○○○
結局リーズ家をお暇するようになったのは、ダグラスと会ってから四日後のことだった。何かしらごたついて、なかなか旅立つことができなかった。 「長い間、お世話になりました」 「いいえ。私も孫が出来たようで楽しゅうございましたから。また、いつでも来て下さいませ」 「セリナさん、治療師の方がくれぐれも無理をなさらないように、とのことです」 「あ、うん。気を付けるよ。ありがと、ウォルターさん」 リーズ家の門前。ちらちらと雪が降ってる。 「ナギ、この島特有の保存食だ。持っていけ」 「まあ!ありがとうございます。すみません、こんなに……」 「遠慮することはない。――セリナ、手を出してくれ」 「ん?」 言われるままに片手を出す。手の甲を見せたそれを裏返され、誰にも見えないように何かを包み込まされた。 「できれば、船の中で見てくれないか」 「……わかった」 わたしはそのままポケットに“何か”を落とし入れた。ものすごく気になるけど、ここは我慢。 「お元気で」 「はい。ありがとうございます」 「ありがと。ウォルターさんも、シビアさんも、ディムロスも、体に気を付けてね」 ウォルターさんとシビアさんとに握手して、そして――― 「―――っ!?」 すごく、暖かいものに包まれた。 「――――――」 「えっ……?」 温もりが消えた。体が、ディムロスの腕から離れる。ひどく近くで囁かれた言葉の意図が、つかめなかった。 「無茶は、するなよ?」 「う、うん……」 どういう意味?とは聞けなかった。初めて、切なそうな顔を見てしまったからだろうか。 「……ばいばい」 「さようなら……」 空からは、厚い雲の隙間から暖かな日差しが差し込んでいた。
〜ここ最近のナイスな発言I〜 動物図鑑を見ながら調べものをしている時でした。 「すっげー変な名前とかあるよなー」 「だな。これとか笑えね?“ホトンドタヌキ”!!」 「「「あははははははは!!!」」」
※正確には“ホンドタヌキ”です。漢字で書くと“本土狸”なんですが、図鑑に載ってる名称って、全部カタカナではないですか!読み間違えますって!!
|
|