―――ド ―― ン!!
地を揺るがす衝撃が、私たちの命を救った。
「何だ!?どうした、何が起こったんだ!?」 「あそこだ!空が欠けた!!」
本物の空を、太陽の光りを見たことのない地下都市の住民は、驚き慌てふためき、大混乱に陥った。 「……すげっ。あ、今のうちに逃げた方がいいんじゃないか?」 「ええ、ですが……」 「まだ行けないよ」 「―――だ、そうです」 耳打ちするオルコンに、ナギは苦笑いで答えた。
「あれが外の光りだ!!」
わたしは出せる限りの大声で叫んだ。一斉に注目される。 「私たちは光りの当たる大地から来た。外にはこの都市の何百倍もの人々が住んでいる。たくさんの人が互いに支えあって生きているんだ。ここだけが、この暗い地下だけが世界の全てじゃない!あなた達にはたくさんの可能性がある。誰もが大きな可能性を持っているんだ。ここで一生、掟に縛られて生きるだけでいいの!?それで満足なの!_」 「我らはハーディス様に従う!彼の言葉のみが全てだ!!」 長が負けじと声を張る。 「皆長と同じ意見なの?違うでしょ?オルコンのように掟にうんざりしている人もいるだろうし、ほんの少しでも違った意見を持っている人だっているはずだ!家族でさえも人によって考えは違うのだから」 「ほざけ!皆この者の言葉に耳を貸すな!あ奴はアルケモロス。我らに禍をもたらす者ぞ!」 そうだそうだと野次が飛ぶ。だが、最初ほど勢いはない。 「で?どうなの?皆はどうしたい?言ってごらんよ。自分が思うことを口にするだけで罪に問われる事はないんでしょ?」 分からず屋の長から視線を外し、ずらりと並ぶ住人を見つめた。それぞれが周りの出方を窺うようにキョトキョトと落ち着かない。と、 「オレは、こんな地の底に這いつくばって一生を終えるのは嫌だ。光りで満たされた地上で、オレのしたいことをする。リーズの連中のようにいろんな所に行くのもいいかもなぁ」 「だっだが、地上には獰猛な動物や恐ろしい化け物がいるのだろう?そんなところに出て行くなんて――」 おどおどした様子で、ひとりの男性が不安を告げる。 「そうだ!我らを異形の者として迫害するかも知れないだろ!」 「おいおい、同じ人間だぜ?話せばわかるだろ」 オルコンは呆れ顔で返す。 うーん。両方の言い分はわかるんだけどね。けど、今はとりあえず私たちが生きれる方を探さなきゃ。 どうやって話を進めていけばいい? どうやったら、彼らのしがらみを解くことができる?
『―――おい』
ハーディスが物陰から突然姿を現した。 「うわっ!?ど、どーしたの突然。もしかして怒った?」 「攻撃されている。崩れるぞ」 言った途端、第二の爆発が起こった。ビキッとヒビが大きくなり、天井が、この街の空が崩れ出す。町中が騒音と悲鳴で満たされた。そういえば、天井が欠けてたの忘れてた。 「逃げよ!地上で生き延びるのじゃ!!」 長が俄(にわか)に叫び、住民は静まり返った。 「早くしないか!女子供が先じゃ!―――ゆけ、アルケモロス!皆を導け!!」 わたしは一瞬固まったけれど、すぐに頷いて皆を先導した。私たちが下ってきたあの通路へ。見えるところまで来ていたから、何とか道がわかってよかった。 「長老さん!!」 皆が走り逃げる中、長老だけが逆方向へふらふらと向かっていた。先ほどまでのしゃんとした雰囲気がない。引きとめようと足を向けると、 「構わずゆけ!ワシはここの長じゃ。ここが滅びるのならば、共に逝くのが宿命……」 必死に逃げる人々の流れに逆らえず、崩れゆく天井に追い立てられ、そこへ辿り着く事はできなかった。 奥歯をかみ締めながら通路を登りきると、ハーディスが待っていた。 「開けるぞ」 「――ぁ。皆!目を瞑って!!」 ずっとこんな薄暗い所にいたんだ。まともに日の光を目にしたら――。 カッと光りが差した。 「ああ!!」 「目が!目が痛い!!熱い!!」 あまりの眩しさに、地下の住民は目を押さえてよろめいた。中には中へ戻ろうとする人までいる。眩しいと言っても、夕方だ。それでも、つらいのだろう。 「しばらくすれば慣れるだろうから、落ち着いて」 私たちは人々を宥めながら誘導して、何とか全員を外に出す事ができた。 そこに――――
「これはこれは。ご機嫌いかがかな?女神様方」
聞こえるはずのない声が、聞こえてしまった。
〜なかなか〜 どうして、自分も話の切り方がいい具合になってきた気がしますね。意地悪になったのか…。気になる所で切って、また来週〜ってな感じで・・・どうでしょう?うん。もっと文章力とかつけたいですね。 と、いう独り言でした。
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