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夜明け前 作者:椿 明日菜

最終回   夜明け前


僕達が立っているのは、まだ、夜明け前−・・・








夜は、長くて。

とてつもなく、長くて。

やっぱり僕達は、まだ。

そんな夜から、抜け出せずにいるんだ。




夜の闇。

それが、怖くて怖くて。

震えていたこともあった。


月明かり。

只、それだけを探して。

それだけを求めて。

見えない出口に向かって、只歩いているようで。













僕達が立っているのは、まだ、夜明け前−・・・





もしもその夜が、真っ暗だとしても。

闇に、吸い込まれそうになったとしても。

そのまま、進もう。


歩いている道が、砂利道だったとしても。

道が、見えなくても。

そのまま、進もう。










僕達が立っているのは、まだ、夜明け前−・・・




夜明け前の道は、暗いけど。

だけど、月明かりを道標に。

そのまま、進もう。


行く手が、見えなくても。

たとえ、たった一人だったとしても。

そのまま、進もう。









進んだ先には、きっと明かりがあるはず。


明けない夜は、無いのだから−・・・

























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