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ノストイ〜帰還物語〜第4部 作者:紫苑璃苑

第13回   XIV-4

 「った!」 「きゃあ!」










「「え?」」








 突然落ちたかと思うと、わたしは岩だらけの地面に座り込んでいて、そして―――

「ナギ!!」「セリナ!?」

 私たちは座り込んだまま何日振りかの再会を果たした。
 ひとしきり再会の喜びを分かち合うと、やがて自分達のいる場所を確認し始めた。
 岩の天井、岩の柱にごつごつとした床。人工的に作られた洞窟のようだ。今まで何も見えない暗闇にいたから、薄闇でも十分に明るく見える。
「ここ、どこだと思う?」
「わからないわ。どうして突然こんな所へ来てしまったのかしら」
「闇の精霊が確か……“お前達を試す”とか何とか……」
「ためす?」
「うん、“どんな事があってもケイを集める!”って言ったらそう……」
「じゃあ、進むべきなのかしら」
「だね。でも、どっちに……?」
微(かす)かに右は上りで左は下りの一本道。辛うじて見える柱の向こうには、また闇が広がっている。岩でできた回廊に、突然投げ出されたのだから、自分たちが来た方向なんてわからない。とりあえず立ち上がり、傍らに転がっていた荷物を拾い上げる。―――と、

「あっ!?」

ドンッ!と押されてバランスを失ったわたしは、柱に手をついて肩越しに後ろを振り返る。
「な――」
「大丈夫?セリナ」
“何すんの!”って言おうとしたら、ナギは離れた所でキョトンとしていた。
「何って……ナギが押したんじゃないの?」
「あなたが勝手によろめいたのよ」
「?」
どういう事だ?わたしは確かに誰かに押されたのに……。
―――トントン
「―――?」
膝裏を叩かれた。
人の指先のような感覚。今度こそ、本当に誰も居ないはずなのに……と思いながらバッと足元を見る―――スッと黒い塊が動いた気がした。
「――ん?」
と、柱の向こう側、つまり道の切れ目から何かが見えた。
「ナ、ナギ!ちょっと来て!」
「なあに?」
膝を付いて下を覗き込む。
 ここが大きな空洞の壁際だという事に気が付いた。岩のスロープは、下に向かって壁伝いに螺旋を描いている。そして、その中心には―――

「あれは……」
「街の光……?」

今はまだ、ほのかに瞬く光の粒にしか見えないが、広範囲に渡るそれは、街の大きさを物語っていた。
「こんな地下に?」
「明かりがあるんだから人もいるんでしょ?行ってみよう!!」

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Novel Editor by BS CGI Rental
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