■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

好きなのに素直になれない気持ち 作者:hime

第7回   本音と不満〜はるの気持ち〜
はるといる時は落ち着く。1年になる頃には自分の気持ちを少し話すようになっていた。

過去の話もした。家族の話、元彼との別れから人を信用できなくなったこと、だから人の気持ちを考えずいつも自分勝手な行動や発言をしてしまうこと。
でも、本心は昔のように人を本気で好きになりたい。
ここまでの気持ちや過去は話した。
でもここから先の気持ちはまだ話せないでいた・・・。


浮気して平気な自分がいや。
もっとあたしのこと知ってほしいのに言えない。
あたしも束縛しないから相手にもされたくないと言って自分で相手との間に壁を作っていること。
ホントはもっと一緒にいてほしい。
もっと甘えたい。抱きしめていてもらいたい。

はるを好きになるほど一緒にいる時間が大きくなるほどあたしの気持ちの不満は大きくなっていった。

あたしは付き合ったときにはるに言っていたことがあった。

「あたし、束縛するのもされるのも嫌いだから、浮気しなければ、女の子と遊んだりしていいし風俗だって行っていいし最低限だけ守ってくれれば後は自由だから。あたしも男と遊んだりするけど。そこらへんは自由にしよう。」と話していた。

はるも付き合い始めたときは、ほとんどあたしのやることに干渉しなく。
男と遊ぶといっても何も言わず、はるも女の子と遊んでいた。

けれど、半年くらいたってりゅうと別れる少し前くらいから、はるは少しずつ変わってきていた。

付き合ったときは言わなかったこと。
自分の本心を言ってきたのだ。

りゅうとまだ付き合っていた頃、大喧嘩をした。
あたしがりゅうと喧嘩して、はるに当たってしまったことからの喧嘩だった。

喧嘩の話からだんだんずれてきた時、はるが俺の気持ちをちゃんと聞いてほしいと言ってきた。

いりあ「なに?いいたことあるならはっきり言えば??」

はる「俺、今まで大人のふりしていりあに言わなかったけど、俺めちゃめちゃヤキモチ焼きだし嫉妬深いし、疑り深いんだ。
だから、いりあが男と遊んでるのすごく嫌だし、それを考えるだけでむかつく。
仕事の付き合いとかはしかたないと思っていてもそれでもヤキモチやいちゃうし。元彼とかと遊ぶって聞いたらマジむかついてくる。
だから元彼とは遊ばないでくれ!俺も女の子と遊ばないし元彼女とは全部、縁きったから!俺といる時に男友達と電話されたりするのもホントすごく嫌なんだ!初めてこんなに長く付き合って、今までにないくらいいりあのこと好きなんだ。わかってくれる??」

いりあ「元彼とは理由がない限りこれからは会わないよ!男とも用事がないかぎり遊ばないようにする。電話も長電話はしないように気をつけるね!!」

正直はるの気持ちがそこまで大きくなっていたことは嬉しかったでも、その反面あたしはそこまではるを好きじゃない気持ちと、はるのために今までの自分を捨てきる自信がなかった。

はるのために、男友達や元彼との友達関係をなくす事はしたくなかった。
あたしは自分の居場所をたくさんもっていたかったから。

そんな、気持ちのまま一緒にいたあたしは、はるとは続かない気がしてきていた。
あたし、はるにそこまで好かれるほどいい女じゃないし。とも思っていた。

その気持ちとは反対に、はるに支えられているあたしもいた。
付き合っていく上で少しづつお互いの考えや気持ちなどを言えるようになっていた。
あたしの体調を考えいつも傍にいてくれるはるがいて、それに頼っているあたしがいた。

そんな時間が続いていた頃。

あたしに新しく出すお店を任せると言う話がオーナーからきた。
あたしは悩んだ。ママという立場ではなく店長としてこれからお店と女の子を支えていく立場。あたしははるにそのことを話した。
はるは自分でやってみたいと思うなら挑戦してみるのもいいかもよ?
と言ってくれた。金銭的には給料うも上がるし、店の経営費などは全部オーナー持ちなのでお金の心配はいらなかったが。
ストレスで倒れることが多くなっていたあたしは今一歩踏み出せず、少し時間をもらって考えることにした。

1週間後あたしは店長の話を受けることにした。
それから、オープンの準備のため1ヶ月くらいバタバタしていたが、忙しくて余計なことを考えなくていいので気持ちは楽だった。

そして、新しい自分のお店「リアル」がオープンした。
連日、忙しい日が続いたが楽しい時間だった。
周りからは若いママだけど力があると言われ仕事に関しては充実していた。
あたしは自分の居場所はここなのかもしれないと考え始めた。
仕事が忙しいため、休みが少なくなりはるといる時間は次第に少なくなっていった。

休みの日は一緒にいたがお店からの電話や女の子からの相談で電話をしていることも多くなり、デートをすることもほとんどなく家で過ごしてばかりいる時期が続いた。
それでもはるは文句を言わず傍にいてくれた。

そんなある休みの日、はると久しぶりにゆっくりできる休みで昼間に起きて久々にデートした。
買い物をしたりケーキを食べにカフェに行ったり夜は居酒屋でご飯を食べはるの家に行った。
あたし達はお互い1人暮らしで、休みの日は交互にお互いの部屋に行っていた。
その夜、はるとあたしは久しぶりにゆっくりできたこともあってお互い求めあった。
そして、ことが終わりはるが眠りについた頃。あたしの携帯がなった。

誰だろう・・・?

メモリーに登録されいない番号だった。
「もしもし〜、誰??」

「・・・・・いりあ??俺ふみだけど。」

いりあ「えっ??ふみ・・・?(誰だっけ?お客さんかなぁ?)」

ふみ「中学の時付き合ってた、よしふみだけど。」

いりあ「えっ!!!ふみ?なんで?ど〜したの急に?なんで番号知ってるの?」

あたしは驚きのあまり質問攻めしてしまった。

ふみ「友達から番号聞いた。この前○○って客行ったろ?あれ俺の友達なんだ。それで話したくなってさ。」

いりあ「あ〜あの人ね!!久々だねぇ。7年ぶりくらい?今何してるのさ?結婚とかした?」そんな他愛もない話をしばらくしてふみが話を切り出してきた。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections