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神様がいる理由 作者:水野 美晴

最終回   1





昔、私たちが生まれるずーっとずーっと前のことです。

昔、地球には一人の少女しか住んでおりませんでした。

その少女には、生き物と喋れる力を持っておりました。



ある日少女は、ぷかぷか空に気持ちよさそうに浮かんでいる雲に、こう聞きました。

「あなた、どこまで行くの?」

雲は答えました。

「風に身を任せ、どこまでも。」



「何をしているの?」

ぴかぴか照っている太陽に少女は質問しました。

「君を照らすためだよ。」

太陽はそう答えました。



「一人で寂しくないの?」

少女は、綺麗に輝いている月に質問しました。

「一人じゃないよ。ほら、ごらん。周りに星たちがいるでしょう?」

月はそう答えました。



あたしは誰のために、何をすればいいのだろう?

少女は考えました。

考えた末、少女はこの世に存在するものたちを見守ることにしました。



そう。それが神様の誕生です。

きっとね。






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