「った!」 「きゃあ!」
「「え?」」
突然落ちたかと思うと、わたしは岩だらけの地面に座り込んでいて、そして―――
「ナギ!!」「セリナ!?」
私たちは座り込んだまま何日振りかの再会を果たした。 ひとしきり再会の喜びを分かち合うと、やがて自分達のいる場所を確認し始めた。 岩の天井、岩の柱にごつごつとした床。人工的に作られた洞窟のようだ。今まで何も見えない暗闇にいたから、薄闇でも十分に明るく見える。 「ここ、どこだと思う?」 「わからないわ。どうして突然こんな所へ来てしまったのかしら」 「闇の精霊が確か……“お前達を試す”とか何とか……」 「ためす?」 「うん、“どんな事があってもケイを集める!”って言ったらそう……」 「じゃあ、進むべきなのかしら」 「だね。でも、どっちに……?」 微(かす)かに右は上りで左は下りの一本道。辛うじて見える柱の向こうには、また闇が広がっている。岩でできた回廊に、突然投げ出されたのだから、自分たちが来た方向なんてわからない。とりあえず立ち上がり、傍らに転がっていた荷物を拾い上げる。―――と、
「あっ!?」
ドンッ!と押されてバランスを失ったわたしは、柱に手をついて肩越しに後ろを振り返る。 「な――」 「大丈夫?セリナ」 “何すんの!”って言おうとしたら、ナギは離れた所でキョトンとしていた。 「何って……ナギが押したんじゃないの?」 「あなたが勝手によろめいたのよ」 「?」 どういう事だ?わたしは確かに誰かに押されたのに……。 ―――トントン 「―――?」 膝裏を叩かれた。 人の指先のような感覚。今度こそ、本当に誰も居ないはずなのに……と思いながらバッと足元を見る―――スッと黒い塊が動いた気がした。 「――ん?」 と、柱の向こう側、つまり道の切れ目から何かが見えた。 「ナ、ナギ!ちょっと来て!」 「なあに?」 膝を付いて下を覗き込む。 ここが大きな空洞の壁際だという事に気が付いた。岩のスロープは、下に向かって壁伝いに螺旋を描いている。そして、その中心には―――
「あれは……」 「街の光……?」
今はまだ、ほのかに瞬く光の粒にしか見えないが、広範囲に渡るそれは、街の大きさを物語っていた。 「こんな地下に?」 「明かりがあるんだから人もいるんでしょ?行ってみよう!!」
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