「オルコン!いるんだろう!?開けろ!!」
ダンダンダン!!と乱暴に扉が叩かれた。今にも蝶番(ちょうつがい)が外れてしまいそうだ。 「んだようっせーな!オレん家壊す気かよ!?」 そう言いながらも、彼は手早く私たちを床下の穴に押し込み、わざとガタガタ言わせて椅子をどかし、呼び出しに応じた。頭の上に町人の足音が雪崩込む。床を挟んで、彼らの会話が流れ込んでくる。
――外の人間を見なかったか? ――外の奴らだァ?知らねぇよ。ってか、そんなことで騒いでいやがったのか。 ――そんな事だと!?奴らは我らが神のワグナー・ケイを奪いに来たのだぞ!? ――だから何だってんだ?オレには関係ねぇだろ。 ――……っ!貴様!! ――よせ ――長…。しかしっ! ――そやつは一匹狼。所詮、我々の思考にはついて来れぬ。 ――そいつぁーどうも。 ――もう一度聞くが、本当に誰もこちらへは来てはおらぬのだな? ――だーから、知らねぇっつってんだろ。いるとしたら、塔の方じゃねぇのか?そこにあるんだろ?ケイは。 ――我々は彼女らがこちらへ逃げてゆく所しか見ておらんのでの。 ――回りに回って、そこに行ってるのかもしれねーぜ?っつーか、外の人間って、女かよ。イイ女だったか? ――皆手分けして捜索しておる。お主も手伝ってはくれぬか。 ――つれねぇな。―――悪いが、オレはあんた達の思考についていけないんでね。 ――……左様か。
ぞろぞろ、しぶしぶといった雰囲気で、足音が出て行った。完全に足音が消えた頃合を見計らって、床を上げると、オルコンはベッドに寝転がってまたお酒を飲んでいた。 「……えっと……」 「行くならさっさと行きやがれ。ったく。これじゃあ静かに酒も飲めねぇ。いい迷惑だぜ」 「あ……本当にすみませんでした。これでお暇させていただきますので」 「匿(かくま)ってくれてありがと。またね〜」 私たちは、機嫌の悪い彼に怒鳴られない内に退散した。
「……何が“またね〜”だ。ケッ」
〜あけました おめでとうございます〜 どうぞ今年もよろしくお願いいたします。 昨年は更新を長引かせてしまう事が多々ありまして、大変ご迷惑をばおかけ申した。(何故に時代劇風!?) 今年は、もう少し余裕のある暮らしをしていきたい・・・なーと思う今日この頃ですが、週一更新絶対厳守!!という目標は絶対に守れないと判明致しましたので、末永く、お付き合いください。ま、ノストイももうすぐ終わりなんでね。少なくともそれまではお付き合いいただけると嬉しい限りでございます。
それでは、昨年お世話になりました皆様、これからお世話になります皆様に、良い風が吹く事を心より、お祈り申し上げます。
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