気の向くままに足を動かす。 目的地はない。 普段抱いた事のない感情に戸惑いを感じる。 (馬鹿馬鹿しい) 他人に期待はしない。 失望するのが面倒だからだ。だから、結果的に他人に興味を抱く事はなかった。・・・・興味?私はあの男に興味を持っているというのか?―――ありえない。口うるさいだけの、ただのバカだ。 ピタリと歩みを止めた。 細い路地。一歩踏み出せば、すぐに大通りだ。
「さっき、別れたはずだがな」
振り返る事すら面倒だ。どうせ相手は決まっている。 「だって、一蓮托生っつったろ?縁もできたことだし、俺、ルレイと別れる気、ないよ?」 深い溜息を吐いて振り返ると、頭の後ろで手を組むニヤケ顔がいた。再び溜息が出る。 「何故そこまでして私を追う」 「何でって・・・強そうだから?うーん、違うなぁ。何か後付って感じだ。――やっぱ理由なんてねぇや。一緒に旅したいって思った。それじゃ不満か?」 「不満だ」 「また即答!?煤i0д0;) せっかくカッコイイこと言ったのに!」 「それは貴様が私の意見を無視しているからだ」 「何でそんなに嫌がんだよ〜(;´д⊂)」 「貴様の言葉を借りるなら―――理由などない」 「ひっでーなこの―――」 続きは聞く事ができなくて幸いだった。突然頭上を何かが掠めたからだ。路地の奥に目を向けると、黒服が拳銃を構えている。 「早ぇな!もう見つかっちまった」 そう言いながらも、ホムラは黒服達に正面から突っ込んでいき、銃弾を避けながら数名を斬り伏せた。 「ここじゃ狭いな。広い所へ行こうぜ、ルレイ!」 私は大通り側から攻めてきた黒服を素手で蹴散らし、通りに出る。 「あっ、ちょ・・・!!置いてくなよ〜ぅ!」 泣きつく男は無視して、町の中心に向かう。悲鳴を上げながら飛び退き、好奇心の目で追う町の人々の間を縫い、公園にたどり着いた。私とホムラは、不本意だが背中合わせになり、武器を構える。ホムラは大剣を、私は仕込み杖を。 「な〜んだ。その杖、刀だったんだ。――よっし!こっからが本番だぜ!!」 「・・・お前、うるさい」 「ええ!?(;゜ロ゜)」 「少しは静かにできないのか」 「こういう時はテンション上げてぇだろ!?」 「そんな必要性は全く感じられない」 「んなことねえ――――っと!」 「ちィ」 我々を逃がすまいと取り囲んだ黒服は、仲間に被弾するのを避けて武器をナイフを切り替えた。正しい判断だ。だが、それが敗因でもあった。なかなかの手練れではあるが、所詮は人ならざるモノを相手にしているアストラに敵うはずもない。あっという間に片は付いた。
「・・・貴様がついて来なければ、こんな面倒な事にはならなかった」 「あくまで可能性の話だろ〜?一人の方がもっと―――」 「あぁ、失礼。言い間違えた。貴様が私に話掛けてこなければ、こんな事にはならなかった」 「・・・ルレイ、お前性格悪いだろ」 根性で起き上がった黒服、裏剣を喰らわせて昏倒させる。一応誰も殺してはいない。 「さて・・・今度こそついて来るなよ」 「嫌v」 「・・・貴様・・・」 「俺、ルレイがいくら嫌だっつってもついてくって決めたんだ」 嫌になる程の、満面の笑みで返された。私は大きく溜息を吐くと、 「勝手にしろ」 諦めた。
×××
「って感じだったよなー」 「今思い出しても腹が立つ」 『災難だったのぅ、ルレイ』 「ひどっ煤i゜д゜)」 ある宿の一室。今日も何とか仕事を終え、それなりの報酬をいただいた。これで二ヶ月ぐらいは持つだろう。・・・ホムラが馬鹿食いさえしなければ。 『しかし・・・昔からこ奴は馬鹿だったのか』 私の肩からベッドへ、リスネコが飛び移る。 そう、今の少し低めの声はこのリスネコのものだ。何故動物が喋るのかという話は、またの機会にしよう。 「バカって言うなこのびっくり小動物!!」 ホムラは相も変わらずこの通りで、なんら学習知る気はないらしい。 しかし・・・無理やりついて来たこいつと、そのまま仕事をするようになるとは・・・。あの時は考えもしなかった。 本当に――― 「最悪の一日だった」 「最高の間違いだろ☆」 「黙れ」
〜と、〜 いう感じの人達の話です。 次はちゃんと、まともな話が書けたら・・・それっていいなぁ(願望
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