「どうせ最後は消えるのです」
『そう、いらない物を消すのです』
そんなことを言う奴も、
私もあんたも、
どうせ最後は消えるのです。
この建物も、
お気に入りの服も、
地球さえも、
どうせ最後は消えるのです。
何もかも。
どうせ最後は消えるのです。
だから、
私もあんたも、
この建物もお気に入りの服も、
地球も、
『今』を楽しく生きるのです。
「水曜日の午後」
『今日、雨が降るんだって。』 『そう。』
それが君と交わした
最後の言葉。
これを境に、
君はこの世から消えた。
もし、そうなるとわかっていれば
もし、あそこで君を引き止めとけば
でも過去は変わらない。
答も見つからない。
ただ
『君がいない』という
現実が胸の奥に突き刺さる。
そして僕は闇の中で彷徨い歩く。
けれど、不思議と涙は出てこない。
水曜日の午後、
君の血を洗い流した雨が
僕の涙だったのかも知れないね。
なんて、
君に語りかけた。
「鏡」
鏡が嫌い。
本当の醜い
『あたし』が見えるから。
「青い目の猫」
澄んだ、
青い目の猫。
また 何処かへ
フラフラと行ってしまうのね。
迷子になりながら、
あなたを拾ってくれる人の元へ。
「存在」
あたし
何の為に生まれてきたの?
あたし
別に居なくてもいい存在なんじゃないの?
あたしは
君に
問いかけた。
君は 『いつかわかるよ』
と言った。
あたしは
『そんなのわかんないよ』
と返した。
君は
『あなたはとても悲しい人だね』
と言って
消えた。
遠い 遠い
昔―
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