※注意※ この回は暴力シーンがあります。 苦手な方はとばして次の回をお読みください。 どんな表現でも気分が悪くならない、現実と空想の区別がしっかりとついているという方のみ、レッツスクロール! ↓
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あー・・・ 今日も雪。 目が覚めるといつも見るクセ。 晴れてたら・・・ 晴れてたら、きっとイイコトが起こるハズなのに・・・
ぐぅぅぅ・・・ ハデにハラが鳴った。 ここ何日も食ってねぇ。 前、角の店は失敗したからチガウとこに行かなきゃ。 パクッてきたコートを着た。オトナ用だから、足首まである。 周りを確認して、ねぐらからはい出た。 穴だらけの捨てられた小屋を、ちょっとだけ振り返る。 オレに家はなかった。 カゾクもいないし、どこで生まれたのかもわかんねぇ。 短い間、いっしょにいたおっさんも、急にいなくなっちまったし。 オレは、いつも一人だった。 どこか別の場所に行こうと思った事はなかった。 だって、オレにとってのセカイはこの街しかなかったから。 町から出たら、何にもないんだと思ってた。
黒い雲と雪で時間は分からないけど、昼ぐらいかな。 道に人が少なくて、いっぱいいい匂いがしてくる。 こういう時が一番いい。 店と店の隙間を出して、キョロキョロ見る。 ――よし、行ける!
捕まっちまった。
運がわるかった。 肉屋に買い物に来たケイカンタイにバッタリ会っちまって。 しかもそいつは、この町一番のキョウボウなやつで、ずっとオレをマークしてたやつだ。
なぐられた。 けられた。 ありとあらゆるボウリョクを受けた。 ひどい事を言われ続けた。
親なし! 汚い、ゴミみたいなガキめ! お前なんか生きててなんになる!? 穀潰し! この世に生まれてきたこと事態が間違いなんだよ! さっさと死ねよ!!
死んだのはそいつだった。
まさか、自分が死ぬなんて思ってなかったんだろう。 すんげーポカンってした顔で冷たくなってた。 何が起こったのかわからなかった。 ただ、気付いたらソイツが動けなくなってて この部屋には、オレとソイツしかいなくて 中からカギがかかってて・・・
みんなオレを人殺しって言った。 親がいないからこんな事するんだって。 言ってるヤツらはみんな、あのケイカンタイが死んで喜んでて。 わるい事ばっかり、オレに押し付けて・・・
オレは、殺される前にこの“セカイ”から飛び出して―――
町に着いた。 腹が減ってたから、また盗んだ。 それしか知らなかったから。 盗んで隠れて 隠れた所には先客がいて
また殴られた また蹴られた また罵られた オレは丸くなって耐えた
オレに居場所なんてないんだ オレがいていい所なんてないんだ
ヨソ者が! 盗人!! お前なんか死んじまえよ!!
気付いたらソイツらが死んでた。 オレの手が、真っ赤に染まってた。
人殺し!!
小さな女の子が、扉から半分だけ体を見せてそう叫んだ。
どこか遠くで叫び声がした。 オレは構わず盗んで逃げた。 逃げ込んだところにはすでに人がいた。 殴られた。 罵声を飛ばされた。 殴り返した。 手元にあった鉄パイプで叩き付けた。
―――地面に転がったソイツの顔は、オレと同じ顔だった。オレだった。
俺がオレを罵って、オレにひどい事を言って、オレに罵声を浴びせて、オレを殴って オレを蹴って打って叩きのめして、俺がオレを殺して、俺が、オレが俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺がオレが俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺がオレが俺が俺が俺が俺が俺がオレが俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺がオレが俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺がオレが俺が俺が俺が俺が俺がオレが俺が俺が
俺が!!!
ヒトゴロシ
・・・俺、は・・・
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