけど・・・ 「ふうん。じゃあ、俺の勘違いかな。呼び止めて悪かったね。じゃあ、また」 「あ、はい。さようなら」
「ナギ、あの人嫌いなの?」 わたしは、彼の姿が完全に見えなくなるまで待って口を開いた。 「うーん。嫌い、と言うより・・・あんまりダーユさんのいい噂は聞かないものだから。その、少し変わった所があるみたいなの。思い込みが激しいと言うか、なんと言うか・・・」「ふーん」 わたしの心の中で、何かが引っかかっていた。
家に着き、ナギと話し合った結果、まずディスティニーの所へ行く事にした。ディグニさんと喋っている間に、いくつか聞きたい事が増えたからだ。 そういえば、ナギも行くって言っちゃったけど、エナさんにはなんて説明するんだろ?ま、何とかなるかな?
『事ハ,ソウ上手クハ行カナイモノダ。何カシラノ障害ガアル』
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