×××
真っ暗闇の中、眼だけを動かして辺りを探る。こういう時、夜目が利くって便利だ。雨が止んで、月も出てきたからもっと見やすい。 (ルレイは・・・寝てるな?ぃよっし!) 寝付きがいい相棒を起こさないように、そろりそろり忍び足でドアへ向かう。 (それにしてもルレイ、細かったなー。これからちゃんと肉とか肉とか肉とか食わせてやらなきゃ!) とか考えながらドアノブを探し当てると――― 『ここに厨房の残り物があるとは思えんがのぅ・・・どこへゆくのじゃ?』 (ぅげっ!) フェイに見つかっちまった。足下に小さな影がすり寄って来る。 『のうのう、どこに遊びにゆくのじゃ?ワシも混ぜんか』 フェイは楽しそうに俺の肩に飛び乗ってきた。よかったー。怒られるのかと思ったから、ちょいビビリ。 「いいけど、ルレイには内緒な?」 『モチのロンじゃ!』 「・・・フェイ、それ死語だぜ?」 『ナヌッ!?Σ(・Д・)』
ってな訳で、フェイと二人であの鍵の掛かった鉄扉の前までやって来た。 『何じゃここか。諦めの悪い男じゃの。そんなに中身が見たいのか?』 「フェイだって気になってるんだろ〜?何かいるのがわかってて放っとくなんてできねぇよ!」 あの時、中を透視してもらおうと思ってルレイを呼んだのに、あっさり断られちまったから余計に気になってた。っていうか、ハッキリさせないと怖くて寝れねえし。 『どうやって開けるつもりじゃ?その剣でも壊せなんだではないか』 「それがさー、あるんだなー鍵が」 俺はポケットから古びた大きい鍵を取り出した。 実はベッドルームへ向かおうと踵を返した時、後ろで物音がした気がして振り返ったんだ。そうしたら、この鍵が転がってたって訳。 『おかしいのぅ、来た時にはなかったはずじゃが・・・』 「がちゃがちゃやってる時にどっかから落ちたんじゃね?――とりあえず開くかどうかやってみようぜ!!」 俺達はドキドキしながら南京錠の鍵穴に鍵を差し込んで―――
カチッ
「開いた!――いくぜ?フェイ」 『うむ!』 ゴクリって生唾を飲み込んで、鉄扉に手を掛ける。 ギギギギギギギ・・・ 古びた音をさせて扉が開いて、細い隙間から中を覗く。その途端、
べちゃっ
「・・・・・・・・・」 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「『――――っ ギャ―――――――――――!!!』」
めめ、目の、目の前に、目ん玉がは張り付いて、きやがった!! 俺達は悲鳴を上げて飛び退いた。 「な、なんで目ん玉が単体で動いてんだよ!?」 『ししし知らぬわ!それより、早う閉めんとあ奴が―――』
カチッ
『・・・何の、音じゃ?』 「知らねぇけど・・・何か・・・やばそうなよk―――」
ガコンッ
「『えっ?』」 何か、奥の方で重そうな音がしたと思ったら、床が斜めになった。丁度鉄扉が坂の頂上になるように・・・。 「何なにナニ!?」 『こっこんな仕掛けがあるとは―――はっ!?ホムラ逃げよ!!』 「なんだよいきなり?」 『つべこべ言わず走らんか!!』 訳わかんねぇ!! 俺はとにかくフェイに従って坂を降り始め――――
ドカンッ!!!!
「今度は何なん・・・ギャ―――――――!!!Σ(◎Д◎;)」 嘘だろおい!!いきなりでっけぇ丸い岩が天井から落ちてきて、しかもこっちに向かって転がってきやがった!! 『はーしーれー!!\(>Д<)ノ』 「ギャ――――!!助けてルレーイ!!」
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