それから、ふみから何度も電話がきていたがシカトをした。店に来てもあたしは付けないと伝えてもらい会わないようにしていた。 はるが飲みに来ていたその日ふみも諦めずにまた来た。 いつものように、伝えにくる黒服にあたしは「もう少ししたら行く」と伝えた。 数分してふみの席に着いた。 いりあ「何の用事?も〜話すことはないんだけど。」 ふみ「謝りたくて・・・昔いりあにひどいことをした。自分が同じ気持ちになって気づいた。俺はいりあが、また俺を見てくれるまで待つから・・・それだけだよ。ごめんな時間取らして。」 いりあ「あたしには彼氏がいるって言ったよね?諦めてあたし彼氏と別れるつもりないしも〜ふみと一緒になるつもりなったくないから。」 ふみ「片思いならいいか?迷惑かけないから。たまにこ〜やって飲みにくるくらい、いいだろ?」 いりあ「望みがなくても??」 ふみ「自分の気持ちに諦めがつくまで、望みがなくてもいりあと居れる時間は幸せだから。」 いりあ「勝手にすれば!!」 そして2人とも無言でお酒を飲んだ。 はるの席に戻り、気持ちがおちついた。あたしやっぱはるが好き。 はるといれば幸せになれるかも。 信じてみようかなぁ。はるのこと・・・ 2年の月日はあたしの気持ちを大きく変えた。 はるを本気ですきになった。 それから、しばらくしてはると久々に喧嘩した。 あたしがまた、自殺未遂をしてそれをはるに怒られあたしもはるにあたしの何がわかるの!!っと言ってしまった。 はるは「わからないよ・・・。でも少しでもいりあの支えになりたい。いりあが俺を必要としてくれているかぎり俺は傍にいるよ」 あたしは泣いた涙が止まらなかった・・・。 嬉しかったこんなあたしを好きだといってくれるはるが。 こんなあたしが大切だと抱きしめてくれるはるが大好きだった。 それから、あたしははるに一緒に住みたいと話した。 はるは嬉しそうに「一緒に暮らそう」と言ってくれた。 それからあたし達は話をして2人で新しい部屋を借りることにした。 それぞれの家にあった家具などを持ち込み同棲が始まった。 あたしは幸せだった。 好きな人と同じ家で同じベットにいつも一緒に寝る。 それから・・・付き合って3年がたちあたしの仕事も安定し始めた頃 あたしには子供ができた。 嬉しくて嬉しくて涙が出た。はるが仕事から帰ってきて 「子供できちゃった!!」と話した。はるも喜んでこれからは3人で幸せになろうと。言ってくれてあたしはお腹が目立つまではお店にでることを話。はるも納得してくれた。 でも、あたしの病気は治ってくれなかった・・・ 妊娠したせいもあって余計ストレスが溜まりあいかわらず倒れてばかりの日々が続いていた。 そんな日々が続いて、妊娠6ヶ月になりお腹が目立ってきたのであたしは産休に入った。子供が産まれたらまたお店に戻るという話で。 その日はるは会社に行っていた。 あたしは毎日家事をして時間を過ごしていた。 今日はハンバーグにしよっかなぁ。 あたしは買い忘れたものがあり、近くのスーパーまで歩いていくことにした。 買い物を終えて店をでて歩いていた。 今日からは子供とはるのことだけ考えてゆっくりできる。 そんなことを考えながら歩いていた。 これからはあたしは幸せになれると確信していた。 も〜1人ぼっちじゃないと。 そして、帰り道ちょうど小学生の下校時間だった。あたしの横を子供達が走っていった。 その時、前から走ってきたトラックがひとつ手前の信号を無視して走ってくるのが見えた。 横断歩道を子供が歩いていた。トラックに気づいていない。 あたしは思いお腹を抱えながら走った。 叫んでも騒音で聞こえていない。 子供がひかれちゃうっ!!そして、あたしは道路に飛び込んだ。 ・・・・・。 あたしどうしたんだろう・・・。体が動かない・・・。救急車の音がかすかに聞こえる。 「大丈夫ですか?聞こえますか?」誰かの声がした。 あたしは必死に話そうとしたけど声がなかなかでない・・・ 「あの子は・・?」 「あなたが助けた子供は大丈夫です。軽症ですよ。」 よかった・・・。 それからあたしは救急隊員に、 「子供を・・・子供を助けてください。あたしより子供を。お願いします。」 病院に到着してすぐ手術室に入ったあたしは先生に「子供を助けてくださいあたしより子供を優先してください」と話した。 先生は「お母さんもがんばってくださいね」と言ってくれた。 あたしの体はボロボロだった。トラックにはねられたんだから当たり前だ。 でも、子供はちゃんとお腹で生きていた。 鼓動を感じた。お願い貴方は生きて、生きて・・・。 そのまま、あたしは意識を失った。 仕事中のはるに連絡が入った。 はるは急いで会社をぬけ病院に来た。 手術室のランプが消えた・・・。 先生が出てきてはるが話しかけた。 はる「妻と子供は?」 医師「あちらでお話します。」と診察室にはるを通した。 医師「旦那さん、今から私が話すこときちんと聞いてくださいね。 それから彼女の親御さんに連絡は取れますか?」 はる「彼女の親の連絡先は彼女しか知りません。彼女の携帯見ればわかると思いますが、妻の親は札幌ではないので」と言いました。 医師「そ〜ですか。では親御さんにはお話が終わった後で連絡をしてください。」 そして医師は話し始めた。 「彼女は下校途中の小学生を助けるために自ら道路に飛び出しトラックにはねられたそうです。その小学生は軽症でした・・・。 彼女は病院に着いたときに私やナース達に子供を優先してと言いました。 でも私達は2人とも助けたく手を尽くしたのですが、彼女は外傷がひどくて・・・。 彼女は気を失うまでずっと子供をっと言っていました。 お子さんは未熟児で産まれ今治療を受けています。 ・・・・・。 奥さんは残念ながら・・・お子さんが産まれてくると同時に息をひきとりました。 旦那さん大丈夫ですか?」 はるは愕然とした・・・いりあが死んだ・・・?嘘だ。嘘だ。嘘だ。 心の中で叫んだ事実を受け入れられなかった。 朝まで笑っていたいりあが居なくなったことが信じられず医師に会わせてくれと言った。 医師はナースに病室まで連れて行くよう指示した。 ベットの上ににいりあが寝ていた。 はる「いりあ、俺だよ。はるだよ。赤ちゃん産まれたって一緒に見に行こうよ」 話しかけても反応しない。 手を握るとまだ温かかった・・・。 「いりあ、死んだまねなんてしないでくれ。起きてくれ!起きてくれよ!」 はるは泣き崩れた・・・。現実なのか夢なのかわからなくなっていた。 ただ、涙が止まらなかった。 するとナースが入ってきて。 「これ、奥さん亡くなるまでずっと握っていたものです」と渡された。 それはいりあとはるが付き合って間もない頃はるがつけていたネックレスをいりあが貰っていつもつけていた物だった。 はるはしばらくその場から離れられず泣いていた。 時間が過ぎはるはいりあの親に電話をして事実を告げた。 はるはその日医師に頼んでいりあの隣に泊まらせてもらうよに頼んだ。 その夜、はるは寝付けずにいりあの隣に横になってただ、ただいりあを見つめていた。
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