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ノストイ〜帰還物語〜第4部 作者:紫苑璃苑

第8回   XIII-19

○○○

 結局リーズ家をお暇するようになったのは、ダグラスと会ってから四日後のことだった。何かしらごたついて、なかなか旅立つことができなかった。
 「長い間、お世話になりました」
「いいえ。私も孫が出来たようで楽しゅうございましたから。また、いつでも来て下さいませ」
「セリナさん、治療師の方がくれぐれも無理をなさらないように、とのことです」
「あ、うん。気を付けるよ。ありがと、ウォルターさん」
リーズ家の門前。ちらちらと雪が降ってる。
「ナギ、この島特有の保存食だ。持っていけ」
「まあ!ありがとうございます。すみません、こんなに……」
「遠慮することはない。――セリナ、手を出してくれ」
「ん?」
言われるままに片手を出す。手の甲を見せたそれを裏返され、誰にも見えないように何かを包み込まされた。
「できれば、船の中で見てくれないか」
「……わかった」
わたしはそのままポケットに“何か”を落とし入れた。ものすごく気になるけど、ここは我慢。
「お元気で」
「はい。ありがとうございます」
「ありがと。ウォルターさんも、シビアさんも、ディムロスも、体に気を付けてね」
ウォルターさんとシビアさんとに握手して、そして―――
「―――っ!?」
すごく、暖かいものに包まれた。
「――――――」
「えっ……?」
温もりが消えた。体が、ディムロスの腕から離れる。ひどく近くで囁かれた言葉の意図が、つかめなかった。
「無茶は、するなよ?」
「う、うん……」
どういう意味?とは聞けなかった。初めて、切なそうな顔を見てしまったからだろうか。
「……ばいばい」
「さようなら……」
 
 空からは、厚い雲の隙間から暖かな日差しが差し込んでいた。



 〜ここ最近のナイスな発言I〜
  動物図鑑を見ながら調べものをしている時でした。
  「すっげー変な名前とかあるよなー」
  「だな。これとか笑えね?“ホトンドタヌキ”!!」
  「「「あははははははは!!!」」」

  ※正確には“ホンドタヌキ”です。漢字で書くと“本土狸”なんですが、図鑑に載ってる名称って、全部カタカナではないですか!読み間違えますって!!

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Novel Editor by BS CGI Rental
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